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産業構造審議会 知的財産政策部会 第25回特許制度小委員会 議事要旨

1.日時・場所

日時:平成22年4月9日(金曜日)10時00分から12時00分

場所:特許庁庁舎16階 特別会議室

2.議題

  • (1)特許制度小委員会における主な検討事項について
  • (2)特許制度に関する法制的な課題について

3.議事概要

(1)特許制度小委員会における主な検討事項について

資料1「特許制度小委員会における主な検討事項について」に沿って事務局から説明を行った。

(2)特許制度に関する法制的な課題について

資料2「検討の視点と主な検討項目」、資料3「特許制度に関する法制的な課題について」に沿って事務局から説明を行った後、各委員から発言があった。委員からの主な発言要旨は以下のとおり。

<登録対抗制度の見直し>

  • 事業再編や倒産等により特許の流動化が進んでいる中、ライセンス契約の扱いが問題となるため、登録対抗制度の見直しを前向きに進めていただきたい。
  • 海外の企業と契約する際、登録対抗制度は必ずしも理解されず、もめる場合も多い。したがって、国際的な制度調和の観点から、当然対抗制度の導入を前向きに進めていただきたい。
  • 包括ライセンスの対象となっている特許を売却しようとする場合、日本の特許だけがいろいろと手続を経ないと売却の対象とできない状況になっており、特許の流通、国際化の進展という観点からも当然対抗制度の検討を是非進めていただきたい。
  • 当然対抗制度は、民法の一般原則との整合性という問題があるが、公示なしに第三者に対抗できる制度が採用されている諸外国にも民法の一般原則はあるのだから、民法との関係は乗り越えられない壁ではないと思われる。前向きの方向の検討に協力したい。
  • 当然対抗制度の検討に当たっては、善意・無過失者の扱いについても検討すべき。
  • 民法の一般原則や第三者の保護は留意すべき点ではあるが、実務において、デューデリジェンスが一般的となっていることを踏まえれば、当然対抗制度を導入しても、特に大きな問題は起こらないのではないか。
  • 取引の安全は、デューデリジェンスによってある程度確保されると思うが、契約の存否が争われたときにどのように処理されるのかといった点についても検討していただきたい。
  • 当然対抗制度の導入には基本的に賛成。ただ、取引の安全を考えると、実務慣行だけにゆだねるのでなく、例えば、譲渡に当たり特許権者にライセンス契約の存在を告知させるといったことについても検討すべき。
  • 登録制度には、第三者に権利の存在を知らしめるという公示の機能のほかに、権利者に嘘をつかせないという確定日付のような機能もあり、この点についても配慮すべき。
  • 当然対抗制度の検討に当たっては、民事執行手続や倒産手続において、ライセンスが許諾された時期が偽装されることによって強制執行妨害等の問題が生じる可能性があることから、このような問題の手当について考慮する必要がある。また、民事執行手続や倒産手続において、一般の取引で行われているデューデリジェンスに相当するようなことを、誰がどのようにやるのか、又はやらないのかという点についても検討する必要がある。

<独占的ライセンス制度の在り方>

  • 専用実施権は日本特有の制度であり、海外企業の理解を得るのが難しい。国際的な制度調和の観点から、独占的ライセンスの見直しを前向きに進めていただきたい。
  • 独占的ライセンシーに差止請求権を認めるような方向での見直しを是非検討していただきたい。
  • 独占的ライセンシーに差止請求権を認めるような方向での見直しの必要性は理解するが、独占的ライセンシーが提起した侵害訴訟において特許権が無効と判断される可能性もあることから、特許権者が関与することなく独占的ライセンシーが侵害訴訟を提起した場合の扱いについて検討すべき。また、独占的ライセンスの登録前に他者に許諾されていたライセンスの扱いについて検討すべき。
  • 実務上、「独占的なライセンスであるか否か」が契約では不明確な場合もあり得ることから、このような場合の扱いについても検討すべきではないか。

<特許を受ける権利を目的とする質権設定の解禁>

特許を担保に融資を受けるという例は少ないということを聞いており、議論に当たっては、特許を受ける権利を目的とする質権設定の解禁について実際にどれほどのニーズがあるのか、解禁をした場合にどのような影響があるのかについてデータを示していただきたい。

