審決


不服2018-650068

2 boulevard du General Martial Valin F-75015 PARIS(FR)
 請求人
SAFRAN
  
東京都新宿区北新宿二丁目21番1号新宿フロントタワー20階
 代理人弁理士
特許業務法人川口國際特許事務所
  


 
  
 国際商標登録第1344457号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。



 理 由
  
1 本願商標
 本願商標は、「SAFRAN Filtration Systems」の欧文字を横書きしてなり、第9類、第11類、第40類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2016年5月12日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、2016年(平成28年)10月26日に国際商標登録出願されたものである。
 その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における平成30年1月24日付け手続補正書により、指定商品及び指定役務が補正された結果、最終的に、別掲のとおりの商品及び役務となったものである。
 
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第4794400号商標(以下「引用商標」という。)は、「SAFFRON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年2月4日に登録出願、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電子出版物,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,火災報知機,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,自動販売機,金銭登録機,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同年8月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
  
3 当審の判断
(1)本願商標について
 本願商標は、上記1のとおり、「SAFRAN Filtration Systems」の欧文字よりなるところ、その構成中の「Filtration」の欧文字は「ろ過、ろ過作用」を意味する英語であり、「Systems」は、「体系的方法、方式、組織、系統、体系、制度、体制」などの複数形を意味する英語(それぞれ「NEW ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY(第6版)」研究社)であって、これらの語を組み合わせた「Filtration Systems」の語は、「ろ過システム」の意味合いを表すものである。
 そして、「Filtration Systems」の語は、本願の指定商品及び指定役務中、例えば、第9類「magnetic, electric and electronic sensors for equipment for filtering particles, liquids and/or gas; electronic monitoring apparatus.」、第11類「Filtration equipment and apparatus, namely, water filtering installations, air filtering installations and gas purification installations for aeronautics, defense or space industry; air filtering installations and gas purification installations; hydraulic water filtering installations.」、第40類「Filtration of liquids; gas filtration; filtering services, namely, filtration of liquids and gas intended for aeronautics, industry, defense or the space industry; rental of equipment and materials for filtration, namely, rental of water filtering installations, air filtering installations and gas purification installations.」及び第42類「Technical, scientific and industrial research in connection with decontamination and filtration; research and development of new products relating to decontamination and filtration; consultancy relating to filtration and decontamination technology; professional consultancy, engineering and expertise (engineering work) in the field of filtration and decontamination; analysis and evaluation of filtering and decontamination apparatus and equipment.」のろ過に係る商品及び役務(以下、「ろ過関連商品及び役務」という。)との関係においては、本願商標に接する取引者、需要者をして、商品の品質及び役務の質を表示したものと認識させるにとどまり、該文字部分は、商品及び役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
 そうすると、本願商標は、上記のろ過関連商品及び役務との関係では、その構成中「Filtration Systems」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであり、構成中の「SAFRAN」の文字部分が取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く印象付けられるものということができる。
 してみれば、本願商標は、ろ過関連商品及び役務の分野では、その構成中「SAFRAN」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであり、該文字部分が独立して商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
 したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「サフランフィルトレーションシステムズ」の称呼を生じるほか、上記のろ過関連商品及び役務との関係においては、その構成中「SAFRAN」の文字部分に相応して、「サフラン」の称呼をも生じる。
 そして、「SAFRAN」の欧文字は、「(植物)サフラン;サフラン粉(香料・染料);サフラン色(黄色)」を意味するフランス語(「クラウン仏和辞典(第7版)」三省堂)及びドイツ語(「新コンサイス独和時点(初版)」三省堂)ではあるものの、我が国におけるフランス語及びドイツ語の普及の程度に鑑みれば、これに接する者をして、一種の造語として理解されるとみるのが相当であって、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
 引用商標は、「SAFFRON」の文字よりなるところ、該文字は、「(植物)サフラン、サフランの雌蕊の柱頭を乾燥させたもの;薬用・染料・香辛料、サフラン色の」の意味を有する英語(「NEW ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY(第6版)」研究社)ではあるものの、当審において職権をもって調査したところ、該文字が、上記意味合いの語として、一般に広く使用され親しまれている事実を確認できなかったことから、我が国においては、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
 そして、欧文字からなる造語については、これを称呼する場合には、我が国において親しまれたローマ字の読み又は英語における発音に倣って称呼されるとみるのが相当である。
 そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「サッフロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
 本願商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりであり、その構成文字等が明らかに異なるものであるから、両商標は、外観上、判然と区別できるものである。
 次に、称呼においては、本願商標から生じる「サフランフィルトレーションシステムズ」及び「サフラン」の称呼と引用商標から生じる「サッフロン」の称呼は、それぞれの音構成及び構成音数が相違し、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。
 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明確に区別できるものであるから、両商標は、非類似の商標というべきである。
 してみれば、本願商標は、商品及び役務の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。


        令和 1年12月 5日

     審判長  特許庁審判官 山田 正樹
          特許庁審判官 鈴木 雅也
          特許庁審判官 水落 洋

 
  
別掲(本願商標の指定商品及び指定役務)
 第9類 Electrical and electronic control apparatus and instruments; fire extinguishers; solenoid valves; computer software for calculating and operating of simulation, running and storage of test programs; electronic cards for processing parameters; measuring apparatus; magnetic, electric and electronic sensors for equipment for filtering particles, liquids and/or gas; electronic monitoring apparatus.
 第11類 Filtration equipment and apparatus, namely, water filtering installations, air filtering installations and gas purification installations for aeronautics, defense or space industry; air filtering installations and gas purification installations; hydraulic water filtering installations.
 第40類 Filtration of liquids; gas filtration; filtering services, namely, filtration of liquids and gas intended for aeronautics, industry, defense or the space industry; rental of equipment and materials for filtration, namely, rental of water filtering installations, air filtering installations and gas purification installations.
 第42類 Technical, scientific and industrial research in connection with decontamination and filtration; research and development of new products relating to decontamination and filtration; consultancy relating to filtration and decontamination technology; professional consultancy, engineering and expertise (engineering work) in the field of filtration and decontamination; testing of machines and materials; design and development of software and computer programming; analysis and evaluation of filtering and decontamination apparatus and equipment.
 
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)        特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。


〔審決分類〕T18  .261-WY (W09114042)
            262
            263

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 1年12月 5日  審判書記官  蓮池 睦人