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第8回特許制度小委員会 議事要旨

平成15年5月12日
経済産業省
特許庁

5月9日標記委員会(委員長:後藤 晃東京大学先端経済工学研究センター長・教授)が開催されたところ、概要は以下のとおり。

1.新委員の紹介

異動による新委員(大西委員)について御紹介。

2.職務発明の在り方について

職務発明の在り方について、事務局より資料に基づき(1)使用者と従業者との衡平性の観点、(2)企業の抱えるリスク要因低減の観点、(3)多様なインセンティブの与え方を認めるべきとの観点、(4)研究開発投資の促進、産業競争力強化の観点、から、現状、委員・各界からの意見、考察等を説明したところ、委員からのコメントは以下のとおり。
なお、職務発明に係る外国特許権等の取扱いの観点からの考察は、次回に行うこととした。

(1)使用者と従業者との衡平性の観点

  • 労働協約は組合に参加していない管理職等の発明者には適用されないので、その場合には契約で担保することになるのではないか。
  • 労働協約以外の労使間の交渉を経た取決めは、使用者・従業者間の合意としてとり扱われるのか。
  • 発明者の立場からすると、職務発明規程の策定に関わっていた等の事情があれば、個々の発明への対価について企業を訴えることはない。
  • 合意に委ねる制度に関しては、実質的交渉を経ていない合意の問題や、労働協約等の集団的合意と個別合意との関係の整理も必要になることから、慎重に検討すべき。
  • 合意重視の制度ではコストがかかる。合意の有無を問わず、個別交渉において実質的交渉のプロセスを経て定められた取決めは尊重する制度が望ましい。ただし、合意を厳密に要求しないことから、著しく不合理な取決めに対しては司法が介入することは必要。また、企業内の苦情処理制度の整備も重要。
  • 「相当の対価」の算定方法ではなく、労使交渉のプロセス等の「相当の対価」をきめるプロセスが適切であるかを重視する制度にすべき。

(2)企業の抱えるリスク要因低減の観点

  • ドイツの従業者発明制度下の事情からもわかるように、補償ガイドラインを策定しても、争いが減るわけではない。
  • ピックアップ装置事件最高裁判決により、裁判所が企業規程の合理性を判断することなく、個別発明毎の対価の額を決めることができるという解釈が支持された。そのため企業規程等による定めは尊重されるよう第3項の改正が必要である。しかし、その場合であっても、著しく発明者に不利な定めについては裁判で争えるよう強行規定にする必要がある。
  • 個別発明についてそれぞれ対価を算定することは不可能ではないが、算定手続にかなりの時間を費やさなければならない点を考慮してほしい。

(3)多様なインセンティブの与え方を認めるべきとの観点

  • 発明への対価として給与も考慮すべきではないか。
  • 対価を給与に含ませることは、理論上は可能だが、日本の現行の賃金体系では発明者の給与は抑制されてしまう。一方、発明への期待を含め研究活動への対価を高く設定すると、他部門の従業者との衡平性が保てない。したがって、給与に発明への対価を反映させる制度は、制度設計や運用にコストがかかる。

(4)研究開発投資の促進、産業競争力強化の観点

  • 国際競争力の観点から企業は自ら発明者にインセンティブを付加すべきであり、そうしないと生き残れない。それを前提に、相当の対価の決定を裁判所に委ねず、職務発明の取扱いは企業に任せる制度にしてほしい。
  • 従業者へのインセンティブは早いうちに与えた方がよく、利益の顕在化を待つことに合理性はない。早期の支払いでは、発明者側は将来の期待利益を放棄するというリスクを負うが、これが職務発明制度の基盤ではないか。
  • 職務発明規定の研究開発投資への影響として、異なる職務発明制度下の海外企業との共同研究時に調整が必要となり、投資が矮小化する可能性があることを明記すべき。
  • 判例における対価の算定において、企業のかけたコストを考慮していない点は問題である。判例において何が考慮されていないか精査した上で検討を行うべき。
  • 個別の発明毎に実績補償を判断していては効率的な報酬体系が作れない。個別の発明に対する正確な対価よりも、職務発明規程全体での合理性の方が重要ではないか。

(5)その他

  • 35条の全面削除論については反対。産業界としては、少なくとも第1項、第2項は残してほしい。国の施策として職務発明へのインセンティブを目的として法律を定めるのはよいことである。
  • 35条を廃止して契約の自由にまかせることは、従業者にとって不利である。
  • 現行35条の枠組み内で対応ができるか否かについての整理が必要。
  • 裁判官では企業の実態を十分に考慮できない可能性があるため、企業、従業者の実態に精通している専門委員が必要ではないか。
  • 米国の研究者は給与が高いため対価が低額であるというが、日米の研究者給与を比較したデータはないか。
  • 制度改正したとしても、今後20年近く対価の予測の困難な現行制度が適用される職務発明が存在することは企業にとってリスクが高い。改正法を遡及適用できないか。

3.特許戦略計画(仮称)と今後の検討体制

特許戦略計画(仮称)の検討状況並びに、今後本小委員会で中間取りまとめにおける検討項目など更なる検討課題について戦略WG(新規)、及び実用新案の在り方について実用新案WGの設置することについて、事務局から説明し、了解が得られた。

4.今後のスケジュール

今後は、第9回6月3日(火曜日)、第10回7月8日(火曜日)、第11回8月1日(金曜日)に開催予定。

以上

[更新日 2003年5月14日]

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特許庁総務部企画調査課
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