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第9回特許制度小委員会 議事録

  • 日時:平成15年6月3日(火曜日)15時00分から17時00分
  • 場所:特許庁庁舎 特別会議室
  • 出席委員:
    後藤委員長、相澤委員、浅見委員、阿部委員、市位委員、江崎委員、大西委員、岡田委員、志村委員、須賀委員、竹田委員、田中(道七)委員、土田委員、長岡委員、西出委員、松尾委員、丸島委員、丸山委員、山本委員
議事録

委員長

では、時間となりましたので、始めたいと思います。
ただいまから第9回特許制度小委員会を開催いたします。
本日は、ご多用中のところ、ご出席いただきまして、どうもありがとうございました。
部会長は、今日、大学の関係で、やむを得ずご欠席とのことです。
本日の議題ですけれども、議事次第にありますように、2、3、4、5、6とありますが、2番目の「職務発明に係る外国特許権等の取扱いについて」を主にご検討いただきまして、後半の方では、昨年、医療行為ワーキンググループをこの小委員会のもとに設置して、検討をお願いいたしておりましたが、これの報告書(案)、「医療関連行為に関する特許法上の取扱いについて(案)」がとりまとまったようですので、それをご検討いただくことと、4番目の「知的財産戦略本部における検討状況について」、5番目の「臨時の特許制度小委員会開催について」をご検討いただくことになっております。
それでは、議事に入ります前に、資料の確認をお願いいたします。

事務局

お手元の資料でございますが、資料1の議事次第の後に、念のための委員名簿がございまして、資料3として、先ほど委員長からお話がございました「外国特許権等の取扱い」というところの資料がございます。資料4が遡及効の関係の資料でございます。その後に、参考資料ということで、「日経エレクトロニクス」の技術者の関係の資料がございます。その後に、資料5として、医療関連行為のワーキンググループのとりまとめ案がございます。その後に、資料6ということで、ワーキンググループに対しての意見、パブリックコメントの概要がございます。それから、別とじで、非常に厚うございますけれども、「知的財産戦略本部会合」ということで、新聞紙上にもいろいろ出ておりましたが、非常に網羅的にいろいろな議論が出ておりますので、ご参考までにということもございまして、本部の第3回の会合の資料を用意してございます。

委員長

よろしいでしょうか。
それでは、早速議題に入らせていただきます。
それでは、まず、議題2の「職務発明に係る外国特許権等の取扱いについて」ですけれども、事務局から資料のご説明をお願いいたします。

事務局

それでは、私からご説明させていただきます。
お手元の資料3、「職務発明に係る外国特許権等の取扱いについて」を御覧ください。
最初に、本日の「検討課題」を簡単にまとめておりますが、職務発明については、海外においても特許権を取得することが少なからずあるわけでございますけれども、我が国で雇用関係にある使用者と従業者の間で、職務発明について、発明の帰属先及び権利承継に争いがある場合、その判断はどこの国の法律に沿って行われるべきかというところでございます。
ご案内のとおり、判例の中には、当該発明について複数の国・地域において特許権を取得した場合、それぞれの国・地域の従業者発明に関する法令を準拠法とすべきとの立場を採用したものも――これは先日の日立判決です――ありますけれども、実態上、そのような立場は妥当な結果をもたらすかどうかということについて考察しております。
過去の判例を2つご紹介したいと思います。地裁レベルの判決ではございますが、2つございまして、1つは、今ご説明しました日立判決でございます。特許法第35条の射程は、我が国の特許法に基づいて取得される権利のみであって、外国特許法に基づいて取得される権利については、権利登録国であるそれぞれの国の特許法が準拠法だと判示しているわけでございます。
もう一つは、出願先が日本であれ外国であれ、原被告間の関係は、特許法第35条、被告規程、細則によって規律されるものであるべきという判決が過去にございまして、これについてもご紹介したいと思います。
まず、(1)が光ヘッド事件判決、日立判決でございますけれども、この判決におきましては、属地主義の原則に基づきまして、外国における特許を受ける権利が、使用者、従業者のいずれに帰属するか、帰属しない者に実施権等何らかの権利が認められるか否か、使用者と従業者の間における特許を受ける権利の譲渡は認められるか、認められるとして、どのような要件のもとで認められるか、対価の支払い義務があるか等々は、それぞれの国の特許法を準拠法として適用すべきであるとしております。そうしますと、特許法第35条は、日本の特許を受ける権利にのみ適用されて、外国における特許を受ける権利に適用または類推適用されることはないという内容になるかと思います。
他方、(2)は、ちょっと古い判決でございますが、昭和59年4月、大阪地裁で出されたものでございまして、これは、後段にありますが、「右権利の出願先が日本国であれその他の国であれ、原被告間の関係は特許法第35条及び被告規程、細則により規律されるものである」という判決でございます。
ただ、この判決の詳細をみますと、被告規程において出願補償につきましては、最初の第1国についてのみ払うというのが書かれておりまして、それを支持しております。登録補償は、日本国において登録されたものについて支払えばいいという被告細則規定がありまして、これについても支持しているところでございますので、ちょっと古いということもありますが、最近の35条は強行規定だという考え方と若干異にする内容も含まれていると感じました。
次の3.は、「属地主義を採用する場合の影響」というところを考察したわけでございますが、これまでの審議会でもご説明したとおり、各国において、職務発明に関する法律異なっております。このために、日立判決のような属地主義を採用する場合、一つの発明について、権利登録国ごとに異なった権利調整が必要となります。
(1)の「属地主義と雇用地主義」でございますけれども、中ほどにありますように、欧米諸国におきましては、基本的には、従業者発明に係る外国特許を受ける権利をめぐる使用者、従業者間の権利関係については、各登録国の特許法を適用する属地主義の原則は採用しておりませんで、雇用関係地の法律を適用するという考え方が一般的でございます。以下、これを「雇用地主義」と読んで説明させていただきたいと思います。
このホッチキスとじの5ページ以降に、各国の関連の法令、判例等がございますので、5ページを御覧になっていただきたいと思います。
まず、米国でございますが、ご案内のとおり、特に明文の法令はないわけでございますけれども、連邦公務員の職務発明につきましては、商務省経済庁規則がございます。これでは、政府は、原則として、外国における権利も取得するとの趣旨で規定されているということで、外国特許についても一応射程に入っているということがいえるかと思います。
また、米国におきましては、使用者、従業者間での特許を受ける権利の移転の問題は、雇用関係地の州法が適用されるということになっておりますので、権利の承継の有効性が問題となった訴訟におきましても、雇用関係地の州法の適用を前提に判断が下されております。
続きまして、イギリスでございますけれども、イギリスにおきましては、従業者発明に関しては、特許法の39条から42条に規定されているわけでございますが、43条におきまして、主として雇用されていた地が外国である従業者による発明に対しては適用されないとの適用除外規定が設けられております。また、外国における権利も含めて、同条が適用される旨もあわせて43条に規定されているということでございます。
続きまして、6ページの3のドイツの例でございますけれども、ドイツにおきましては従業者発明法があるわけですが、その解釈におきまして、ドイツ民法施行法という法律がございまして、この30条の規定に従いまして、原則としては、労務供給地の法律を準拠法とすべきという学説がほとんどでございます。
一方、具体的にドイツ従業者発明法をみますと、その14条1項におきまして、職務発明について無制限権利請求を行った後、使用者は、外国においても出願する権利を有する旨規定されておりまして、ドイツ従業者発明法は、外国における権利についても射程に入れているということができると思います。
また、権利承継に対する補償につきましては、ドイツ補償ガイドラインにおきまして、外国における追加利用の際には、発明価値は相応に増加する旨の規定がございまので、これも同様ではないかと思います。
続きまして、4のフランスの例でございますけれども、7ページの一番最後になります。フランスにおきましては、フランス法の労働契約に拘束される従業者が発明を行った場合、フランス知的財産法第611条7及び第611条21はその発明をカバーするフランス特許及び外国特許に適用されるとの学説が一般的でございます。実際の判例におきましても、米国特許に基づくロイヤルティーを考慮したものが存在するということでございます。
それでは、また2ページに戻っていただきまして、(1)の後段、「このため」以下でございますけれども、日本において雇用関係がある使用者、従業者が、職務発明の帰属及び権利承継について権利登録国で訴訟を提起する場合、仮に裁判管轄が認められたとしても適用すべき法律がないと判断される可能性がございます。また、日本の裁判所で訴訟が提起された場合も、諸外国は雇用地主義をとっておりますので、権利登録国の法律を適用することが適当でないと判断される可能性もございます。
次に、(2)の「職務発明に関するルールの差異」ということで、ここでケーススタディーとして、仮に権利登録国の法律が適用されるとした場合に、どのような問題が生じるかということでございます。各国ごとに職務発明の取扱いに関する詳細なルールが異なるわけでございまして、そういう意味で、権利登録国ごとに異なった権利調整が必要となるということでございます。
具体的には、3ページでございますけれども、4点で整理させていただいておりまして、①は「職務発明の定義」でございます。これは可能性の議論で、このようなことが明確に起きるかどうかは定かではありませんが、各国ごとに職務発明の定義が微妙に異なっておりますので、我が国で職務発明と分類される発明でも、外国では自由発明と分類されることがあり得るのではないかということでございます。
②の「発明の原始帰属」でございますけれども、米国やドイツは、日本と同様に、従業者に原始帰属しているわけでございますが、フランスにおいては、職務発明は使用者に原始的に帰属することになっております。イギリスの特許法では、先ほどご紹介したとおり、従業者発明に関する規定は、英国において主として雇用されていない者には適用されないという規定が存在するため、日本の従業者の発明についての原始帰属先の決定において、これを適用することができない可能性があります。
③の「権利承継」の問題でございますが、これについては3つのケースに分類しております。
まず、「契約で権利承継について定められている場合」でございますけれども、多くの国では契約による承継が認められており、基本的には、契約の準拠法は、締結地である我が国の法律となるのではないかと考えております。
他方、ドイツでは、使用者への特許を受ける権利の承継は、以前ご説明したとおり、権利請求といった特別な手続を経なければならないということで、日本の国内において、このような手続を経ないで権利承継、このケースですと、契約による権利承継をした場合には、ドイツにおいては権利承継と認められないという判断が出る可能性が出てまいります。
(イ)の「勤務規則で権利承継について定められている場合」でございますけれども、韓国を除くほとんどの国では、使用者が一方的に勤務規則で権利承継するようなケースを認めておりません。したがって、そのような国で取得する権利については、別途契約による承継が必要となってしまう可能性が高いのではないかということでございます。
(ウ)のケースは、「権利承継について特に定めがない場合」でございます。これは、日本のように特許法35条の強行規定がある場合、必ずしもきちっとした契約なり規定がなくても、判例によっては、黙示の合意なり慣行等によって使用者への承継を認める一方で、相当の対価、補償金によってバランスをとるというケースもあるわけでございますけれども、こういったルールをとっている国は極めて少ない。まあ、ないといってもいいのではないかと思います。そうすると、このような権利承継は認められないケースが出てくるのではないかということでございます。
④の「補償金の支払い義務・算定方法」でございますけれども、多くの国で、職務発明については補償金請求権を与えているわけでございますが、そのルールについては国ごとに異なっておりますので、仮に権利登録国のルールに従って補償金を支払おうとした場合に、実際上、各国ごとに手続を行わないといけないということで、非常に煩雑になってしまうということが懸念されるわけでございます。
4ページでございますけれども、補償金の関係で、補償が特に法律で規定されていないアメリカや、主として雇用されていた地が英国でない従業者には適用されない旨を定めた規定があるイギリスについては、日本の従業者による補償金請求は認められない可能性が出てくるということでございます。
今のようにケーススタディーした結果の「まとめ」でございますけれども、このように属地主義を採用することに伴う権利関係の不安定性や権利調整の煩雑さにかんがみますと、外国における特許を受ける権利についても我が国特許法35条が適用されるという判断を行う方が適切ではないかということでございます。
下にまた書いてございますけれども、今まで説明したとおり、権利登録国であるそれぞれの国の特許法を準拠法とすべきという立場を採用しますと、日本の法律の適用を想定して行われていた外国特許を受ける権利の承継手続の有効性について、場合によって疑義が生じることになるのではないかということでございます。
また、権利登録国の法律に従って判断する場合、外国特許を受ける権利について、それぞれの国の規定に従って補償金を支払わなければならないという煩雑さという問題がございます。
これに対しまして、外国と同様に、外国特許を受ける権利の調整を、雇用地である日本の法律、特許法35条に従って行えば、欧米諸国の法令や判例との整合性を図ることができるのではないかということがいえるかと思います。
以上を踏まえますと、日本の裁判所が、外国における特許を受ける権利についても日本の特許法35条を適用する立場を採用するよう、必要な措置を講じる必要があるのではないかということが本日の結論でございます。
前回の審議会におきまして、遡及適用についてできないかというご意見が出されまして、その点につきましてまとめたものがございますので、引き続き、事務局側から説明させていただきます。

