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産業構造審議会 知的財産政策部会 第30回特許制度小委員会 議事要旨

1.日時・場所

日時:平成22年7月5日(月曜日)15時00分から17時00分

場所:特許庁庁舎16階 特別会議室

2.議題

  1. 特許法条約(PLT)との整合に向けた方式的要件の緩和について
  2. 大学・研究者等にも容易な出願手続の在り方について
  3. グレースピリオドの在り方について
  4. 特許料金の見直しについて

3.議事概要

(1)特許法条約(PLT)との整合に向けた方式的要件の緩和について

資料1「特許法条約(PLT)との整合に向けた方式的要件の緩和について」に沿って事務局から説明を行った。

その後、自由討議を行ったところ、概要は以下のとおり。

<検討の方向について>

  • 失われた権利の回復に関して、グローバルな観点から日本のユーザーが不利な状況を是正しようという考え方に賛成。また費用対効果のことも考えつつ救済の要件を緩和することも妥当。
  • ユーザーから見て、現在の権利回復のための要件は非常に厳しいので、要件を緩和するという方向性に賛成。また、特許権の設定登録後に発明者や出願人の誤記を訂正できないといった点は改善していただきたい。
  • 一部の業界では権利を監視する負担が増えるのではないかという懸念があったが、手続の緩和という方向性には賛成。

<救済する対象について>

  • 仮に法律を改正する場合、どの程度のケースまでを救済する予定なのか。「相当な注意」を払ったかの要件について、権利者自身以外の従業員や代理人についてもみるのか。
  • 救済の要件を緩和する方向性や、第三者保護の考え方に賛成。できる限り失効した権利を救済するという基本的な姿勢がみえるEPOと同じDueCareという要件を採用しても、同等の救済が図れるかは議論の余地がある。DueCareといった文言にこだわらず、実質的にどの程度まで手続のミスを救済するべきなのかを具体的に検討すべき。

(2)大学・研究者等にも容易な出願手続の在り方について

資料2「大学・研究者等にも容易な出願手続の在り方について」に沿って事務局から説明を行った。

その後、自由討議を行ったところ、概要は以下のとおり。

<検討の方向性について>

  • 政策的な観点から、特許請求の範囲をしっかりと書いて出願すべきとする事務局案は理解できる。一方で、アメリカとヨーロッパが特許請求の範囲の無い出願を認めていることを考えると、日本においても、大学発の発明をより簡便な方法で保護可能な方策として、特許請求の範囲の無い出願を検討する必要もあるのではないか。
  • 請求の範囲を必須の要件としないEPO制度の存在や、将来的にPLTに加盟をする可能性があることを踏まえても、現時点では我が国においては特許請求の範囲を要求すべき。まずは広く強い権利を取得するには特許請求の範囲をしっかりと書かなければならないという認識を特許制度利用者に根付かせなければならない。出願に際し、特許請求の範囲に発明のポイントが抽出され、充実した実施例が記載されるような環境づくりが重要である。国内優先権制度についても、基礎となる出願に開示されていなかった発明については現実の出願日で新規性等が判断されることになる点、誤解が無いようにすべき。

<大学・研究者等の論文等を基礎とする特許について>

  • 研究者の論文はピークデータを追求する姿勢で書かれているのに対し、特許を産業的に利用する企業の立場からすると、特許請求の範囲は、できる限り広い概念が含まれるようなものの方が好ましい。現状でも大学の知財本部やコーディネーター、企業等が協力してやっと特許請求の範囲を広げているにもかかわらず、研究者の論文をそのまま明細書に記載しても出願できることを強調しすぎると、権利範囲が狭すぎて利用しづらい特許が増えてしまうおそれがある。また、弁理士等の実務者においても、実施例を見ながら特許請求の範囲の記載をできるだけ広くした上で出願するよう留意していただきたい。
  • 中小企業として、最近は大学と共同開発等を行うことが多いが、大学が取得した特許の権利範囲が狭すぎるために、実際の製品化等の際に苦慮した経験がある。
  • 出願段階で特許請求の範囲を広く書くためには、発明者において、実施形態等の記載を充実させることが必要な点もよく周知していただきたい。

<その他>

これまでTLOの充実等の取組がなされてきたが、大学やTLO等からの出願件数はなお少ない。大学・研究者等の特許出願を促進するためには、第一に研究者の知的財産に対する認識を高めること、第二にTLOを始めとするサポート機関の強化が必要である。第三には産学連携が実効的に機能しなければならず、そのために特許を共有する場合の規定を充実させることが重要である。