<侵害訴訟の判決確定後の無効審判等による再審の取扱い>

  • 再審の問題は実際に発生しており、判決確定後に審決が確定して再審となることによって、特許権者の法的安定性が非常に害されるという状態が生じている。
  • 侵害訴訟において抗弁として主張しなかった無効理由が無効審判ルートに出された結果、無効審決が確定すれば侵害訴訟の結果を覆せるという制度では、特許法第104条の3第2項が意図しているような、侵害訴訟における審理の迅速化・充実化は到底図れない。したがって、再審を制限する方向には賛成。
  • 蒸し返しを防止する観点からは、資料中のA案の方向により再審を制限する必要があるのではないか。
  • 特許法第125条を改正して無効審決の遡及効を制限する必要がある。
  • 手続保障の観点から再審を説明するのが民事訴訟法学会の現在の一般的な考え方であり、資料に記載されている再審制度と既判力との関係の整理は正当。
  • 再審を制限する方法について、審決の遡及効を制限する案であれば、民事訴訟法との関係では問題なく説明がつくように思う一方、行政処分の無効の遡及効を一定の訴訟についてだけ限定するということが果たして行政法の論理として可能かどうかについて検討が必要ではないか。また、再審事由に該当しないとする案であれば、侵害訴訟で将来の差止めの判決がなされている場合に、将来の差止判決の効力も覆らないのかどうか、また、覆るとすればどのように整理するのかについて検討が必要ではないか。

<特許の有効性判断についての「ダブルトラック」の在り方>

  • 現行制度では、被告は1勝1敗でも勝てるのに、原告は2勝しなければ勝てないという、特許権者に非常に不利な仕組みになっている。
  • 紛争の一回的解決や訴訟経済の観点から、同じ無効理由をほぼ同じ時期に特許庁と裁判所の2つの国家機関で判断をするということが良いのかという問題を検討すべきではないか。
  • キルビー以前の、裁判所がクレームの限定解釈などにより何とか結論の妥当性を維持するような無理をした制度に戻すのではなく、それとは違った方向での解決を目指すべきではないか。
  • 裁判所においてあらゆる無効理由を主張できる現行制度に対して懸念を抱いている。技術的知識の基礎があり、進歩性等の判断に長く関与している特許庁の専門性や相場感を活かす方向で制度を検討していただきたい。
  • これまでの紛争処理の具体的事案を分析し、問題点を見極めた上で検討すべき。また、特許権の信頼性を高めることにより、紛争自体を抑制するという方向の検討もしていただきたい。
  • アミカス・キュリエについては、平成8年の民事訴訟法改正時に、同様の制度の導入について議論され、結果導入されなかったという経緯がある。したがって、導入に当たっては様々な検討が必要であるが、導入には基本的に賛成である。

<審決・訂正の部分確定/訂正の許否判断の在り方>

  • 本来、請求項単位で考えるべき問題だと思うが、分かりやすさの観点から、ユーザーの便宜などを考えると、請求項単位ですべて貫くということの難しさもある。
  • 訂正審判と訂正請求について、査定系と当事者系という違いを考えれば、扱いが分かれるということも場合によってはあり得るのではないか。

<無効審判ルートにおける訂正の在り方>

  • 現行のダブルトラックを維持するのであれば、無効審判ルートの整備が必要であり、審決後の訂正の制限は是非前向きに検討していただきたい。また、他の類型のキャッチボール現象に関しても併せて検討していただきたい。
  • キャッチボール現象の解消は必要。そのために、特許庁が無効の心証を得た場合に、審決前に心証を開示し、特許権者に訂正の機会を与えた上で、訂正を認めるか否かも含め審決し、審決後の訂正を認めないという制度について是非検討すべき。
  • 同一人による複数の無効審判請求の禁止について検討していただきたい。

<無効審判の確定審決の第三者効の在り方>

特許法第167条については、特に、再三の無効審判請求に対応しなければならないという中小企業等の特許権者の対応負担につき、一定の抑止効果を果たしているという点に十分配慮した上での検討が必要。