事務局

全然違うテーマになるわけですけれども、補足させていただきたいと思います。
前回のご指摘を踏まえまして、法律家、憲法の学者の方とも議論させていただいて、ちょっと雑な議論というご批判があるかもしれませんけれども、とりあえずまとめたものでございます。
まず、遡及の一般原則に関しましては、1というところに書きましたように、当然、刑罰法規は明文で憲法上禁止されているということですけれども、一般的に法令の遡及適用は、国民の利害に直接関係がないか、その利益を増進する場合に限って行うのが原則とされているということでございます。
特許権、あるいはその派生的な権利、例えば特許を受ける権利といったものは当然財産権でございますので、憲法29条の保障のもとにあるということです。憲法29条は、公共の福祉で幅広く政策的に制約できるという解釈も財産権としては成り立つわけでございますけれども、立法上も侵せない制度的な保障があるというのが通説でございまして、この中には現に有する個々の財産権の保障も含まれていると解されるわけでございます。だとしますと、一たん付与された権利を遡及的に取り上げられることは原則認められないということで、遡及禁止は憲法29条の保障の中にあるのではないかと理解できるのではないかということでございます。
現在、特許法35条を根拠に発生している権利は、現に確かに行使されているものではないかもしれませんけれども、これ自身、具体的な権利であろうということで、単なる抽象的な地位とかというものではないわけですので、これを遡及的に制限したり剥奪したりするのは難しいのではないかというのが現在の私どもの理解です。
3で、では、例外はないのかということですけれども、私どもで調べました。1つは戦後の農地改革立法、もう1つは平成3年の証券取引法の改正で、損失補てんの契約が事後的に事実上無効とされるという法制度の改正はあったわけですけれども、これは、大きな社会秩序全体の変革、あるいは、もともと悪性の強い反社会的行為であったということがいえるわけでして、職務発明の対価請求権がこういうものに該当するとは通常理解できないだろうということで、特許制度は、人為的に発明を奨励するために設けられた制度であるということで、最大限、政策的な裁量の要素を理解するにしても、現在の判例理論がおかしいから、立法で過去の根も全部絶ってしまうということで遡及が正当化されるかということについては、やはり疑問があるのではないかというのが現在の私どもの考えでございます。

委員長

どうもありがとうございました。
それでは、職務発明についてご議論いただくわけですが、その前にもう一つ、前回、この小委員会でも話題になりました日米の技術者の意識や年収の違いについて、経済誌の特集を参考資料として配付していただいております。これにつきまして、当該雑誌社の編集長である委員から簡単にコメントいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。

委員

実は我々の雑誌は、アメリカのCMPという出版社のEETimesという雑誌と一緒になって、毎年、夏ぐらいから1カ月ぐらいかけて、年ごとにテーマが違うのですけれども、日本のエンジニアとアメリカのエンジニアに対して同じような質問を投げかけて、それぞれのエンジニアでどれぐらい問題意識の違いがあるかということを調査しています。
調査項目としてずっと続けてやっているのは、1つは給与の実態調査でして、もう十数年になるのですが、継続的にやっているものがありますので、ご紹介します。
今日きょう添付したのは2001年の調査です。若干古いのですけれども、大きくは変わっていないので、それをご紹介いたします。
給与のことが出ているのは、雑誌のページ番号で114と書いてあるところです。
日本のエンジニアは、この年は2,000人ぐらい調査しています。アメリカの方はたしか千二、三百人ぐらいだったです。我々の読者の日本人と、EETimesという、アメリカタブロイド版雑誌を出しているところの読者で、ランダムで抽出した人たちを対象にしているものです。
118ページに、どういった人たちが回答者かということで属性が出ています。右上の図ですけれども、日本とアメリカと年齢を比べると、日本の方が若干若く、アメリカの方が年が上に出ていますが、ご存じのように、アメリカでは年とともに給与がふえるわけではなく、能力給が日本よりはるかに進んでいます。職制によって給与が決まってくるところがありますので、平均年齢の差は余り比べなくてもいいのかなと思っています。
114ページの問6に戻っていただきますと、明らかにわかりますとおり、日本のエンジニアで1,000万円を超える方々は一握り、15%もしくは20%弱ぐらいになっているのが実態です。ところが、アメリカをみれば、2,000万近くにいく人も多いですし、1,500万ぐらいを超えている人たちがかなりの頻度でいるのですね。日本は400万円から1,000万円ぐらいまでずっと平均的に、年齢分布はこれにほとんど沿っていると思うのですけれども、アメリカは1,000万円ぐらいでぽんと給与が立っているということがあります。
EETimesを読んでいる読者はだれかというと、マネジメント層に近いところとプロジェクトリーダーに近いところの方々が読んでいます。日本のエンジニアはほとんど画一的なのですけれども、アメリカは、物事の設計・開発に携わる人と、その人の指揮下で現場で動く人たちは全く職制が違うぐらいに扱われているのですね。ですから、デザインエンジニアと、本当にテストだけやる人とかバグ取りだけをやる人、テクニシャンといわれている人たちの属性なので、違いが多少あります。
EETimesは無料の雑誌でして、だれもが読めるわけではないので、実は、EETimesが選んだ読者に対して送っています。ということは、テクニシャンのようにいわれたことをやっている人たちというよりは、設計のプロジェクトを任されている、ある意味で、今回テーマとなっている知財を生み出すような新しいアイデアを考える人たちを対象にしたものになっています。
そういうことをいろいろ含めてみても、日米でみたときには、アメリカの方が、かなり高給をとる、手厚く扱われている人たちが多いというのが、この図をみれば一目瞭然かなと思っています。
この記事に関しての説明は、とりあえずそんなところです。

委員長

大変興味深いお話、どうもありがとうございました。本来ならば、コピーではなくて、雑誌を買って配るべきだったかもしれません。どうも失礼いたしました。
それでは、「職務発明に係る外国特許権等の取扱いについて」、議論を進めてまいりたいと思います。ただいまの事務局の説明につきまして、何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

委員

その前に1つお聞きしたいのですけれども、手元に知財戦略本部の「推進計画」が配られておりまして、その中で「特許法の職務発明規定を廃止又は改正する」と書かれていまして、こちらの方は来月中に完成されて、意見が出てしまうと聞いているのですが、こちらの委員会で議論していることと知財戦略本部で議論していることとの間でどのように調整をとっておられるのか、戦略本部の方で先に意見が出てしまったら、我々はそれに従うことになるのかということについてお聞きしたいのです。

