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濱野長官 2024年 年頭所感

冒頭、本年1月1日に発生しました令和6年能登半島地震において亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申しあげるとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。

2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられ、社会経済活動が活性化しています。海外への渡航も活発化し、ビジネスのグローバル展開も再開されていく中で、知財戦略を適切に策定する等、イノベーションの重要性がますます高まっています。
1月から9月においては、2022年の同時期と比べ、意匠・商標登録出願件数はそれぞれ約3%、約4%減少したものの、特許出願件数は約6%増加しました。引き続き、将来の事業展開を見据えた経営戦略に連動した知財戦略の構築と、産業財産権のご活用をお願いいたします。
10月には、2021年に発足させたAI審査支援チームを強化し、AI関連発明の効率的かつ高品質な審査を推進する等、特許庁の審査における「世界最速・最高品質」を引き続き堅持し、質の高いサービスを安定的に提供しながら、イノベーションの促進を支援してまいります。

3月には、中小企業・スタートアップ(SU)に対し、地域ブロックレベルでの支援を強化するため、特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、日本弁理士会、日本商工会議所で「知財経営支援ネットワーク」構築に関する共同宣言を行いました。
さらに、5月には、更なる知財経営支援の強化を目的とし、INPIT・産業技術環境局・中小企業庁と合同で「知財活用アクションプラン」を改定しました。改定のポイントとして、「知財経営支援ネットワーク」を通じた、地域のニーズに即したきめ細かいワンストップ知財経営支援サービスの実現等を掲げています。
これらの取組により、特許庁は中小企業・SU等の知財経営の推進を力強く後押ししてまいります。
また、4月には、石川県、中部経済産業局、農林水産省輸出・国際局及び北陸農政局と「知的財産の保護及び活用に関する連携協定」を締結しました。石川県内事業者へのセミナーの実施や石川県の地方公共団体等の職員に対する研修等、知的財産への理解の醸成や知的財産権の保護・活用の支援を実施してまいります。

5月には、イノベーション促進のための支援として、特許庁が2022年に作成・公表したグリーン・トランスフォーメーション技術区分表(GXTI)に基づく特許情報分析結果を公表しました。この結果が、GX技術の出願動向の把握と、GXTIを用いた特許情報分析を行う際の一助となれば幸いです。
また、SU向けの支援として、ベンチャーキャピタル(VC)への知財専門家派遣プログラム(VC-IPAS)の派遣先となるVCの公募を行いました。派遣された専門家がVCと協働して、投資前及び投資後のSUに対して事業戦略に連動した知財戦略構築等の支援を行うことにより、SUの成長を加速してまいります。

2023年には、不正競争防止法等の一部を改正する法律が国会で可決・成立し、公布されました。本法律は、知的財産分野におけるデジタル化や国際化の更なる進展等の環境変化を踏まえ、中小企業・SU等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しする等、時代の要請に対応した知的財産制度の見直しを行うものです。(1)デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化、(2)コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備、(3)国際的な事業展開に関する制度整備の3つを柱に、不正競争防止法、商標法等を改正し、登録可能な商標の拡充、出願前にデザインを公開した場合の手続の緩和、書面手続のデジタル化等を行いました。
今後も、ユーザーが新たな制度等を適切に活用できるよう、これらの内容の周知に取り組みます。

2023年は多数の国際会議が対面で開催され、世界知的所有権機関(WIPO)の加盟国が集うWIPO加盟国総会や日米欧中韓の特許庁からなる五庁長官会合、日ASEAN特許庁長官会合等の国際会議にも現地で参加することができました。
インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナム、タイといった国の新興国・途上国知財庁に現地での研修を提供し、また、40か国以上の国から250名以上の知財関係者に日本へ来訪いただき、多数の研修を実施しました。引き続き、新興国・途上国の知財制度の整備を支援してまいります。 今後も知財の適切な保護と活用に向けた国際的な環境整備に向け、対話を通じて海外知財庁・WIPOとより強固な協力関係を築くとともに、特許庁の施策を積極的に発信し、国際的な制度調和をリードしてまいります。
また、特許庁は世界で最も多くの44の知財庁と特許審査ハイウェイ(PPH)を実施しています。さらに、海外での権利化のための助成事業を大幅に見直し、補助金を利用して外国出願等の手続ができる時期を来年度から大きく広げる方向で調整しています。これらの取組により、我が国ユーザーの海外出願戦略を後押ししてまいります。

特許庁では、本庁舎改修が完了し、大半の職員が本庁舎で勤務できるようになり、課室間の円滑なコミュニケーションが可能になった等、良い効果が生まれています。引き続き、全ての職員が本庁舎で勤務でき、組織としての一体感が更に一層高まるよう、「One JPO」のスローガンの下で、業務改革及びより良い職場環境の整備に取り組んでまいります。
さらに、知財を取り巻く環境が大きく変化していく中においても、働きがいと働きやすさの両立及びユーザーの期待により応えられる持続可能な組織を目指すべく、フリーアドレスやテレワークの推進、AIを活用した審査の効率化といった、業務効率化やシステム活動に一層取り組むことはもちろんのこと、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)チームの発足とキャリアビジョン育成の取組等、人材確保・育成にも力を入れています。2021年に策定したMVV(ミッション・ビジョン・バリューズ)とも照らし合わせながら、これらの取組を通じて、特許庁の組織力・職員個々の能力を最大限発揮できるように取り組んでまいります。

本年も、特許庁は、迅速・高品質な審査等を通じてイノベーションを促し、新たな制度の周知を図る等、皆様のビジネスをサポートすべく全力で取り組んでまいります。今後とも特許庁の行政に御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。皆様のますますの御健勝と御発展を心からお祈り申し上げまして私の新年の御挨拶とさせていただきます。

特許庁長官 濱野幸一

[更新日 2024年1月9日]

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