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産業構造審議会 知的財産政策部会 第32回特許制度小委員会 議事要旨

1.日時・場所

日時:平成22年11月15日(月曜日)16時00分から18時00分

場所:特許庁庁舎16階 特別会議室

2.議題

特許制度に関する法制的な課題(論点整理)について

3.議事概要

資料1「特許制度に関する法制的な課題(論点整理)について」に沿って事務局から説明を行った。

その後、自由討議を行ったところ、概要は以下のとおり。

登録対抗制度の見直し

これまでの要望を反映した形で制度設計がされており、資料の内容に賛成。

侵害訴訟の判決確定後の無効審判等による再審の取扱い

侵害訴訟の審理の充実化のため、早急に立法していただきたい。資料8ページ(7)の仮処分との関係では、無効審決の遡及効を制限した上で、①(差止の仮処分命令→本案訴訟棄却判決確定→無効審決確定)や③(差止の仮処分命令→無効審決確定→本案訴訟棄却判決確定)のケースについては本案訴訟の帰趨に従うという整理でよいと思う。それ以外の論点も事務局案に賛成。

無効審判ルートにおける訂正の在り方

  • 特許法第181条第2項によるキャッチボールの問題点を解消し、「審決予告」という制度で訂正の機会を付与するという基本的な制度設計について賛成。
  • 無効審判で請求不成立であったために審決予告無く審決をし、その審決が知財高裁で取り消されて特許庁に差し戻された場合、差し戻された後は知財高裁の判断の拘束力があるため特許庁で無効と認められる蓋然性が高くなるのだから、審決予告をして訂正の機会を与えるのが筋のように思われるので、その点検討して欲しい。
  • 審決が取り消されて特許庁に差し戻された後、審判合議体が職権に基づいて別の理由で無効にする場合に審決予告をしないのだとすると、その無効理由が最初の審判で通知されていれば訂正を二度出来たのに、最初の審判で気づかれなかった無効理由が差戻し後に発見されて無効となると、訂正が一度しかできないことになり、特許権者の特許権の保護という観点からみて問題があるように思う。最終的には立法政策の問題だとは思うが、細かい制度設計の部分では、そのような点も含めてご検討いただきたい。

同一人による複数の無効審判請求の禁止

  • 資料14ページの①審判請求書の要旨を変更する補正の制限規定、②公益の任務を負う審判官の職権主義の在り方及び③審決取消訴訟における審理範囲の在り方の論点と共に、引き続き検討していただけるということで、事務局案に賛成。
  • 無効審判の本質にも関わるような大きな論点だと思うので、引き続き検討すべきであるとする事務局案は妥当。

審決・訂正の部分確定⁄訂正の許否判断の在り方

  • 資料11ページ「2.対応の方向」について賛成。ただし、3.(1)に「訂正後の請求項と明細書の各訂正事項との対応関係等について、審判請求書に記載することを要件化する等」とあるが、具体的にどの程度の記載が必要とされるか、イメージできない。そのため、条文上、審判請求書の記載要件とすることに対しては、戸惑いがある。ガイドラインやその他の運用上の措置によって手当てすることも検討していただきたい。
  • 訂正を請求項ごとに可分に取り扱うという問題と、請求項ごとの取扱いを採用することに伴う明細書の一覧性の問題とがあるが、事務局案は両者のバランスをとった意見となっているので、事務局案に賛成する。

差止請求権の在り方

大学の財政状況が厳しく、どの大学にも特許の専門家を置くことができるわけではない状況で、いわゆる「パテントトロール」に特許権を譲渡する大学が現れつつある。そのため、本論点について引き続き検討することが適切ではあるが、まずは大学側がいかなる形で特許を守っていくべきかについて検討していく必要があると思う。

冒認出願に関する救済措置の整備

  • 大学が特許出願を多くするようになり、論文を受け取ってすぐに特許を出願しなければならない状況が頻繁に生じているが、論文には、真の発明者でなくても氏名が載っていることが多い。こうした中で、冒認出願になるか否かは大学の知的財産本部でも大変難しい問題である。そのため、登録後の救済措置ができれば大学の知的財産本部はとても助かるのではないか。
  • 冒認出願について、従前の無効審判請求の他に、移転登録請求という選択肢が与えられることには賛成。また、真の権利者以外の侵害訴訟の被告になった者は誰でも特許法第104条の3の抗弁の主張が認められるべきと整理されているところ、私は現行法でも同様に解釈しているので、それ自体に異論はない。しかし、この点については、同条において「特許無効審判により無効にされるべき」と書かれていることから、消極説もある。そこで同条の抗弁は被告であれば主張し得る旨を確認的でも構わないので規定していただきたい。