事務局

私、本部の方、それこそ荒井事務局長としょっちゅういろいろと議論しておりますので、今のご質問にお答えいたします。
職務発明につきましては、昨年来、この産構審の小委員会でご議論いただいていますので、まず、こちらで議論を積み重ねていただいて、予定どおり、8月ぐらいに方向を出していただいて、パブリックコメントを求めて、必要なら次の通常国会に……。法律を改正するなら、そういうことでやっていきたい。今の予定では、たしか7月8日になるかと思いますが、「推進計画(案)」が出るということでございます。ですから、そこで齟齬を来さないような形での表現ぶりというか、スタンスで計画の方はまとめていただきたいということで、事務局とはこれから調整いたします。
小委員会で出た結論については、委員長とも、また、部会長ともお話をして、これから進めたいと思うのですが、内閣の方は内閣の方で本部員がおられて、いろいろな議論をされたがると思いますので、こちらである方向が出たら、例えばこちらの小委員会の何名かの有志の方と本部の方と議論してもらうことも大事なことではないか。別に職務発明の関係ではなくて、いろいろな問題について、関係各省で検討しております。内閣は全体をみなければいかん。全体として、国の意思の方向づけをしていくことが大事だと思っておりますので、夏から秋にかけて、そういう場も設けていったらどうかと思っているところでございます。

委員長

今の委員のご質問は、知財戦略本部の検討状況が新聞にぽんぽん出たりしていまして、皆さん、気になっておられると思いますので、後ほど議題4でもう少しご説明したいと思っておりますが、それでよろしいでしょうか。

委員

はい。

委員

資料4のご説明に対する質問ですけれども、先ほどの遡及は、現在の35条の取り決めをご説明されたと思うのですが、前の外国の件については、今、35条に入っていない。もしこれを35条に入れたとした場合、遡及は可能なのでしょうか。

事務局

今の35条で外国の特許権が果たしてどこまでカバーされているのかというのは、これからご議論いただくと思うのですけれども、恐らく余り定かでないところがあると思うのです。実際問題、35条を何らかの形で手直しすることになりますと、旧法のもとで発生した対価請求権についても、何らかの解釈上の影響を及ぼすことはあると思うのですけれども、現に発生している対価請求権が仮にあるとして、それを遡及的に制限することは難しいのではないかと申し上げているので、それに該当するかどうかというのは、個々のケースをみてみないとわからないかなということです。

委員

資料3の外国特許のお話ですが、そもそも特許法35条の趣旨をどう考えるかということが議論される必要があるのではなかろうかと思います。この規定は労働法の一部であるかのような議論もありますが、特許法の一部として考えるべきであろうと思います。雇用関係がある場合にインセンティヴをどうするかという規定であり、特許法の調整規定と考えるべきだろうと思います。最高裁判所の判例で、成立移転というのには、属地主義で、登録法国という考え方が示されているわけでございまして、それも尊重すべきだろうと思います。
ここの中では余り議論されていないのですが、35条すべてについて適用するときの問題点もあります。例えば、アメリカでは、発明地国によって出願の手続が違っていると理解していないと思います。権利の帰属は発明者であって、権利の譲渡はアメリカ法に従ってなされていなければならないということになっていると思います。もし、職務発明についての権利の帰属を発明地で決めるというのであると、労務供給地がイギリスである場合には、法人が原始的に取得し、法人出願になるということになります。冒認も、労務供給地で冒認かどうか決まったりするわけです。イギリスが労務供給地であれば、法人の出願が冒認ではない場合でも、日本が発明地で、職務発明について勤務規則も契約もない場合に、法人が出せば、冒認になります。日本の特許法の権利の帰属が外国法によって決まる、労務供給地によって決まるということには問題があると思います。ヨーロッパ域内の問題は別問題です。ヨーロッパ共同体の中での一つの制度の問題であることを考慮する必要があります。
さらにいいますと、発明は1つという議論も最近の論文でありますが、発明は法的評価を伴ったものであります。例えば純粋ビジネス方法は日本では特許を取得できないが、アメリカでは特許を取得することができます。属地主義は、硬直的なようでいて、実際に運用する方からすると案外運用しやすいという面もあるわけです。画一的に決めた方が運用しやすい、明確になるということが必ずしもいえるのかどうか疑問です。
この議論はそもそも外国の分も35条で請求できれば、外国でロイヤルティーがたくさん上がっている場合には、従業員は35条で請求できると、訴訟の中で主張されています。しかしながら、そもそも日本の特許法35条の規定は、日本の特許権を使用者に移転した場合、対価をこうしようといっているだけの話であって、外国の特許権に対して、従業者が期待し得べき対価を補償する規定になっていないのではないかと思います。だから、特許法35条は、日本の特許法の中に規定があり、適用関係を海外に伸ばすという適用関係の規定がされていないのではないかと思っています。

委員長

どうもありがとうございました。

事務局

今のご意見でございますけれども、それはそれで一つの解釈ではあると思っております。ただ、今までのような解釈をしていくと、外国との関係で、先ほどご説明したとおり、幾つか矛盾点で出てくるという問題がありますねと。外国が雇用地主義をとっているのであれば、我が国も雇用地主義をとった方がある意味ですっきりするのかなという整理でございます。
それから、特許庁で労務供給地を一々チェックするのかということでございますけれども、現状におきましても、出願人と発明者との間の譲渡について、特許庁で一つ一つチェックしているわけではございませんで、冒認なり何なり、場合によっては後の審判や裁判で争うところであって、労務供給地がどこであるかということにつきましても、基本的には、特許庁で一つ一つチェックすることはないと思います。法律で残しておけば、その判断は後々の司法にゆだねることになるかと思います。
それから、若干誤解があるのかなと思ったのは、雇用地主義をとった場合、例えば日本にイギリスから出願した場合にどうなるかというのは、頭の体操としてありますけれども、イギリスで生み出された発明を日本に出願した場合、イギリスで生み出された発明、イギリスで使用者に帰属する発明についての権利承継なり補償金の件につきましては、先ほどご説明したとおり、イギリス法の中で整理されておりますので、改正されるのであれば、新しい35条の適用対象外でございます。そういう意味では、日本国内で生み出される発明についてのみ、新しい35条が適用されるという整理をしております。

委員長

よろしいでしょうか。

委員

ちょっと質問させていただきます。私、専門が民法ですので、国際私法は不案内なので、ちょっと聞かせていただきたいのですが、今日のお話と国際私法との関係はどのように整理されておられるのでしょうか。ちょっとご説明いただければと思います。

事務局

私ども、もちろん、国際私法を専門的に勉強したわけではないのですけれども、一般的に、特許法は属地主義ということはいわれておりまして、ほかの一般の条文の体系は、基本的に行政と出願人等の在り方を規律をしているものですから、公法的な色彩が非常に強いということがその背景にあるのだろうと思います。
ただ、35条につきましては、契約なり、あるいは就業規則のようなものが契約なのかどうかは若干議論もありますけれども、いわゆる労働契約のようなものということで、私法ないし労働法的な色彩をもった規定である。契約については、一般に行為地法が適用されるといった準則もありますし、基本的には、純粋な属地主義を貫徹しなくてもいいいのではないかと、私ども、35条の解釈では考えております。
例えば昨年のカードリーダー事件をみますと、あそこでは差止め請求権と損害賠償請求権で分けて議論しておるようですけれども、差止め請求は、民法の不法行為に付加的に、特許法が特別に認めた効力であるということでしょうから、それについては属地主義をとっておって、他方、損害賠償請求権については、国際私法、法例の一般原則で、不法行為地法が準拠法になるという理解をしておるということで、私どもとしては、特許法全体が何かの主義に必ず属しているとは必ずしも考えていなくて、35条の法的性質にかんがみると、これについては、契約ないしは私法的な側面を重視した準拠法の決定ができるのではないかと理解しているということです。余り正確な答えではないかもしれません。

委員

私も学生時代に国際私法を勉強していないので、極めてプリミティブなことしかいえないのですけれども、国際私法の問題は、問題が生じたとき、どこの国の法律を適用するかという問題で、何らかの基準をもとにして、どこかの国の法律を適用する。ある国の法律、例えば日本の法律を適用するとなった場合に、日本法自体、どこまでの事柄についてまで適用すると定めているのか。つまり、外国で生じた問題についてまで日本法が適用されると定めているのか。こういう2段構えになっていると思うのですね。今のご説明は、何か両方がかなりまじったようなご説明で、特許法35条自身が、第1段階の問題である国際私法に関するルールまで定めている、また、国内法たる特許法35条の適用範囲も同時に決めていると。もう少し整理があった方がよろしいのではないかなという気がいたします。
とりわけ、最後にご報告いただいた4ページの「まとめ」のところで、属地主義を採用することで問題があると。むしろ雇用地主義の方が整合性が図れることになるというのは、国際私法上のルールとして雇用地主義をとり、かつ、日本の35条自身の適用範囲も、雇用地が日本にあるものについてのみ適用があるという、その2つの事柄を同時に採用して初めて機能するのではないかなと思いますし、もう少し国際私法の専門家にお聞きいただいて問題を整理された方が、おっしゃっていることがより伝わるのではないかなと思います。結論がどうというのではなく、単に整理の問題です。

委員長

よろしいでしょうか。

委員

私は、これは準拠法を労務供給地法にする趣旨だと読んだのですが。特許法を改正するのか、法例を改正するのかという問題は別として、そういう趣旨だと理解していたのですが、それはどっちなのでしょうか。