<差止請求権の在り方>

  • 創業したばかりのベンチャー企業にとって、特許権の強さは非常に重要であることから、差止請求権の制限に対しては消極的。
  • 権利濫用に関して、検討の方向性については大筋良いと思うが、「権利濫用法理の濫用」もあるということが指摘されており、権利濫用法理の適用基準については更に議論することが必要。
  • 差止請求権の制限は独占権である特許権の本質に関わる議論である。民法上の権利濫用法理は裁判官が様々な事情を考慮して柔軟に判断することができるが、これを仮に法文化して具体的な要件を定めると、その要件に当たるかどうかを一々主張立証することが必要となり、迅速に差止めを求めなければならない場合に、被告側が抵抗を示すことも考えられる。また、税関における水際での模倣品の輸入差止めを迅速に行えなくなることにつながりかねないという懸念もある。
  • 民法上の権利濫用法理を適用し得ること、独禁法による制限があることを踏まえると、余り、差止請求権を制限する必要性を積極的には考えられない。
  • 民法上、権利濫用法理がある以上、特許法に同様の規定を設けることには意味がないと思う。
  • 差止請求権の制限は、たとえ民法上の権利濫用法理を明確化する形式的・確認的な立法でも、特許権を弱める方向の改正とユーザーに受け取られ、改正の趣旨が没却されてしまう懸念がある。現時点で法改正を行う妥当性があるか、慎重に検討していただきたい。
  • 一定の要件の下に権利行使を許さないこととする規定を設けることは可能であるが、いわゆるパテントトロールの問題については、特許権の本質に対する例外規定を設けるほど問題は顕在化していないのではないか。ただ、差止請求権を制限する必要があるとの意見もあるので、本委員会で議論することは意味がある。
  • いわゆるパテントトロールの問題については、今は顕在化していなくとも、今後生じる可能性もあるので、現状を示していただき、議論に反映していただきたい。
  • いわゆるパテントトロールの問題は、訴訟費用が高い、訴訟期間が長い、裁判で特許が無効とされることが少ない、特定の裁判所で原告勝訴率が高い、といった米国の事情を前提にしている現象であり、我が国で生じることは現実的には少ないと思う。したがって、いわゆるパテントトロールの問題だけを理由に差止請求権を制限することは、日本においては少し短絡的ではないか。
  • 差止を認めることによって、公益を害するような側面については、まずは裁定実施権制度で対応し得るか否かについて検討すべき。裁定実施権制度を拡張することが難しいのであれば、工業所有権審議会がまとめた「裁定制度の運用要領」に追記することも考えられる。
  • 標準技術に関するホールドアップ問題に対しては、独禁法の面もあるが、現行の裁定実施権制度を使いやすくするように制度改正するのも一つの重要な方向ではないか。侵害訴訟の実務では、和解で解決することによって、事実上裁定が行われたのと同じ効果をもたらしている点も考慮していただきたい。
  • 標準技術に関するホールドアップ問題は悩ましく、特にエッセンシャル・ファシリティ(不可欠な設備)の場合における差止めについてはよく検討すべきではないか。現実に、標準技術において数千件の特許が含まれる場合があり、そのうちの1件の特許に基づき差止めが認められた結果、他の全ての特許が全く無意味になってしまうという現状については検討した方が良いのではないか。また、このように必須特許が膨大である実情を考えると、裁定実施権制度では対応が非常に難しいのではないか。
  • 製薬業界では権利行使は非常に重要。差止請求権の行使が標準化等において問題になるのであれば、その部分にだけ焦点を当てて議論をしていただき、他の部分には影響が及ばないように慎重に差止請求権については検討していただきたい。

<冒認出願に関する救済措置の整備>

  • 事実上、特許庁では冒認出願か否かについて審査されていないと思うので、冒認出願に関する救済が公定力に係る問題とされるのはいかがなものか。冒認を拒絶理由から削除し、当事者間の問題だけに純化することも一つの考えとしてあるのではないか。
  • 共同出願違反も純粋な冒認と同じ取り扱いで良いのか検討する必要があるのではないか。

<職務発明訴訟における証拠収集・秘密保護手続の整備>

  • 職務発明訴訟における秘密保護手続は是非導入していただきたい。ライセンス契約の内容は企業にとって生命線であることが多く、その開示をめぐって職務発明訴訟でしばしば紛糾する事態が生じており、少なくとも秘密保持命令は導入すべき。
  • インカメラ審理手続や秘密保持命令については、民事訴訟一般にも導入すべきと考えていたので、職務発明訴訟への導入にも基本的には賛成。ただ、職務発明訴訟にのみ導入するのであれば、なぜ職務発明訴訟にのみ導入するのかということについて十分な説明が必要。

<その他>

  • 簡易な再審査制度を設けることによって、質の悪い特許を早期に排除するということについても検討していただきたい。
  • データに基づいた検討を行うべき。

[更新日 2010年5月14日]