職務発明訴訟における証拠収集・秘密保護手続の整備について

  • 職務発明訴訟においては、発明者の寄与度等も証明の対象となる。例えば薬の発明に関して発明者の寄与度を証明するために全体のプロセスの技術的な内容を開示しなければならなかったり、特許料収入を証明するためにライセンス契約の内容を体系的に開示せざるを得なかったりする場合がある。このような点で、職務発明訴訟と特許権侵害訴訟の性質は異なる。会員企業の職務発明訴訟に関する実態も調べているので、両訴訟の性質の違いや企業の実態を踏まえた上で、法制度の議論をお願いしたい。
  • グローバルな時代のイノベーションを促進するという観点からの議論が深まっているとは必ずしも言えないのではないか。職務発明そのものの本質的な議論を行い、その関係で事務局案を継続的に検討すればよいと思う。また、手続面の問題については、特許権侵害訴訟では企業が原告にも被告にもなり得る点や、意図的に秘密を流出した場合にその企業がビジネスの世界で信用されなくなるという実質的なペナルティがある点で、職務発明訴訟とは対立構造が異なっていることに配慮すべきである。また、現状では営業秘密の保護について民事訴訟法の枠内で工夫しながら対処しているが、インカメラ手続において書類開示の対象者が当事者にまで広がると、営業秘密の意図的な流出が起こる懸念が払拭できないことから、当面は民事訴訟法の規定による手続にとどめておくので良いと思う。
  • 特許法第105条第1項が適用されることによって、企業がライセンス契約等の提出を拒めない範囲が、現在の訴訟実務と比べて広がるとは言えないだろう。問題は、比較衡量によって判断されることであるが、ライセンス契約書等そのものを提出しなくても、他の代替的な立証方法を用いることも可能であり、提出を拒む「正当な理由」が認められる可能性は十分あると思う。また、特許法第105条第3項が適用されることについては、現在の訴訟実務においても、営業秘密に関わる文章の提出について、訴訟指揮に基づいて秘密保持契約を締結した上で、裁判所が文書を開示する方法がとられているところ、このような重要な訴訟手続については明文の規定を置いた方が良いのではないかと考えている。その意味では、本改正案は、従来行ってきた裁判所の実務に法的根拠付けをし、裁判所が訴訟追行の観点から見て適切な運用を行って訴訟の紛争の解決に寄与するという目的によるものだと思う。
  • 職務発明訴訟において営業秘密が流出するおそれがあるという懸念については共有したい。ただし、社会的な影響が大きかったり、企業に与える打撃が大きかったりすれば、検討の必要性には訴訟の数は関係ないのではないか。
  • 現実の職務発明訴訟においては、会社側が秘密を保持しつつ関係資料を提出したい場合、秘密保持命令制度が無いために、苦労しながらも秘密保持契約を締結することによって処理している。こうした現実をどう解決するのかが問題である。他方で、産業界の意見は、我が国のイノベーションの観点から職務発明制度自体について検討を求めるものである。この点は私も十分に検討をすべきであるとは思うが、制度改正の議論と、現実に生じた紛争の処理は異なる論点である。また、仮に職務発明制度を大きく改正したとしても、これまで生じた発明についての権利に関する紛争を避けることはできないため、秘密保持命令等の制度を導入するか否かという点については結論を出す必要があるだろう。ただし、検討の速度については様々なやり方があり得るところ、これまでの議論を踏まえると、並行して職務発明制度そのものについての議論を進めていくのかと思う。
  • 文書提出命令や秘密保持命令は、訴訟の中で非常に重い手続だと思っており、そうした手続の導入については、その訴訟の両当事者が納得し協力しながら、訴訟を進行していくことが欠かせないと思う。そのため、今回産業界から賛成が得られないような状況であれば、引き続き検討することもやむを得ない気がする。
  • 資料4 「守屋委員御提出資料」には証拠の提出方法を非常に工夫している点が紹介されている。職務発明訴訟を現行どおり民事訴訟法の下で行うとしても、そうした工夫によって訴訟の審理・判断において必要な証拠が提出されるよう協力が望まれる。
  • 本論点に係る見直しに当たっては、最終的には特許法の政策判断だと思う。ただし、平成20年の最高裁決定については、職業秘密に当たっても比較衡量によって保護に値しないとされた場合には文書提出を命じ得る場合もあることを認めたものであり、この比較衡量は文書提出義務を拡張する方向で働くのであって、文書提出義務を限定する方向には働かないと考えるのが私を含め多くの民事訴訟法学者の理解だと思う。特許法上の「正当な理由」という概念について、営業秘密に該当しないため文書提出義務が認められる文書についても比較衡量した結果として「正当な理由」が存在する場合には提出義務が免除され得ると解釈するのだとすると、その点は平成20年の最高裁決定は述べていない。よって、この最高裁決定があっても、両手続の実質的な差異はなくなったとは言えないというのが私の認識である。
  • 同じ産業界として、日本経済団体連合会や日本知的財産協会と意見は違わない。しかし、平成20年の最高裁判決の内容や、実際に訴訟の当事者として様々なことを行っていることなど、内部で十分に整理できていない。他方で、特許法第35条に対する根本的な問題意識があり、これに関連する手続が導入されることに対する懸念や違和感がある。そのため、もう少し継続して議論させていただきたい。
  • 製薬業界の中で色々と議論してきたが、秘密保持の部分に関しては大変歓迎できる。他方で、インカメラ手続等に関しては、対象発明の外側部分にノウハウがあり、それが開示されると事業上も非常に大きなリスクになるところ、漏えいにいかなる歯止めがかけられるか、まだ十分な検討がなされておらず、もう少し慎重に検討していくべきである。