事務局

管轄の問題や準拠法の問題は、特許法はある意味で何の定めもしておりませんが、私が申し上げたのは、35条については、基本的に、当事者の契約なり、私的自治の世界に対する特則のようなものであろうと。したがって、それについては、国際私法上のルールが適用されるだろう。ただ、これについては、労働契約という、ある意味で特殊性があるので、一方的な準拠法の指定は、まあ、無効ということがあるのかどうかわかりませんけれども、基本的には雇用地法によるべきではないか。まあ、それが単純だということかもしれませんけれども、そういう考え方です。
ただ、実際問題、日立の判例などは、そういうことを前提にした立論をしておりませんし、政策的に、仮に雇用地法で整理するのがきれいだということであれば、例えば特許法35条の項を追加するとかといったことで明確にすることに意味があるのであれば、その改正としてはあり得るかなと思います。

委員

今の点は、知的所有権とパリ条約との関係で、属地主義とか内国民待遇、保護国主義とかいろいろ議論されておりますが、国際私法の方からしますと、基本的には、特許の有効性と権利の存続・効力は属地主義だけれども、その属地主義がパリ条約のどこから出てくるのかという問題とか、その属地主義はどこまで及ぶのかということが議論されていて、特に権利の譲渡・移転と属地主義の関係では、属地主義がどこまでカバーするのだろうかということが議論されていると思います。国際私法の中でも、まあ、私、たくさんの論文を知りませんが、例えば木棚教授の論文ですと、職務発明の問題についても、そういう関係で、属地主義がどこまで及ぶかということが論じられております。
35条からみますと――35条全部ではなくても、少なくとも、ここでいいます職務発明に対する対価の問題につきましては、属地主義の一般がすべてを支配するのではなく、ここでの問題は、今いわれたような雇用契約関係を準拠法とするという考え方がいろいろな国でとられております。私自身も、国際私法について、そういうところで調べておりますけれども、今のような議論を詰めるために、ぜひ木棚教授等と議論の整理をしていただいたら、第三者に向かってももっと明確に説明できるのではなかろうかと思います。これは私の意見です。

委員長

ありがとうございました。

委員

先程発言されたご質問と関連しますけれども、職務発明を雇用関係という点からみた場合に、労働契約と国際私法の関係がどうなっているか、現在、どう理解されているかということをご参考までにお話しして、議論に供すればと思います。
まず、先ほどの、35条については属地主義をとらないというご説明は、私、よくわかりました。一般的に属地主義だけれども、これは雇用契約ないし労働契約が関係するので、その限りで属地主義とは異なる扱いをするというご説明はよくわかります。それは私もよく理解できるのですが、最後の4ページの結論、「まとめ」に至るまでの理論構成については、先ほど来出ていますとおり、国際私法との整合性はきちんと図る必要がある。
そこで、その観点から、労働契約、雇用契約と国際私法による取り扱いはどうなっているかということですが、まず、労働契約について適用がある一番基本的な法例である労働基準法は、刑罰法規としての側面については属地主義がとられています。しかし、刑罰法規ではない、私法的な効力の面では、これは属地主義という考え方ではないわけですね。労働契約なり雇用契約上の権利義務が国際私法上どう取り扱われるかについては、やはり準拠法の問題になると思います。法令7条1項の当事者自治の原則で、まず、準拠法の指定の原則が認められる。明示の指定があれば、それによるということになります。したがいまして、日本が労務給付地で、当事者がともに日本にいたとしても、もし明示の指定で日本法以外の準拠法の指定が行われれば、それはそれに従うということになる。
2項の行為地法主義は死文化していまして、とられていない。したがって、明示の準拠法指定がない場合には、黙示の準拠法指定によるということになりまして、その場合に最も重要な連結点とされているのが、今お話のあった労務給付地ということになろうかと思います。したがって、特段の事情がない限りは、今日のペーパーに出ているようなケースであれば、日本が労務給付地ですから、日本の特許法35条が適用されるということになろうかと思います。
しかし、今の準拠法指定の原則によれば、明示の指定があれば、これは別の話になるわけですね。明示の指定があれば、日本の特許法35条の適用がないということになりますので、4ページの「まとめ」にもっていくためには、特許法35条はどういう規定なのかということを、国際私法との関係できちんと理解しておく必要があるのではないかと思う。
もし準拠法指定の自由を、すなわち当事者自治の原則を排斥したいのであれば、問題となっている規定を国際私法上の強行法規、強行規定と理解しなければいけない。労働法の関係では、例えば労働基準法、もう一つ、典型では男女雇用機会均等法ですが、こういった法例は国際私法上の強行法規だと理解されています。したがいまして、例えば雇用機会均等法の規定を、当事者が明示の準拠法指定によって排斥しようとしても、それはできないということになる。したがいまして、もし雇用地ないし労務給付地主義という結論を正当化するのであれば、特許法35条を、今の幾つかの法律と同じような国際私法上の強行法規と位置づけることが可能かどうかにかかってくるように思います。
その場合、国際私法上の強行法規かどうかは、その法規の政策目的、あるいは立法形式等々によって左右されると思いますけれども、そこはどう考えられるのか。もし肯定されれば、属地主義を排斥することを前提に、雇用地、あるいは労務給付地の法律である特許法35条によって規定を行うことは可能であろうと考えます。妥当性は別の問題ですけれども、筋道としてはそういうことになるかなと思います。

委員長

ありがとうございました。
今の点に関して、何か反応ありますか。よろしいですか。

事務局

はい。

委員

学問的な説明は全くわかりませんけれども、結論として、35条を改正して、外国も含めると決めた場合、これは今の国際私法上の問題と何か関連が生ずるのでしょうか。現行の職務発明、35条の規定が国際私法上どうかという議論、今のお話は確かに関係すると思うのですが、35条を改正して、35条の中に外国も含めるかどうかという議論をした場合――先ほどのご説明で、外国ではそうなっていると。外国の特許も職務発明の中に含めているという現実がもしあるとすれば、そういう規定を置くこと自体、既に各国でやられているということであれば、日本でもそういう規定を設けること自体は問題ないのではないかと私は思うのですが、それは国際私法との関係があるのでしょうか。

委員

35条を、国際私法の準拠法を含まないと改正すると、日本法が準拠法にならない場合は適用されなくなってしまうわけですよね。論理の整理としては、多分そういう整理になるのだろうと思いますが。
それから、外国は全部雇用地主義だというのは、もうちょっと丁寧な議論をする必要があるのではないだろうかという気がします。これは州法の問題ですし、出願手続等については、アメリカ法に従ってすることを強制していますから。
35条をいじったとき、それは法例7条1項にかわるものだと解釈されない限り、準拠法が日本法になるかどうかは別の問題となります。

委員

まさにその点が最初いいたかったところでして、35条が外国の、例えば雇用地の特許についてまで適用されると書くだけではだめで、国際私法上のルールも定めるということであれば、35条がというのではなくて、職務発明ないしはその承継については雇用地法を適用するというルールを定めないとだめなのですね。35条がというのではなくて、こういう問題についてはどこそこの法律を適用しますということを書く必要がある。それは特許法に書くのがいいのか、それとも本来は国際私法に関する法例に書く方がいいのかという場所の問題はもちろんあって、これは所轄の問題もあってややこしいかもしれませんが、いずれにせよ、職務発明の承継については雇用地法を適用するというルールを定める必要があるということですね。

委員

基本的な質問になると思うのですが、このタイトルをみますと、「外国特許権等の取扱い」ということで、特許権の定義なのですね。今回議論する対象の扱いかと思うのですけれども、例えば、先ほどおっしゃられたようなイギリスで発明者が発明した。それを日本に特許出願した場合の特許権の扱いなのか。それとも、日本で特許をとった場合、外国出願して、外国、例えばアメリカで特許をとる。その特許権に対して35条を扱うのか。区別できればしてほしいのです。

委員長

私は、基本的に後者だと理解しております。

事務局

今の点は後者ですね。後者を念頭に置いて整理しております。

委員

では、外国から入ってくるのは入っていないと。

事務局

入っていません。それは外国の、例えばイギリス法で規律されているという整理でございます。

委員

今まで議論されたことについて、私の意見を述べさせてもらいますが、まず最初に、先ほど委員から、35条は労働法ではないという発言があって、これは多分、私が前回、35条は労働法的性質をもっているといったことについての反論も意味すると思いますので、その点について、私の意見を若干述べておきますと、35条は、1項、2項を中心に、つまり職務発明については、基本的には法人発明を認めないで、従業者の特許権、あるいは特許を受ける権利となり、それについて、使用者が通常実施権をもつ。特別の定めをしなければそれだけにとどまるという点と、職務発明については、承継はできるけれども、相当の対価を払わなければならないという点と、自由発明については、当然使用者に帰属するとする定めは無効であるということを定めている点においては、労働者保護法的な性質をもつことは否定できないだろう。そういう意味で申し上げているので、もちろんこれは、特許法に規定された使用者と従業者との間の発明の関係について規定した特許法の規定であることはそのとおりだけれども、この法律の改正、あるいは廃止等を議論するに当たっては、そういう要素を考慮に入れて議論すべきであるという意味で申し上げているということをいっておきたいと思います。
いわゆる外国特許についての問題につきましては、直接的に真正面から判断したのは昨年の日立の東京地裁判決だけでありまして、大阪地裁の判決がありますけれども、これは、職務発明の問題などは、法律学者の間でも判例上も、その帰属の問題にまで議論が及ばない時代になされたものであって、その論理も必ずしも緻密だと思いませんから、それを考慮することはできないと思いますが、ともかく判例上は下級審判決と1審判決が出ているだけであって、判例上、考え方はまだ確定していないとみるほかないと思います。
その上で、では、35条が属地主義に及んで、結局、外国特許については適用されないのかというと、その点についてはいろいろな議論が考えられますが、私は、基本的には、先ほど委員がいわれたような意味では、35条に属地主義が適用されて、外国特許には適用がなくなるとは必ずしもいえないのではないかと思います。
それから先どうなるかということになると、法例の7条1項では、結局のところ、当事者の意思によるということになっていますから、現行法におきましても当事者間の契約で、外国特許については、当事者間の契約によって、日本法の35条を準拠法にするという合意をすれば、それで日本法は適用されるのではないかと思っていますし、さらに法律改正の問題として考えるならば、法例の7条1項とは別に、それを修正する意味で、35条の中に、日本を雇用地とする従業員の外国職務発明については、雇用地法を適用するという規定を設けることによって問題を解決するのも一つの方法ではないかと思います。
ただ、その場合に、今度はいわゆる実費補償の中で社内実施やライセンスの問題等があって、外国におけるライセンスなどをどうするのか、あるいは、その決め方の中で、日本特許と同一の特許を外国で取得して、外国で取得した特許をその系列会社等で実施される場合の補償の問題等、いろいろな問題が出てくるかと思いますが、それを法律でどこまで規定できるのか、あるいは、それは結局、法解釈に任せるのかという問題は出てくるかと思いますけれども、法律的には、今のような立法政策をとることは可能ではないかと思っています。

