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チタン系にインヒビター添加、インヒビター無添加

技術分類

A-A1-1-3 被処理材がアルミニウム合金のクロメ-ト代替皮膜

技術の名称

A-A1-1-3-3 チタン系 -インヒビター

チタン系にインヒビター添加、インヒビター無添加

技術内容

カーエアコンユニットのエバポレータは,送風される空気を冷媒との熱交換により冷却する役割を持つアルミニウム製熱交換器である。従って,エアコン使用時は、凝縮水が発生し,エバポレータの表面は濡れた状態となっている。エバポレータの表面処理に対する要求機能は多様化し,現在では,耐白錆性,親水性,異臭発生の抑制性を付与する重要な技術となっている。現在は耐白錆性を付与するクロメート皮膜の上に,親水性・異臭発生の抑制性を付与する親水性皮膜を形成している。しかしながら,クロメート皮膜には環境負荷物質に指定されている6価クロムが含有されており,EUでは現在,策定中の廃車指令案のように規制強化の動きがある。本研究では,従来の要求機能を維持しつつ,6価クロムを含まないノンクロメート表面技術を確立した。ここで開発したノンクロメート表面処理を行ったエバポレータの総合品質確認結果を示した。

チタン系化成皮膜をベースに、親水性皮膜に新たにインヒビターを添加し耐白錆性を補う。比較として、チタン系化成皮膜にインヒビター無添加の親水性皮膜を形成したもの、および従来品のクロメート皮膜に親水性皮膜を形成したものについて評価した。

図3に、塩水噴霧試験(SST)により、白錆発生率で評価した結果を示す。インヒビターを添加してないものはSST72h後ですでに白錆が約5%発生し、240h後では10%に達したのに対し、インヒビターを添加した親水性皮膜をチタン系化成皮膜上に形成したものは、従来のクロメート皮膜品と同等の耐白錆性を示した。

SVET測定結果を図5に示す。SVET(Scanning Vibrating Electrode Technique)測定とは、走査振動電極法により試料面から発生する腐食電流の経時変化を測定するものである。この図で、盛り上がっている部分が腐食電流が発生していることを示す。インヒビターを添加していないものでは、8時間後でも腐食電流が認められるのに対し、インヒビターを添加したものでは8時間後には認められなくなった。このことは、親水性皮膜に添加したインヒビターがアルミ素地の露出部分を修復したことを示唆する。

図7にカップリング試験結果を示す。親水性処理版のインヒビターは試験後に減少し、反対に無処理アルミ板では、試験前0であったインヒビターが試験後に認められた。このことから、インヒビターは親水性皮膜から溶出し、無処理アルミ板へ移動・析出したことがわかる。

図8に、総合品質確認結果を示す。臭気強度は無臭から非常に強くにおうの6段階で評価した。親水性は水滴接触角を測定し、数値が低いほど親水性は良好となる。防菌性は培養試験前後の生菌数の増減で評価した。耐白錆性および耐臭気性・親水性・防菌性ともに従来のクロメート皮膜と同等の品質を確保した。

処理液の組成

チタン系にインヒビター添加

チタン系にインヒビター無添加

基材

アルミニウム製熱交喚器エバポレータ

効果

耐白錆性、耐臭気性、親水性、防菌性

エバポレータ

図3 塩水噴霧試験結果(試験時間に対する白錆発生率で評価)

塩水噴霧試験結果(試験時間に対する白錆発生率で評価)

出典:「エバポレータ用ノンクロメート表面技術の開発」、「自動車技術会学術講演会前刷集 NO.96-00」、(2000年10月17日)、小林健吾, 菅原博好, 野々垣昌之、大迫友弘, 本沢正博, 小嶋弘樹著、社団法人 自動車技術会発行、7頁 Fig3 Rust prevention result

図5 SVET測定結果

SVET測定結果

出典:「エバポレータ用ノンクロメート表面技術の開発」、「自動車技術会学術講演会前刷集 NO.96-00」、(2000年10月17日)、小林健吾, 菅原博好, 野々垣昌之、大迫友弘, 本沢正博, 小嶋弘樹著、社団法人 自動車技術会発行、7頁 Fig5 SVET measurement principle

図7 カップリング試験結果

カップリング試験結果

出典:「エバポレータ用ノンクロメート表面技術の開発」、「自動車技術会学術講演会前刷集 NO.96-00」、(2000年10月17日)、小林健吾, 菅原博好, 野々垣昌之、大迫友弘, 本沢正博, 小嶋弘樹著、社団法人 自動車技術会発行、8頁 Fig7 Coupling examination result

図8 総合品質確認結果

総合品質確認結果

出典:「エバポレータ用ノンクロメート表面技術の開発」、「自動車技術会学術講演会前刷集 NO.96-00」、(2000年10月17日)、小林健吾, 菅原博好, 野々垣昌之、大迫友弘, 本沢正博, 小嶋弘樹著、社団法人 自動車技術会発行、8頁 Fig8 Quality evaluation result

出典/参考資料

「エバポレータ用ノンクロメート表面技術の開発」、「自動車技術会学術講演会前刷集 NO.96-00」、(2000年10月17日)、小林健吾, 菅原博好, 野々垣昌之、大迫友弘, 本沢正博,小嶋弘樹著、社団法人 自動車技術会発行、6~8頁 Fig3 Rust prevention result、Fig5 SVET measurement principle、Fig7 Coupling examination result、Fig8 Quality evaluation result

[更新日 2003年3月28日]