特許法条約(PLT)との整合に向けた救済手続の導入

  • 資料26ページで、(ア)外国語書面出願の翻訳文の提出、(イ)外国語特許出願(PCT)の翻訳文の提出、(ウ)特許料及び割増特許料の追納の3項目に限定して記載されているが、今後の議論として、他の期間徒過について救済の必要性がないか、対象の拡大について継続的に検討して欲しい。
  • 救済を認める要件について、EPOではDue Careの概念による救済は、期間徒過の通知や処理の継続といった救済措置と併用されているので、Due Careによって救済されるべき事例が比較的例外的あるいは限定的なものになっている可能性がある。他方、我が国にはそのような救済措置がないため、EPOとはそもそも前提が異なっており、EPOのDue Careという文言を引き写すような基準を創設してしまった場合には、救済要件が厳格化し、実質的に我が国の救済範囲が狭められるおそれがあると思う。このような前提の相違を考慮し、国際的な制度調和が図られた救済ができるよう、我が国におけるDue Careの基準がどうあるべきかをきちんと検討して欲しい。

大学・研究者等にも容易な出願手続の在り方

  • 大学等の知財本部においては論文からそのまま特許出願したいという要望が大変多いと思う。しかしながら、企業に使われない特許があっても良くないため、出願日だけを早く押さえたいという特許は、物質特許などに限定されるだろう。また、出願日の確保という点に限ってみれば現在の運用で十分に対応できると思う。論文の記載をベースとして出願した場合のリスクについて十分な注意喚起を行いながらも、大学における特許出願を上手に行っていくべきであるので、事務局案の記載内容に賛成する。
  • 最近、大学や企業、国と仕事をする機会が多いが、大学が中心となって行う事業が失敗してしまうのは、大学に特許出願に当たって何を請求項とすべきかといった知識が不足していることによると思う。企業が中心となる事業では過去の経験に基づいて請求項を定めているところ、今後、大学にこうした知識が導入されるとうまくいくのではないか。最近では、特許と特許が結びつくことによって、良いものになることが非常に多いため、大学の特許に関する制度に予算を捻出し、抜けがないような特許を出願して欲しいと思う。事務局案の内容に賛同する。

グレースピリオドの在り方

大学において、先生方が学会で発表した後、早急に特許出願しなければならない場合が非常に多いため、本論点は大学の知的財産本部において大変関係の深い論点である。学会は、特許庁長官の指定を受けるか否かについて、十分に検討している訳ではない現状があり、新規性喪失の例外の範囲を拡大することは大変歓迎すべきことである。

特許料金の見直し

  • 審査請求料の引下げについては、財源的な問題があるため非常に難しいとは思うが、ユーザーに安くなったという実感を持ってもらえる水準まで引き下げてもらいたい。そして、減免については、対象者及び期間の拡充の方向については大変結構だと思うが、減免を受けるための手続負担の軽減についても、是非検討を行うと共に、実現を図って欲しい。
  • 中小企業では特許出願の必要性を理解していなかったり、そもそも特許を知らなかったりするのが現状であり、中小企業等の減免制度の存在もほとんど知られていない。そのような中で、減免制度の説明をする際に、減免額が少ないにもかかわらず手続が面倒であるというのは好ましくない。やはり、減免期間や減免額にインパクトを与えることで、優良な中小企業が特許を守る気になるようにして欲しい。また、減免を受けるためには赤字企業であることが要件となっているが、優良企業を支援する観点からすると狭すぎるのではないかと思っている。
  • 特許の出願件数は、米国や中国が激しい勢いで増加しているのと比べ、日本は90年代を境に全く増加していないという状況が続いている。総合的な施策の一環として、特許料金の見直しによって、特許出願件数が増加するような施策を大胆に行うことにより、我が国のイノベーションの力が強まるのであれば、是非行って欲しい。
  • 現在、我が国のものづくりは非常に低迷している。新しいことを始めようとする意欲が失われている中で、国がまず始めの一歩を示して欲しい。金額の大小は別にして、政府部内にて調整を進めた上、何らかの姿勢を示すべき。

[更新日 2010年12月28日]