委員長

ありがとうございました。

委員

私は、外国の特許についても、日本の特許と同様の取り扱いをしてほしいと思います。そういうことをよく説明するためにというか、国際私法上、あるいは法例7条に照らして、どう説明するかはよく考えてほしいと思います。
その議論の中で、今、35条を全部撤廃して、全部契約ベースでしたらいいではないかという議論と、35条のうち、1項、2項だけは残して、3項、4項について考えればいいではないか、自由にさせてくれればいいではないかという議論とあると思うのですけれども、全部撤廃しろという場合と、1項、2項だけ廃止しろという場合とで大きな差が出てくるのでしょうか。

委員長

大きな差が出てくるのでしょうかというのは、外国特許に関してという意味ですか。それとも全体……。

委員

外国特許に関して。

委員長

いかがですか。

事務局

35条をすべて撤廃するということになりますと、基本的に、使用者の側としては、通常実施権の保障もなくなって、かつ、勤務規則での承継も難しくなるのではないかなと思うのですね。そういう意味でいうと、3項、4項を残すということとはかなり大きな差があると私どもは理解しております。
先ほど来議論されているのは、外国の権利について、いわゆる対価請求権が35条の解釈で中で含まれ得るのかどうか、あるいは、立法政策として、そういうことが可能かどうかということと、その際に、日本法を準拠法とするということを強制する必要があるのかということと両方あるのかなという気がするのですけれども、すべて撤廃しますと、外国の特許についても通常の私的自治の世界で、法例7条の適用のもとに、基本的にはすべて私的自治の世界にゆだねられる。ただ、それが、例えば公序に著しく反するようなことがあれば、それは何らかの形で修正されるということになるような気がするのですけれども、ただ、勤務規則とかになると、そこはちょっとわかりません。

委員

もうちょっとわかりやすくいうと、35条を全部撤廃したときと一部を残したときで、日本の特許についても外国の特許についても同じような扱いをするということに何か違いが出てきてしまうのでしょうかという意味です。

事務局

私の理解が間違っているかもしれませんが、35条を全部撤廃すると私的自治だけとなり、内外含めて、もう特許法は当てにしないで勝手にやっていただきたいという形になると思います。
一部残したときに、先ほどの話ですと、残したルールを当事者が選ぶのかという問題と、選んだ後のものはどこまで適用があるかという問題がございますが、日本での雇用地に関する内外の特許にすべて適用するのだという法制度をとれば、その部分は大きくルールが規制されるということなので、今、内外がどうかというのが判例で分かれてしまっておりますので、内外のところを必ず同じにするのだという手当てをすれば、決めたとおりに内外同じようにできるかもしれないということです。

委員

そうしますと、我々は、私的自治に任せてほしいというのが本音でございますので、それを貫徹しようとすれば、35条はやめてほしいといった方が非常にやりやすいし、説明もしやすいと考えておいてよろしいということでしょうか。

事務局

いろいろ議論されていくと、そういう案もあると思うのですけれども、そこで逆に確認させていただきたいのは、35条を撤廃したときに、我々、問題点といいますか、検討課題として、大きく2点あると思っていまして、まず1点は、前回ご質問したとおり、現在、1項で規定されている通常実施権の保障がなくなってしまうという問題ですね。
もう一点は、きょう資料を読んでご説明した遡及適用の関係ですけれども、そもそも新法は遡及適用はされないであろうということです。撤廃すれば、当然ながら、現行の運用がそのまま最長30年ですか、権利期間20年プラス消滅時効10年で30年続くということになります。我々、前回、紙でご説明して、ちょっと言葉足らずだったかもしれませんが、今の4項の解釈が問題だというのを前回ご指摘させていただきましたけれども、仮に4項を我々が意図するような方向で改正する。4項の明確化という名目で仮に改正した場合、場合によって、現行法35条に基づいて権利が承継された場合の職務発明に関する訴訟においても、新法の4項の考え方が裁判所において参酌される可能性がある。法律上の遡及適用ではありませんが、法解釈上、裁判所の判断の参考とされる可能性が残されるということで、我々、撤廃ではなくて、改正の方が皆さんにとっていいのではないかなと思っているのですけれども、そのあたりのご意向をぜひお聞きしたいというところです。

委員

前回、外国は今回やるからということで発言の対象から外れたのですけれども、今おっしゃった、全廃か、35条3項、4項の改正かという問題は、安定性ということを考えておりますから、私は、1項、2項は残した方がいいと思っているのですね。
ただ、そのときに、外国も非常に大事なものですから、外国は35条の中には入りません、別の形で契約でやるのですということになった場合、日本の発明だけ35条で保障されていても、外国が保障されないのでは非常に困るなと。そういう意味で、外国も35条で承継を保障されるという形でお願いしたいというのが前提だと思うのですね。対価の方は、外国も含めて一緒に考えるようにしたいというのが産業界の希望だと思っているのです。きょうのペーパーをみると、35条といいますか、職務発明の中に外国も一緒に含めるという方向での意図が感じられるので、私は、それは大変結構だなと思っているのです。
ただ、民法学者がよくいっている、全部撤廃すると、契約の公序良俗で、承継すら危なくなるよということを……。もし全部撤廃しないと外国も一緒にならないというなら、逆に、どういう契約をしたら公序良俗に反しないのだというものをはっきりしていただきたいなと。これは、おどかすばかりではなくて、学者が示す義務があるのではないかと私は思っているのですよ。それが示されないようだったら何も決められないのではないかと思っているのですね。ですから、そこがポイントになってくると私は理解しています。

委員

これは揚げ足をとるつもりでいうわけではないのですが、先ほどの説明の中に、皆さんにとって幸せになれるようにと。その「皆さん」には労働者の立場も入っている。先ほど委員がおっしゃった、35条の色合いをどう解釈するかというのは学者先生が解釈すればいい話で、私どもにとっては、どちらであろうと構わないのですが、これは一定程度労働者を保護するための目的が入っているのだと解釈しています。その意味からすると、産業界の方がたくさん発言されますけれども、私は1人ですから、「皆さん」といったときに、その「皆さん」には労働者の方も当然入っているという解釈をさせてもらってよろしいのかどうかを確認しておきたいと思います。

事務局

そのような解釈で結構です。もともと35条は、何度もご説明したとおり、ある意味で使用者と従業者の権利調整規定ですから、今、仮に契約に基づいて決めれば、基本的には35条は適用されないという方向の改正で前回もご議論が収束しているのではないかと思いますけれども、とはいいつつ、今、実際、強行規定を使って対価請求をされている方はごく一握りの方でして、そういう意味では、使用者と従業者の合意のもとで、お互い満足できる形で対価をとれるような形に調整することが、使用者にとっても従業者にとっても好ましい改正の方向ではないかということを我々も当然考えております。
例えば、きょう議論になっている外国につきましても、中の議論の中で、煩雑さというご説明をさせていただきましたけれども、仮に外国ごとに手続をしないといけないとすると、使用者側も当然面倒ですし、従業者側も、発明者みずからが外国の特許法を勉強して、使用者側と契約しなければいけないとか、お互いに煩雑な面がありますから、そこはできるだけ一本で手続が済むような、また、予見性も立つような制度にしたいなと考えています。

委員

確認ですけれども、今おっしゃった改正の方向というのは、基本的に前回のペーパーの方向ですか。つまり、合意によって契約が結ばれた場合には、35条の強行法規が働かないという方向……。

事務局

ええ。前回の議論で、特にご異論はなかったかと我々は……。

委員

いや、私は十分異論をいったと思うのですけれども、それでいくと、これはどうなりますか。つまり、仮に当事者の契約ないし合意で、という場合に強行法規性が働かないということになると、外国の特許については、恐らくは専ら法例7条が問題になりますね。つまり準拠法指定の問題になってきて、当事者自治でいける。したがって、この最後にある、雇用地法である35条によって解決されるということにならないですよね。つまり、特許法35条を適用するときには1つ手順があって、準拠法指定を排斥するというプロセス、段階が入らなければいけないですよね。そこをしないで今の改正案でいってしまうと、当事者自治を排斥するためには、さっきいったように、国際私法上の強行法規だといわなければいけないのですけれども、恐らくそういえなくなりますよね。そこのところの整合性はどうお考えになりますか。

