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産業構造審議会 知的財産政策部会 第33回特許制度小委員会 議事要旨

1.日時・場所

日時:平成22年11月30日(火曜日) 8時30分から10時30分

場所:特許庁庁舎16階 特別会議室

2.議題

特許制度に関する法制的な課題について(報告書案)

3.議事概要

資料1「特許制度に関する法制的な課題について(報告書案)」に沿って事務局から説明を行った。

その後、自由討議を行ったところ、概要は以下のとおり。

(1)活用の促進について

<登録対抗制度の見直し>

  • 大変良い改正の方向だと思う。今後、制度の実施に当たって考えていただきたい点として、標準技術の必須特許に関して、特許権者が無差別にライセンスすることを一方的にコミットする特許声明書を出した場合の扱いがある。
  • 産業界として長年導入をお願いしてきた論点である。確定日付の取得を要件としない点や告知義務を置かない点も配慮していただいて感謝する。きちんと実現していただきたい。

(2)紛争の効率的・適正な解決について

<特許の有効性判断についての「ダブルトラック」の在り方>

資料22ページ「対応の方向」の部分で、「無効審判の更なる審理の迅速化等進行調整の運用の改善を図る」とある点について、しっかりとやっていただきたい。特に、特許の有効・無効については、無効審判がユーザーにとって比較的ハードルが低くてやりやすい、負担が少ないというメリットがあるので、これらのメリットを活用しつつ、無効審判で示された判断が裁判所で覆らない運用が図られることを期待したい。

<侵害訴訟の判決確定後の無効審判等による再審の取扱い>

  • 再審を制限することは、ダブルトラックによって生じる問題に対処するためには非常に重要であり、実現していただくことはありがたいと思う。
  • 確定審決の遡及効を制限するのではなく、その「主張を制限」するとすると、訴訟上の抗弁を許さない、という意味になってしまうのではないか。
  • 「主張を制限」とする場合、再審開始決定はなされてしまうが、抗弁を主張することができないため判決が覆ることはないということだとすると、判決の結論は変わらないにもかかわらず手間だけがかかってしまうのではないか。
  • 「主張を制限」とは、遡及効は客観的には生じているが一定の場合に遡及効の主張を制限するということだと思う。その場合、職権探知主義が適用になる局面では、遡及効が客観的に生じていればそう扱わざるを得ないが、再審訴訟については弁論主義が適用されるので、再審事由が主張できないことによって、再審手続が開始決定されないことになるのではないか。
  • 実務的には発生の頻度が低いかもしれないが、1.無効不成立審決に対する審決取消訴訟において審決を維持する判決が確定した後に訂正審決が確定した場合や、2.訂正不成立審決に対する審決取消訴訟において審決を維持する判決が確定した後に、無効審決が確定してしまった場合に、再審によって判断を変更するニーズが無いにもかかわらず、再審事由となってしまうのは妥当でないので、このような審決取消訴訟の再審の制限についても検討を行うべきである。
  • 無効審判の審決取消訴訟係属中に訂正審決が確定した場合の問題も含めて中長期的に議論をしていくべきである。

<審決・訂正の部分確定/訂正の許否判断の在り方>

資料51ページにある「訂正後の請求項と明細書の各訂正事項との対応関係等について、審判請求書に記載することを要件化する」ことはやむを得ない。ただし、法律上の規定は必要最小限とし、具体的にどのような記載が必要かはガイドライン等で明らかにする運用にしていただきたい。さらに、権利行使の局面を考えると、権利者としては当該対応関係については必要以上には明らかにしたくないというのが本音であるので、ガイドラインについても必要以上に詳細な記載を求めることがないようにしていただきたい。

<無効審判ルートにおける訂正の在り方>

  • 審決予告と審決との間に齟齬がなく、不意打ちがない審決を書いていただきたい。また、何度も審決予告と訂正を繰り返して時間がかかることを防ぐため、当初の審決予告の時点で主張されている無効理由について出来る限り全て判断していただきたい。訂正については、今後も審理の在り方を含めてさらに議論していただき、今回で終わりにしないでいただきたい。
  • キャッチボールの問題は、平成15年の法改正ないしはそれより前の平成11年の最高裁判所判決(大径角形鋼管事件)まで遡る非常に根深いものであり、今後引き続き議論をしていただきたい。

