6月16日、シンガポールで開催された日シンガポール特許庁長官会合において、両庁は特許審査ハイウェイ(PPH) の試行を本年7月1日から開始することに合意しました。我が国は既に、世界の特許出願の約64%を占める主要8か国の特許庁とPPHを開始しています。今回の相手国であるシンガポールは、東南アジア地域では初めての我が国とのPPH締結国であり、これによって、それぞれの国の企業がより迅速・的確に発明を権利化するためのPPHの取組が、更に拡大されることとなりました。
1.背景
企業等のグローバルな活動の拡大に伴って、複数国で特許権を取得するニーズが高まり、同一内容の発明が世界の各特許庁に出願されています。こうした中、世界的に特許出願件数が急増し、重複作業と作業負担の削減が大きな課題となっています。このため、我が国は、一方の国で特許となった出願について、他方の国でその審査結果を参照しながら、早期審査を行う枠組みである「特許審査ハイウェイ」(PPH)の取組を各国とともに進めているところです。
2.日シンガポール間の試行プログラムについて
2002年の経済連携協定の締結以降、日本とシンガポールとの間の経済的な結びつきはますます強まっています。特許庁は、企業活動を通じて創出される発明について、それぞれの国の企業がより迅速・的確に権利化できる環境の整備が、両国の経済関係を一層深めていく上で重要と考えています。
このような状況の下、本年6月16日、我が国特許庁とシンガポール知的財産庁(IPOS)は、PPHの試行プログラムを本年7月1日から開始することに合意しました。今回のPPH試行プログラムの開始により、我が国で特許権を付与された発明については、シンガポールでの特許権の設定が迅速に行われるようになることが期待され、シンガポールで特許可能と判断された発明については、出願人は我が国において、簡便な手続で早期審査を請求することができるようになります。
また、シンガポールは、現在、ASEAN諸国と審査結果を共有する取組(ASEAN特許審査協力プログラム)を進めているところです。この取組の中心であるシンガポールとの間でPPHを締結することにより、我が国で特許権を付与された発明については審査内容がASEAN諸国で共有され、その結果シンガポールのみならず、ASEAN諸国において早期に安定した特許権を取得できることが期待されます。
日シンガポール間のPPHの詳細については、以下のウェブサイトにて公表しています。
3.「特許審査ハイウェイ」の世界的な拡大に向けて
2006年、我が国は米国と世界で初めてPPHを開始し、既に世界の特許出願の約64%を占める主要8か国の特許庁(米国、韓国、英国、ドイツ、デンマーク、フィンランド、ロシア、オーストリア)とPPHの取組を行っています。今回の相手国であるシンガポールは、東南アジア地域では初めての我が国とのPPH締結国であり、これによって、それぞれの国の企業がより迅速・的確に発明を権利化するためのPPHの取組が、更に拡大されることとなりました。今後も、我が国は欧州特許庁(EPO)、ハンガリー、カナダ等ともPPH締結に向けて交渉を行っていきます。

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[更新日 2009.6.16]