事務局

合意と申し上げたのは、以前、委員の方にプレゼンテーションしていただいた実質的交渉プロセスも当然、私どもとしては、十分考慮した上で考えていったらいいのではないかと思っています。前回、契約と勤務規則ということを割と単純に分けて議論したのですけれども、それにはいろいろな形態があると思います。
ただ、その基本的な方向性として、実質的な交渉を経てなされた契約、あるいは勤務規則――就業規則ですか、そのようなものについて、強行法規性を一歩後退させるということは、比較的多数の方の明示・黙示の賛同があったのではないかと思います。
他方、では、契約で定める、あるいは、場合によっては勤務規則で定めるという場合に、準拠法指定について、強行法規性を残すといいますか、そういうものは新たに、例えば立法的に解決する余地はあるのではないかなと思っているのですね。その契約について、一般的に法例7条第1項が適用されるのだから、それについては、強行法規で、例えば準拠法をそのために日本法に固定するといった考え方はあり得ないということであれば、それは議論がまた振り出しに戻ってしまうような気もするのですけれども、そこのところは逆に教えていただきたい点です。

委員

今の事務局のコメントで、私は前回から、35条の1項、2項はそのまま残して、3項、4項を改正して、特に、最高裁判決がもっている問題点を解消するためには、企業の定めた報酬規定が著しく合理性を欠く場合のみ、裁判所が相当の対価を判断できるようにするべきではないかということを申し上げているのですが、その考えの中には、著しく合理性を欠くときには、それは無効になるというのは、その意味ではやはり強行法規である。ただ、頭から民法の90条をもってくるのではなくて、まず、35条の規定の中で合理性の問題の判断がなされているという点で違うのではないかと、私としては基本的には考えています。その上で、先ほども丸島委員から出た、契約自由にしてほしいと。外国特許についても、雇用地における従業員と使用者との間で定めた契約に従って、すべて処理できるようにしてほしいという意味ですよね。

委員

契約とはいっていないのですが。

委員

契約でなくて、何です?

委員

いや、35条といいますか、日本の発明と同じように認めてほしいということです。

委員

そうすると、私がいったような意見も含まれての上なのですか。

委員

含まれているのですが、先ほどの委員がおっしゃった合意というのは、今のご説明で随分トーンダウンしているのですが、前回の委員会での合意というのは、私、すごいシビアな合意のような印象を受けていたのです。そういう意味では、合意というのは少し厳しいかなと思っていますね。それよりは、今、おっしゃっているような内容合理的といった方がまだ受け入れやすいなと。ただ、私、前回申し上げたのですが、内容合理的といったときに、だれが合理的を判断するのですか、やはり裁判所でしょうと。それは今と余り変わらないのではないのかな。立証責任が転換されるのかどうかというのはあるかもしれませんけれども、それよりは、私は、プロセス合理的といっていただいたらいいなと。今日ご説明の、どういう過程を踏んで取り組みをしたかということが大事だ。ただ、1回取り決めても、次から次へと新しい人が入ってくる。そういう人たちができ上がったものを選択するかどうかの問題だと理解しているのですね。ですから、選択できるような機会を与えることがプロセス合理的だろう。新しい人に内容合理的といったって従わざるを得ないと思うのですね。そういう意味で、私は、実質的には、内容合理的イコールプロセス合理的ということでいいのではないのかなと。そういう意味で申し上げているのですが、ただ、前回のトーンのような合意を条件とするというのは、私もちょっときつ過ぎるのではないかと思っています。

委員

35条をどう改正するかというのは、今日の本来のテーマではないと思うので、これだけにしますけれども、先ほど委員がおっしゃったのは、企業で定めた規定が著しく合理性を欠く場合には、原則、これは無効とするという意味で強行法規だと。おっしゃるとおり、きょうの議論との関係では、そういう強行法規という要素を1つ入れることで、特許についての35条の適用というところにもっていけるはずなのですよ。そうではなくて、ご提案のとおり、合意があれば35条が働かない、あるいは後退させるという言い方をしてしまうと、国際私法との関係では、先ほどいったとおり、法例7条1項の問題になりますから、そうなってしまう。
そのときに著しく合理性を欠くと公序違反というお話もありましたけれども、おっしゃった公序は、民法90条の公序ではなくて、国際私法上の公序のはずで、国際私法上の公序というのは範囲が非常に限られていますから、そうそう簡単に準拠法指定の自由を解除できるわけではないのですよ。むしろ強行法規といわなければいけない。さっき私がいったのは、強行法規といわないとそこにいかない。しかも公序理論自体がかなり古めかしい理論になっていて、むしろ強行法規で解決できると私は思う。ただ、そうなると35条の強行法規性は保持しておかなければいけないし、逆に、先ほどのご提案でいくと、そこは難しいのではないかということをいったわけです。
私の35条についての意見は、何度も、前回もいいましたけれども、実態的には著しく合意性を欠かないということと、もう一つは、そのプロセスですね。プロセスを経て、交渉を経て行われたものであれば、合意であれ、規則であれ、それは相当の対価と認めるべきだという考え方でして、その意味で強行法規だと。相当の対価は必要だけれども、プロセスを経て、交渉を経て、著しく合理性を欠くような内容でなければ、相当の対価だとみなすべきだという方向がいいのではないかと思っているわけです。その意味で強行法規になり得る。そうなると、きょうの議論との関係では、準拠法指定を排除できる、すなわち、行為地法である特許法35条を適用できるという方向にもっていけるのではないかと考えています。

委員長

今のご意見で、先ほど委員がいわれた、内容の合理性を残すと、そこで解釈の余地が出てきて、今のような問題がまだ残るのではないかということについてはどのように考えたらよろしいのでしょうか。

委員

ですから、そこは、前回いいましたけれども、まず、内容に合理性が著しくないかどうか。すなわち、これは実態的な判断だと思うのですね。そこで特段の著しい不合理性がなければ、それはもういいと。しかし、一方でプロセスの審査はある。どっちが先になってもいいのですが、プロセスがきちんとされていれば、対価の内容に著しく不合理な点がなければ、それは相当の対価として認めるべきだというのが先ほどの趣旨です。したがって、プロセス、交渉がきちんとされていても、客観的にみて非常にひどい場合にのみ、裁判所の介入があるのではないかということです。

委員

内容が非常に合理的でない場合、入社しますかね。そこが問題なので、嫌だったら入社しない選択権があるのではないか。私は、それがプロセス合理的だと思うのですよ。内容がそんなに不合理なものについて、現在の人たちとプロセスをとって取り決めをしようとしたって取り決められないのではないかと思うのですね。だから、なぜ内容合理性ということをそんなに強調されるのかというのがわからない。私のいっているプロセス合理性は、中をみて嫌だったら入らなければいいではないですかというのを含んでいるわけです。入ってからみせられたのでは、これは選択権がない。ほかの規定もみんなそうだと思うのですが、なぜ35条だけ、企業が内容の合理的まで拘束を受けなければいかんのですか。選択権を与えるということで立場は同じではないのですか。こんなことをいうと、企業は低くすることばかり考えているとおっしゃるかもしれませんが、前提は逆ですよ。競争力を高めるためには内容を充実したいという前提で申し上げているので、これは誤解されてはいかん。これも両者のハッピーのためと絶対なっていると私は思うのですよ。そういう前提で、プロセス合理的といえば、企業に任せてくださいということでいいのではないかと思っているのです。

委員

今のご意見に、私、2つだけお答えしたいと思うのです。
1つは、どんな問題であっても、日本の裁判権に服している以上は、司法的判断を受けないことはできない。それをすべて免れることはできない。それは当然のことだということを1ついいたい。
もう一つは、就業規則をみて、ああ、発明の対価がこんな低いのでは、この会社には行かないといえるほど、労使関係は対等かという問題はやはり考慮しなければならないので、アメリカの判例をみても、契約自由の原則でも、雇い入れのときにおいて、一括してこの権利を帰属させることをめぐる問題は幾つも判例で出ているわけで、そういう点は常に考慮していかなければならないことだと。そんな低い報酬しかくれない企業には入らなければいいのだということだけでは問題は解決しないと私は思います。

委員

これは前回も申し上げたのですけれども、先ほど委員がおっしゃっているような立派な企業はいいと思うのです。正当な就業規則があるところに入る、入らないという問題ではなくて、例えばそういう規則も一切ない中小企業に入った後に、従業者発明を無償でよこせ、嫌ならやめろという条件になった場合には、やはり救済は必要だと思うのです。そういう意味から、合理性がない場合には残しておいた方がいいのではないかという意味でいっただけで、規則があって、入って認められれば、それは合理性があるということで通ると思うのですけれども、ただ、ない場合の救済ということです。

委員

私の表現の中には、ない企業を救済してください、ない企業もそれで認めてくださいということは入っていないのですね。プロセス合理的な規定をもっている会社に対していっているのであって、中小企業の方で、そういう規定すら設けないというなら、規定を設けるようにしていただいたらいいのではないでしょうかね。規定のない会社まで救済してくださいと申し上げているのではないのですよ。

委員

弁理士会は、基本的に、救済しないとだめ、規定を設けないとだめだという場合は、ほうっておいていいかというスタンスで、そういう規定を残しておいた方がいいのではないかという主張をしているだけで、現行の規定が、対価請求権は全部契約でいいとなった場合に、そういう救済措置がとれなくなるのではないか。そこが問題かと思っているのです。

委員

委員に質問なのですが、プロセスの合理性と内容の合理性と分けて話されたのですが、例えばオリンパスの場合には、利益の5%になっていますね。日立の場合には利益の20%。利益の5と20とでは4倍の差があるわけですけれども、これはプロセスの合理性に係るのでしょうか、それとも内容の合理性に係るのでしょうか。