(3)権利者の適切な保護

<冒認出願に関する救済措置の整備>

  • 共同出願違反で、真の権利者でも冒認者でもない別の共有者がいた場合に、特許を無効として良いのかという問題がある。平成13年の最高裁判所判決(生ゴミ処理装置事件)でも、別に共有者がいることから、無効にするのではなく移転登録させるのが望ましいという判断が背景にあったと思う。共同出願違反の無効理由は、今回は維持するとしても、将来的には検討した方が良いと思う。
  • 生ゴミ処理装置事件のように、特許を無効とすることが、共同出願違反とは関係のない他の共有者にとって酷な場合もあるのではないか。共同出願違反の無効理由を維持するか否かは価値判断の問題であり、議論を深めるべきであるが、一部の持分だけを有していることに基づいて特許全体を無効にして良いことにはならないのではないかと思う。
  • 共同出願違反が無効理由であることによって、特許権の持分を持っている人についても無効となってしまう点で妥当でないと思う。また、特許庁の審査では、特許を受ける権利が誰に帰属するかを判断することが困難であるにもかかわらず、冒認及び共同出願違反が拒絶理由となっていることは妥当でないと思う。これらの点について、今回改正するのは難しいかもしれないが、真の権利者をどう保護するのか、今後もさらに検討が必要であろう。
  • 今般、訂正の部分確定について請求項ごとの考え方をとることにより、どの請求項に特許が与えられるかも含めて、請求項ごとの考えが一層徹底されると思う。そうすると、全体的な制度の流れとしては、冒認された請求項のみについての移転登録請求を認める方向ではないか。
  • 移転請求権行使の期間制限について、制限しないとの結論に反対はしないが、長期間、移転請求権を行使せずに、後になって行使するような真の権利者を保護することは行き過ぎな場合もあるだろう。このような観点も含め、総体として真の権利者をどこまで保護するかは今後もさらに検討する必要があるのではないか。
  • 特許権の存続期間は有限であるから、権利失効の原則が適用されるような不動産等とは違い、問題となるほどの長期間にはならないのではないか。
  • あまりにも行き過ぎなケースであれば、権利濫用などの一般条項が適用される余地があるだろう。
  • 今回の改正は大改正だが、今まで検討したことで法律の条文となるのは、いわば骨格の部分だけである。したがって、制度を運用する上で様々な問題が生じると思われるが、細かいことまで議論をしていたら、この場では議論が尽くせないだろう。起こりうる問題点を指摘しておく必要はあるとは思うが、本委員会では制度の骨格を決めるほかなく、その先のことについては、制度を改正した上で考えていかざるを得ないのではないか。

<職務発明訴訟における証拠収集・秘密保護手続の整備>

職務発明訴訟への証拠収集・秘密保護手続の整備を今回継続検討とするのは、産業界で十分な検討時間がとれなかったため、もう少し検討する必要があるからであるが、制度としては何らかの秘密保護手続はあった方が望ましいと思うので、是非とも今後、検討して欲しい。

(4)ユーザーの利便性向上

<特許料金の見直し>

  • 料金引下げに当たっては、実際にどのような引下げが行われるかについては、政府内の調整があると思うが、ユーザーの利便性の向上の観点から実質的に意味のある引下げとなるようにしていただきたい。
  • 基本的に賛成。料金については、実費を反映させるという考え方を基本とすべきである。一請求項あたり4000円とされているのは実費より安いのではないかと思うので、基本料金を下げる方向は誤りでないとは思うが、審査効率を上げたことが料金のどの部分に反映されるかという点を踏まえていただけると良いと思う。

<特許法条約(PLT)との整合に向けた救済手続の導入>

資料74頁ページ脚注9の、「PLTの枠にとらわれず、我が国における救済制度の適切な在り方について、検討を行うべきである」という文言を入れていただいて感謝する。今回の検討ではDue CareかUnintentionalかという点について、Due Careを採用する点までを議論したという理解でおり、どのような救済をすべきかについてはこの脚注の方針に沿って引き続き検討していただきたい。外国から我が国に出願しようとしているユーザーから見れば、我が国の手続面での要件は非常に厳格であり、我が国にだけ出願しないことになりかねない側面がある。我が国へ出願が集まってくるような政策的な判断をしていただきたい。

<その他>

  • ユーザー利便性向上のための措置には賛成だが、同時に、このような措置をユーザーに広く知ってもらうことが必要である。そのために、今後、十分な広報を行うべき。
  • 我が国のイノベーションに寄与するための大改正であり、評価している。この報告書を元に実際に運用していただき、この段階で我々が詰め切れていない問題については引き続きしっかりフォローしていただきたい。

[更新日 2011年1月7日]