(3)グレースピリオドの在り方について

資料3「グレースピリオドの在り方について」に沿って事務局から説明を行った。

その後、自由討議を行ったところ、概要は以下のとおり。

<検討の方向性について>

  • メディアが融合している中で、新聞やテレビで扱いが違う現状の制度はバランスを欠いており、是正が必要。また、グローバル化が進む現代においては、シンプルでわかりやすい制度にすべきであり、本人による発明の公表を一律に救済対象とすることに賛成。グレースピリオドの期間についても、当面は混乱を招かないために現行どおり6月とすることに賛成。
  • 大学の知財本部にとって、ある学会が30条に基づき特許庁長官に指定されているか否かを調べるのが大変な手間になっていることから、本人による発明の公表を一律に救済対象とすることに賛成。グレースピリオドの期間については、アメリカや、ヨーロッパとの関係で交渉をしていくのに当たり適切な判断をすればよい。
  • ものづくり中小企業の観点からも、本人による発明の公表を一律に救済対象とすることに賛成。グレースピリオドの期間についてはより長い12か月の方がよいとも考えられる。
  • 新規性喪失の例外措置の要件を簡素化するという考え方には賛成。ただし、バイオや化学の領域において、公表した発明者本人とその他の人の保護のバランスが欠くことがないかという危惧がある。仮に新規性喪失の例外の範囲を拡大するにしても、濫用を防ぐような手だてを考えて欲しい。
  • 本人による発明の公表を一律に救済対象とすることに賛成。ただし、「本人による公表」という要件を課す場合、「公表」が意味するところの行為を明確にすべき。
  • 本人による発明の公表を一律に救済対象とすることに賛成。ただし、短い期間に公表を繰り返すといった場合などに、どのような手続を課すのが適切か、十分に検討すべき。また、あくまでも30条による措置は例外であることを周知し、出願が遅れてしまうことのないように注意喚起していただきたい。グレースピリオドの期間については、6ヵ月では足りない分野の有無や、仮に12ヵ月に延びた場合に第三者の監視負担が増えすぎないかについても検討が必要。

(4)特許料金の見直しについて

資料4「特許料金の見直しについて」に沿って事務局から説明を行った。

その後、自由討議を行ったところ、概要は以下のとおり。

<検討の方向性について>

  • 特許料金の見直しに賛成。中小企業の減免制度については、すべての中小企業が減免を受けられるようにし、中小企業の特許に関する関心を高めたいと思う。特許料金の減免の期間については延長していただきたい。また、中小企業と大学・大企業などが協力することが増えているため、減免の対象を自社の従業員による職務発明に限定せず、外部の企業や大学から譲り受けた発明にも適用していただきたい。
  • 審査請求料の引下げに賛成。中小企業等の減免については、適用範囲の緩和をしていただきたい。また、手続面の負担のために適用を断念する企業もあり、手続の簡素化を強く望む。例えば、要件を証明するための提出を求めず、違反した場合に事後的に制裁を課すという方法も検討されてよい。また、最近では中小企業であっても、海外にも出願しなければ知的財産を守れないことから、特に海外で通用するような価値の高い出願に対して、集中的な支援策を講じていただきたい。加えて、意匠・商標関係の手数料についても減免して欲しいという意見もある。
  • 審査効率向上によりコストが下がった分をユーザーに還元することについて賛成。ただし、企業の設備投資や研究開発投資は回復基調にあり、今後出願が増加する可能性もあるので、審査請求料を下げたことで審査待ち件数が増加するのではないかという懸念がある。また、審査請求料の基本料金と請求項毎に加算される料金をどう下げるかについて、両者のバランスが問題となる。基本的にはコストを基礎として定めるべきであり、それを判断するためのデータをしっかりと集める必要がある。
    中小企業等の減免制度については、中小企業すべてを対象とすることには政策効果を考えると疑問があり、ユーザー全体に還元すべきところが一部だけに使われるという印象もある。発明に従事する者の裾野を広げるという趣旨からは、初めて参入してきた者や研究開発を最近急激に増やしている者などに対象を絞りつつ、全額免除や免除期間延長など減額を拡大したほうが政策効果は大きいのではないか。
  • イノベーションの裾野を拡大するという意味で特許料金の引下げ、特に審査請求料の引下げに賛成。
  • イノベーションの促進や企業の国際戦略の支援につなげるべく特許料金の見直しや中小企業等の減免を検討するという方向性に賛成。ただし、ある程度減免対象を絞り政策を重点的に行うことも重要である。例えば外国出願のある日本出願については審査請求料を無償にするなど、思い切った施策も検討すべき。ライセンス・オブ・ライトといった、イノベーションの促進、特許権の活用の促進につながる他の政策についてもあわせてご検討いただきたい。
  • 特許料金の見直しや減免制度に賛成。ただし、自ら研究開発せずに、権利を買い集めるような、減免制度を濫用する者が出ないよう工夫をして欲しい。

<その他>

減免制度の存在が中小企業等に知られていない現状がある。要件や手続を簡素化し減免制度を使いやすくすれば、減免制度がより普及するのではないか。その結果、中小企業等からより多くの出願がなされ、特許料収入が増えることにつながるとも考えられる。

[更新日 2010年8月16日]