平成19年12月
特許庁
特許庁は、特許審査の国際ワークシェアリングの推進と、海外での適切な特許権の取得支援のため、日本から海外への出願を対象に早期に審査着手し、いち早く日本国特許庁の審査結果を世界に発信する施策(JP-FIRST)を、平成20年4月から実施します。
※JP-FIRST:JP - Fast Information Release STrategy
1.背景
経済のグローバル化に伴う世界的な特許権取得ニーズの高まりを背景に、近年、主要国特許庁に同じ内容の出願がなされるケースが急増しています。その結果、各国特許庁では、重複出願の審査という非効率な状況が発生し、審査待ち期間の長期化にも影響するといった課題が顕在化してきています。
これらの課題に対応するため、主要国特許庁間(日米欧三極特許庁など)では、これまで、審査結果の相互利用を促進するための様々な手法、例えば特許審査ハイウェイが実施されています。その基本的な考え方は、最初に出願を受理した国の特許庁(第一庁)が責任をもって優先的に審査を行い、その審査結果を他国の特許庁(第二庁)が有効に利用する、というものです。
このように、世界全体として特許審査の効率化を進めることが極めて重要であることは、欧米のほか韓国・中国も含めた主要国特許庁の共通認識となっております。また、最近の途上国における海外からの出願増を踏まえると、なお一層の途上国協力にも資するものと考えられます。


2.本施策の骨子
特許庁は、特許審査の国際ワークシェアリングの推進と、海外における適切な特許権取得のため、現在実施している特許審査ハイウェイに加えて、日本から海外へ出願される基礎となる出願(パリ優先権基礎出願)を対象に、特許庁の一次審査結果を世界に発信する施策を平成20年4月から実施します。
世界に向けた一次審査結果発信に当たっては、主要国特許庁、あるいは途上国との間で既に構築されている情報ネットワ-クを活用していくこととします。
本施策の骨子は以下の通りです。
○パリ優先権主張の基礎となる特許出願のうち、出願日から2年以内に審査請求されたものを、他の出願に優先して審査着手します。
○審査着手時期の目安として、審査請求と出願公開のいずれか遅い方の日から、原則6月以内に着手を行います。また、審査着手は出願から30月を越えないものとします。
※なお、平成18年4月1日以降の出願を対象とします。
本施策を進めることによって、以下の効果が期待できます。
(1)外国における適切な権利取得支援
各国特許庁の審査官は日本での審査結果を利用することとなり、海外においても質の高い審査が期待され、安定した強い権利を取得することができます。
(2)我が国も含めた世界全体での審査負担の軽減
長期的には、各国間でのワークシェアリングの進展により、各国特許庁の審査負担が軽減され、審査業務が効率化された場合、我が国も含めた世界全体での審査待ち期間の短縮が期待できます。
※PCT出願の基礎となる出願については、既に、国際調査報告書の発信によるワークシェアリングの仕組みが成立しているため、本施策の対象外とします。
※本施策の実施に際して、出願人からの別途手続は不要です。パリ優先権基礎出願であって、出願から2年以内に審査請求がなされたものについては、特許庁において本施策の対象として選定し、審査着手を行います。
※本施策の対象となる出願であっても、早期審査制度を利用することができます。この場合、早期審査の事情説明書の提出等の早期審査手続きをすることが必要です。
※審査着手時期の目安については、当面柔軟に運用されます。
3.今後のスケジュール
本施策は、平成20年4月から運用開始します。海外での適切な権利の取得の手段として、また、特許審査の国際ワークシェアリングの推進のために、本施策の活用をご検討頂ければ幸いです。
- <この記事に関する問い合わせ先>
- 特許庁特許審査第一部調整課企画調査班
- 電話:03-3581-1101 内線3107
- E-mail:お問い合わせフォーム
- 特許庁特許審査第一部調整課審査企画室
- 電話:03-3581-1101 内線3103
[更新日 2007.12.28]