委員

裁判所の判断ですからわかりませんけれども、そのくらいばらつく判断が出るから問題だと思っているですね。私は、議論するのだったら内容の合理性の方に入ると思うのですね。ですから、5%と決めたらいいのか、20%と決めたらいいのかという議論が当然残ってしまう。これは前回もちょっと申し上げたのですが、企業、産業、業界によって、それぞれ発明の活用の仕方、発明の種類、事業に対する発明の貢献度は物すごく違いますよね。だから、一律的に、これが合理的な規定であるとか絶対いえないはずだと思うのです。その企業にとってどうかということまで考えない限り、合理的ということはいえないわけですね。それを、合理的であったらということで裁判所が判断するとしても、まず難しいだろうと私は思うのです。
私のいっているプロセス合理的という意味は、プロセスがある以上、内容を知るわけですね。ですから、その段階で内容はお互いに認識しているのではないですかと。そこなのですよ。
もう一つの問題は、合意とか内容合理的といっても、今いる人たちと約束したときは、お互いが中身をみて賛成するのでしょうけれども、新しい人のためにもう一回交渉するということはあり得ないと思うのですね。新しい人は、でき上がったものをみて、それでいいかどうか判断するだけだと思うのです。内容合理的といおうが、プロセス合理的といおうが、でき上がったものをみて、これだったらいいなと思うか、嫌だと思ってやめるか、どっちかですよね。先ほど委員の方が、そのような雇用関係にないとおっしゃったけれども、では、現実に、新しい人が入ってくるたびに、プロセスではなくて、内容合理的だということを交渉するのですかといったら、これはあり得ないと思うのですね。新しい人は、その会社ででき上がった規定をみて、入社を決定する前に判断して、よかったら入る、嫌だったらほかの会社へ行くということしかあり得ないと思うのですね。ですから、内容合理的よりはプロセス合理的の方が、企業にとって実態に合っているのではないかと私は思っているのです。決して規定をもたない企業とかということではなくて、規定をちゃんとつくって、前提としては、競争力を高めようというのが問題ですから、企業が競争力が高まるように努力するというのを前提に置いて、規定そのものは運用しやすいようにしていただきたいとお願いしたい。

委員

一言だけですが、プロセス合理性があれば、内容については当事者が納得しているのだから、それでいいではないかと主張する学者、その他の方々はいっぱいいると思います。私も、どちらかといえば、それにやや近い方なのですが、問題は、日本の法体制自身がそういう考え方でできているかということでして、労働法制はいうまでもありませんし、最近できました消費者契約法、あるいは金融商品販売法等々をみましても、プロセスの合理性さえあれば、内容についてはどんなものでもいいという考え方はとっていないですね。日本の法体制自身、しかも最近の法制ですらそういう考え方をとらずに、当事者間で、情報力、交渉力の不均衡があることを考慮して、一定の内容規制は置いていくという立場をとっているわけでして、むしろ、なぜこの問題についてだけ、それと違う立場をとらないといけないのかという説明が求められてしまう。立法は、そういう法体制の中での整合性を抜きにしてできないのではないかという非常に保守的な意見を申し上げて申しわけないのですが、立法するからには、当然外せないポイントだろうと思います。

委員

一言だけ。今日のテーマに戻るのですが、御指摘があったように、この整理の仕方は、準拠法の問題と実質法の問題がごっちゃになっているので、この2つの論点を整理しておいていただきたいと思います。

委員

先ほど発言された委員とは、プロセス合理性という点でかなり一致していると思っていたのですが、今の話は全然違うので、会社に入ったとき、当初、規定をつくったときはいいけれども、後から入ってくる人がそれを判断するのだから、それはプロセスだというのは、私にいわせれば、それはプロセスではないですよ。前回のペーパーにもありましたけれども、新たに入ってきた人であろうが、新たに発明した人であろうが、そこでその人と、その制度とその当てはめについて、ちゃんと交渉するのがプロセスで、企業としては、そのときにきちんとした情報提供もしなければいけないし、交渉もしなければいけない。それがプロセスの合理性だと私は思います。今のお話のようなプロセスであれば、それはプロセスとは呼ばない。それは企業の実態には合っているかもしれませんけれども、雇用の実態なり雇用のあり方としてはおかしいのではないか。そのような意味でのプロセスを経た上であれば、相当の対価ということはいってもいいと思うけれども、余りに不合理な場合には、さらに内容の合理性も問われるのではないかと私は思うのです。

委員

言葉のあやだと思うのですが、今、委員がおっしゃった交渉というのは何なのでしょうか。新しい人と交渉するというのは社内規定で存在するわけですね。それを前提にしておいて、新しい人と交渉というのは何なのでしょうか。規定を変えるということですか。

委員

いやいや、そうではない。

委員

変えないのですね。

委員

ええ。

委員

変えないのに交渉というのは、委員がおっしゃるように、プロセス合理性ではないのではないですかね。そうすると、規定をみせて、嫌いだったら入らないというのと結論は同じではないでしょうか。交渉というのは、妥協余地で、内容を変化させるということだと私は思うのですよ。ですから、言葉のお遊びでして、内容は余り変わっていないと私は思っているのですよ。私の交渉というのは、妥協、内容を変えることだと思うので、押しつけは交渉ではないと思うのです。みせて内容を認識していただくのが、委員のおっしゃる交渉だと思うのですね。

委員

今おっしゃっているのは、制度についての交渉であって、私がいったのは、制度を具体的な発明に適用する際の交渉の話。レベルが違うのです。

委員長

職務発明について、今後も議論を続けていきますけれども、話が煮詰まったといっていいのか、煮詰まらないといっていいのかわかりませんが、きょうの職務発明に関する議論はこれぐらいで、次の議題に移りたいと思います。きょう、特にこれだけはいっておきたいということがあればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、職務発明については、外国発明についても、議論を整理する視点を委員の方からいろいろ提示していただきましたので、それを参考にして、議論をもう少し整理して、また次回以降の検討につなげていきたいと思います。
次の議題に移りたいと思いますが、議題の3番目の医療行為ワーキンググループからの報告書(案)です。これにつきまして、事務局から簡単に内容を説明していただきまして、その後、このワーキンググループの座長としてとりまとめられた委員から簡単なコメントをちょうだいしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

事務局

それでは、ご説明申し上げます。資料5と6でございますけれども、資料5は、「医療関連行為に関する特許法上の取扱いについて(案)」というタイトルがついております。これは、「知的財産戦略大綱」におきまして、1.に書いてございますとおり、再生医療、遺伝子治療関連技術等を念頭に、特許法における取り扱いを明確化すべく、2002年度中に法改正及び審査基準改訂の必要性について検討し、結論を得ることが求められていた関係で、昨年の10月に、特許制度小委員会のもとにワーキンググループを設置していただきまして、委員の方にに座長をお引き受けいただいて、そこで審議してまいったところでございます。
現在どうなっているかといいますと、もう皆さん、ご承知のとおりでございますが、医療関連行為につきましては、1ページの(2)の上から5行目ぐらいのところに書いてございますけれども、「人間を手術、治療又は診断する行為」ということで、産業上利用することができる発明に該当しない、すなわち特許性がないとなっております。これには政策的理由、さまざまな人道的理由等が挙げられてまいったわけでございます。
時間がございません。先を急ぎまして、6ページをごらんいただきたいのですけれども、「再生医療に係る処理方法の取扱い」というところでございます。例えば自分の皮膚を取り出して、それを培養して、さらに自分に戻すといったものは、今までは医療行為そのものという位置づけでございましたので、そういう培養、例えば培養方法につきまして、特許が与えられないという運用になっておったわけでございます。他方、これが自分のものでない、例えば動物の皮膚を培養するとかというものでございますと、それは特許付与の対象になるということで、自家か、他家かと呼んでおりますけれども、そういうもので特許付与の有無を区別しているということになっております。これは必ずしも妥当ではないのではないかということがございます。
6ページに絵がございますけれども、その下に書いてございますように、皮膚等の培養につきましては、もともと、一つの独立した行為ということで認識していなかった関係で、一連の医療行為の一部として理解され、拒絶されていたということなのですが、ここだけ取り出して、医療現場を離れまして、実際、企業において実施されるようになってきているという現状を考慮いたしますと、少なくともこれらの技術に関しては、産業上利用可能であると解釈を変更することができるのではないかという結論になっております。
他方、7ページでございますけれども、それでは、一般の治療方法、手術方法といった医療関連行為一般についての取り扱いはどうなのかということで、これについても真摯に議論したわけでございますが、議論が尽くされたとは必ずしもいえない状況でございます。
1つは、「現実のニーズを踏まえた政策的必要性」ということで、果たしてそういう分野に特許を認めることが、真に産業振興に寄与するのかどうかということについてのコンセンサスが得られていないということ。
それから、(2)で「安全性の担保」の問題。医療技術は、特に安全性が極めて重要であるというご指摘と、他方、それは、特許法で安全性を担保するのではなくて、例えば薬事法や別の法体系でやるべき課題ではないかという議論と両論ございます。
また、「医療研究に関する特殊性」ということで、特に医療の研究につきましては、ある意味では患者(被験者)と医師の共同作業であるということで、それが医師、あるいは特定の企業の専有物であることに違和感が示されたりもしておりまして、8ページでございますけれども、医療関連行為一般につきましては、残念ながら、現時点で合意を形成するには至らなかったということでございます。
「特許権の行使制限規定を置くことの是非」ということで、具体的には、例えば69条という条文がございますけれども、そこに、例えば、医師の行う医療行為については効力が及ばないといった規定を置くことも考えたわけでございますが、今回、医療行為一般について、結論を見送ったということとの関係で、それについても結論が得られる状況ではないということでございます。
したがいまして、その「具体的措置」ということでございますが、同一人に治療のために戻すことを前提としたものであっても特許付与の対象とするということで、先ほど2のところで申し上げたとおり、産業の実態が備わっている部分につきましては、基準を改訂いたしまして、特許性を認めていこうという判断に至ったわけでございます。
「なお」ということで書いてございますけれども、こういう運用を十分見定めまして、今後とも、将来における議論の必要性も含めて注視していくことが適切である、というまとめになってございます。
資料6でございますけれども、ワーキンググループが終わりまして、その後1カ月ほどパブリックコメントを募集したわけでございまして、これにつきまして、資料6のⅣ.をごらんいただきますと、まず、結論そのものにつきましては、今回対象とした特許付与のあり方について、賛同するご意見が多かった。ただし、そのやり方としては、法律改正によって対応すべきとのご意見がございました。また、一部、特許法の対象とすること自身に反対であるというご意見もあったということでございます。
2ページでございますが、その他の医療関連行為、医療関連行為一般につきましても、特許法の対象とすることをご要望される意見が多かったわけですけれども、反対意見も出されているということでございます。
安全性の担保についても、両論あるということでございます。
最後、3ページでございますけれども、特許の付与以外に、先端医療分野の技術開発における規制緩和、特許制度以外の産業競争力強化策の検討、あるいは、特許取得が前面に出てくると、どうしても研究開発のプロセスが不透明になるのではないかということを懸念するような意見等が出されたわけでございます。
私からのご報告は以上でございます。

