平成16年3月
特 許 庁
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シンガポール知的財産権庁(Intellectual Property Office of Singapore: IPOS)は、日本国特許庁を、同国の修正実体審査(Modified Substantive Examination: MSE)制度における所定特許庁にすることを2002年7月24日付けの官報で公表した。 2002年8月15日付けで行われる同国特許法施行規則の改正の施行をもって、日本国特許庁の所定特許庁化が実現した。これにより、シンガポールに特許出願を行った出願人は、日本で特許が成立したことを示す特許公報を英語訳とともにIPOSに提出することにより、シンガポールにおける特許を迅速に取得することが可能となった。 シンガポールの修正実体審査(MSE)制度における日本国特許庁の所定特許庁化は、「日・シンガポール新時代経済連携協定(JSEPA)」の知的所有権分野における合意に基づくものであり、同協定の発効に先立って実施された。なお、日本国の所定特許庁化はクロアチアに続き、我が国が修正実体審査(MSE)制度の所定特許庁となる2番目のケースとなる。 |
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| (参考1) 修正実体審査(MSE)制度の概要と効果 |
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(1) |
特許権は各国の法律に基づく独立のものであるため、出願人は権利獲得のため、原則、各国で審査を受ける必要がある。しかしながら、経済のグローバル化の進展に伴い、同じ発明に関して多数の国で特許権を獲得しようとする傾向がますます強くなりつつある中で、出願人は、各国ごとに手続を行わなければならず、また、各国特許庁も同じ発明を重複して審査することとなるため、非効率な面も指摘されている。 |
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(2) |
このような中、一部の国では、他国の特許庁の審査結果を活用して特許権の付与を行う、修正実体審査と呼ばれる制度を導入している。これは、当該国の特許庁と、予めその国が定めた他国の特許庁(所定特許庁)に、同じ発明を記載した特許出願が行われている場合、出願人が所定特許庁の審査結果を一定の手続に従って当該国特許庁に提出することにより、当該国特許庁が基本的にその所定特許庁の審査結果を受け入れ、特許権の設定を行うものである。 (参考) 修正実体審査(MSE)制度を有する国: クロアチア、シンガポール、マレーシア等 |
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(3) |
今般、我が国特許庁が修正実体審査制度の所定特許庁となることにより、出願人が日本の特許出願審査結果に基づいて、外国における特許権を迅速に取得することが可能となるとともに、特許庁間の審査業務の重複を排除することにも貢献する。 |
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| (参考2) シンガポールの修正実体審査制度 |
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シンガポール特許法施行規則にて定める所定特許庁において、シンガポール特許出願に対応する出願に特許が付与された場合、かかる審査結果を示す書類を出願人がIPOSに提出することにより、簡易な追加的審査のみでシンガポール特許が付与される制度。現在の所定特許庁は、オーストラリア、カナダ(英語出願のみ)、ニュージーランド、英国、米国の各特許庁、及び、欧州特許庁(英語出願のみ)。非英語圏では、日本国特許庁が、シンガポールの修正実体審査制度における所定特許庁に指定される初のケースとなる。 |
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