医療WG座長

若干ご説明申し上げます。
医療ワーキンググループにつきましては、ただいま事務局からご説明がありましたように、「知的財産戦略大綱」、あるいは総合科学技術会議の知的財産専門調査会における要請を踏まえまして議論してまいりました。
しかしながら、医療行為一般につきましては、各委員の間で意見の隔たりがあります。この点につきましては、議事録は既に公開されているので、皆様もご了知のことかと思います。
医療方法に関する取り扱いについては、円滑な実施のためには医療従事者のご理解を得ることが非常に大事であります。審議の結果では、この件については全般的なご理解を得るに至らなかったと理解しております。
ワーキンググループでは、大綱及び調査会等による要請で、緊急度が非常に高いとされたもの、つまり再生医療等につきましては、医療従事者の方を含めて合意が得られたということで、この点については早急に審査基準を改訂すべしという報告書(案)を作成した次第でございます。

委員長

どうもありがとうございました。
ただいまの事務局及び医療行為WG座長からのご説明を受けて、何かご質問、ご意見等ございましたらお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

委員

7ページに「安全性の担保」というのが書いてあって、安全性の担保を特許性の条件とする議論を是認するように書いてあるのですけれども、そういう趣旨なのでしょうか。最高裁の判決で、原子力の発明は特許性が否定されたというのがあると承知しているのですけれども、あらゆる発明に関して、特許性の条件として、特許庁が安全性について責任をもたせるようにも読めるのですね。そのように解釈していいのか、どのように……。

委員長

ここの書きぶりが、一番頭に「以下の通り様々な意見が出されており」ということで……。

委員

それだけの話ですね。

委員長

ええ。

委員

これを是認したというわけではない。わかりました。

委員長

こういう意見の方がいらっしゃったということだと思います。
ほかに何か……。

委員

半年間、ワーキンググループでいろいろ議論されてきたということで、私どももその内容を十分承知しておりますので、この結論自体について異論を申し上げるわけではございませんけれども、我々としては以前から、医療行為全般につきまして特許化を認めてほしいというスタンスで来ておりますので、その点については今後も要望を申し上げていくことになると思います。よろしくお願いいたします。

委員長

ありがとうございました。
ほかにご意見ございませんか。

委員

医療機器については賛同が得られているのでしょうか。機器は特許の対象になっているとここにも書いてあるのですけれども、条件、記載の方法によっては特許性を外されているのもあると思うのですね。人体にかかわりがあったとしても、機器ということであれば、医療の方々の同意を得られているのでしょうか。

事務局

機器につきましては、特許、また、製造の方法の特許についてももちろん認められているわけでございますけれども、現在、動作方法の特許だけ認めていないと承知しておりまして、その部分については、あわせて基準の改訂を行うと承知しております。したがいまして、機器に関して、事実上、特許が認められないことはもうないとご理解いただければと思うのです。

委員

現段階では理解できますが、大学からの特許の中で、日本で医療関係の特許が認められないから、直接海外に出願するというケースがもう出てきています。そのときにPCTを使うために、とにかく国内でも出願するけれども、最初から認められることを前提にしていないという非常に矛盾したような行為が起こっております。まだ数は少ないのですが、将来、そういう点も含めて、外国でどういう医療行為が認められているのかについてもご検討いただきたいと思います。

委員長

ありがとうございました。
ほかにございませんか。よろしいですか。
それでは、この報告書を特許制度小委員会の報告書とさせていただきたいと思いますが、これにご異議はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本報告書を特許制度小委員会の報告書とさせていただきます。
座長、どうもご苦労さまでした。
次の議題へ移りたいと思いますが、議題の4番目と5番目はかかわっておりますので、まとめてと思います。最近の知的財産戦略本部における検討状況と、それを踏まえた臨時の特許制度小委員会の開催について、事務局からご説明いただきたいと思います。

事務局

先ほどちょっとご議論のございました本部との関係で少しご説明とお諮りしたい点がございます。
資料7ということで、前回、5月21日に開催された知的財産戦略本部会合の資料がお手元にございます。それを1枚めくっていただきますと、いろいろな議論がございまして、公開されております。きょうのご紹介は省きますが、いろいろな議論がされてございます。
その議事録の後に本資料が、右肩、資料1という形で出てございます。これが、いろいろ新聞等に出ております骨子案でございますが、その最初のところをちょっとごらんいただきますと、まさしくいろいろな方から意見が出て、それをとりあえずとりまとめたのが、前回の21日のときにおけるこの骨子案でございまして、そういう意味では多方面からの意見、あるいは、反対意見が出ていないもので、賛成だけ出ているという分野もあると思いますが、そういったもので、とりあえず議論のたたき台として提示されたということで、そういう意味では、私ども、まだ決まっておるということではないと思っております。これから議論が進んでいくと理解しております。今、現実に、民間の有識者の方々の本部員の中で議論を詰めておられるように聞いておりまして、6月20日に本部会合が予定されておりますけれども、そこに一つの計画案という形で提案されてくる。そこで最終的に議論が始まっていくと理解しております。
両面刷りで恐縮でございますが、資料1の2ページをごらんいただきますと、上から10行ほど、(3)の①が先ほどございました職務発明で、廃止または改正するということで、多分廃止案と改正案と両方の意見が出たということで、そこが網羅されてございますし、その下に特許審査の迅速化ということで、昨年度、ずっとご議論いただきました審査迅速化等の対応策について、各方面からの意見をずっと書いてございます。次のページにも、商標、デザインも含め……。次のページの3ページの2の(1)で、医療行為全般の特許を認めるべきではないかという意見がさらに出ておるということで、そういう意味では広範な意見が出されておるということでございまして、これを議論の出発点として、本部の方でも再度議論されるということだと思っております。
ただ、職務発明は、本日の議論のとおり、かなりいろいろな影響が出てまいりますし、その辺をよく見定めた上で最終的な結論を出すということで、私ども、非常に大きな問題だと思っておりまして、大綱に基づいて議論を進めてきておりますけれども、今回の本部の議論におきましても、それぞれの分野での具体的な詰めの問題と全体の戦略的な方向性の問題と、うまく整合性をもってやっていくと。先ほどお話がございましたように、あっちはこういい、こっちはこういいという議論ではない形で、政府全体としてやっていくのが一番望ましいと私ども思っておりまして、そういった形での意見は本部の方にもまた申し上げていきたいと思っております。
職務発明の問題、医療特許、特許の迅速化のやり方の問題、そのほか、大学との関係等、特許関係の議論のテーマがいろいろ挙がってきておりまして、そういう意味では、6月20日の本部会合の前に、この委員会は、特許についての一番専門の委員会でございますので、こちらの幾つかの論点についてご議論いただいた上で、私ども、また本部へ意見を反映させていきたいと思っておりまして、急でございますけれども、17日の3時から臨時の特許制度小委員会を開かせていただきまして、幾つか議論の論点となるようなものについて、あるいは、私どもがこれまで議論を重ねた上での「特許戦略計画」も間もなくまとめようとしておりますが、その辺を含めて、皆様方のご意見をいただきたいと思っておりまして、あわせてお願いしたいと思っております。

委員長

ご多忙のところ、追加の委員会をお願いして大変恐縮ですが、この「推進計画」は、我が国の知財戦略の当面のアクションプランとして非常に重要なものですので、ぜひともご都合をつけてご出席していただいて、いろいろなご意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

委員

6月17日ですか。

事務局

はい、そうでございます。今月の17日でございます。

委員

午後ですか。

事務局

今、午後の3時からを予定しております。

委員長

6月17日の3時から5時ということで、場所はここで……。

事務局

はい、そうです。17日の火曜日でございます。

委員長

それでは、よろしくお願いいたします。
それでは、ちょうど時間になりましたので、本日の委員会はこれぐらいにしたいと思いますが、この際、特に発言しておきたいということがおありでしたらお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、活発なご議論、どうもありがとうございました。
最後に、今後のスケジュールについて、事務局からもう一度ご説明してください。

事務局

今、追加で、6月17日の火曜日ということでお願いいたしましたけれども、その後、職務発明の関係を中心とした議論として、前からお願いしております7月8日の火曜日、8月1日の金曜日、いずれも3時から5時ということで開催したいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

委員長

それでは、第9回の特許制度小委員会を閉会いたします。長時間、どうもありがとうございました。

――了――

[更新日 2003年8月18日]

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