審決


不服2018-650070

21 Moat Way Barwell, Leicestershire LE9 8EY(GB)
 請求人
Faulks & Cox Limited
  
東京都千代田区一番町29-1 番町ハウス
 代理人弁理士
特許業務法人 松原・村木国際特許事務所
  


 
  
 国際商標登録第1364493号に係る国際登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。



 理 由
  
第1 本願商標
 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第8類、第18類、第20類及び第21類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2017年(平成29年)4月13日に国際登録出願されたものである。
 その後、指定商品については、原審における平成30年6月22日付け手続補正書により、別掲2のとおりの商品に補正されたものである。
 
第2 現査定の拒絶の理由
 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
 1 登録第4495451号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日:平成11年6月3日
設定登録日:平成13年8月3日
更新登録日:平成23年2月15日
 2 登録第4858969号の1商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
指定商品:商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日:平成16年7月12日(優先日:2004年6月10日)
設定登録日:平成17年4月22日
更新登録日:平成27年4月28日
 3 登録第5489767号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
指定商品:商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日:平成23年6月28日
設定登録日:平成24年4月27日
 4 国際登録第1256829号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
指定商品:商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日:平成27年4月24日(優先日:2015年4月1日)
設定登録日:平成28年6月3日
 以下、引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは、「引用商標」という。
 
第3 当審の判断
 1 本願商標について
 本願商標は、別掲1のとおり、その構成の上段に、赤色で縁取りされた右向きのゴリラ様の図形(以下「ゴリラ様図形」という。)を描き、ゴリラ様図形の下に、赤色で縁取りされた隅丸の板状の図形(以下「板状図形」という。)を配し、その下に、籠文字風に赤色で縁取りした「RED」の欧文字を書してなるところ、ゴリラ様図形及び板状図形(以下これらをまとめて「本願商標図形」という。)と「RED」の欧文字とは、視覚的に分離され、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせない。
 また、本願商標図形は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであり、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
 そして、本願商標の構成中の「RED」の欧文字は、「赤色」を意味する語として、我が国において、広く知られた英語(ランダムハウス英和大辞典第2版[株式会社小学館])であり、商品等の色彩を表示するものとして一般に使用されているところ、本願商標の指定商品は、その色彩が商品の品質や特徴を表すものとして取引される商品であるといえる。
 そうすると、本願商標の構成中の「RED」の欧文字は、需要者や取引者に、本願商標の指定商品が赤色であることを容易に認識させるといえるため、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部とは判断できないものであるから、出所識別標識としての称呼、観念は生じない。
 よって、本願商標は、その構成中の本願商標図形が強く支配的な印象を与えるものであって、当該図形部分が、自他商品の識別標識としての機能を有する要部として認識されるものといえる。
 また、上記のとおり、本願商標図形からは、称呼及び観念は生じないないものである。
 したがって、本願商標は、特定の称呼及び観念を生じないものである。
 2 引用商標について
(1)引用商標1は、別掲3のとおり、黒塗りの六角形内に欧文字「T」と「G」とおぼしきを欧文字をモノグラムの様に白抜きで描いた図形(以下「TG図形」という。)とその右横に「RED」の欧文字、及び「RED」の欧文字の下に線(以下「下線」という。)を配してなるところ、TG図形、「RED」の欧文字及び下線とは、視覚的に分離され、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせない。
 また、TG図形及び下線は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであり、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
 そして、引用商標1の構成中の「RED」の欧文字は、「赤色」を意味する語として、我が国において、広く知られた英語であり、商品等の色彩を表示するものとして一般に使用されているところ、引用商標1の指定商品は、その色彩が商品の品質や特徴を表すものとして取引される商品であるといえる。
 そうすると、引用商標1の構成中の「RED」の欧文字は、需要者や取引者に、引用商標1の指定商品が赤色であることを容易に認識させるといえるため、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部とは判断できないものであるから、出所識別標識としての称呼、観念は生じない。
 さらに、下線は、「RED」の欧文字を強調するために配置されたありふれた線と看取されるものであるから、引用商標1の構成において、下線が、強く支配的な印象を与えるとする格別な事情はないものである。
 よって、引用商標1は、その構成中のTG図形が強く支配的な印象を与えるものであって、当該図形部分が、自他商品の識別標識としての機能を有する要部として認識されるものといえる。
 また、上記のとおり、TG図形からは、称呼及び観念は生じないないものである。
 したがって、引用商標1は、特定の称呼及び観念を生じないものである。
(2)引用商標2は、別掲4のとおり、楕円形で囲ったサイをモチーフとしたとおぼしき図形(以下「サイ図形」という。)とその右横に「red」の欧文字を配してなるところ、サイ図形と「red」の欧文字とは、視覚的に分離され、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせない。
 また、サイ図形は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであるから、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
 そして、引用商標2の構成中、「赤色」を意味する「red」の欧文字は、商品等の色彩を表示するものとして一般に使用されているところ、引用商標2の指定商品は、その色彩が商品の品質や特徴を表すものとして取引される商品であるといえる。
 そうすると、引用商標2の構成中の「red」の欧文字は、需要者や取引者に、引用商標2の指定商品が赤色であることを容易に認識させるといえるため、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部とは判断できないものであるから、出所識別標識としての称呼、観念は生じない。
 よって、引用商標2は、その構成中のサイ図形が強く支配的な印象を与えるものであって、当該図形部分が、自他商品の識別標識としての機能を有する要部として認識されるものといえる。
 また、上記のとおり、サイ図形からは、称呼及び観念は生じないものである。
 したがって、引用商標2は、特定の称呼及び観念を生じないものである。
(3)引用商標3は、別掲5のとおり、風車様の図形(以下「風車図形」という。)の下に「R E D」の欧文字を配してなるところ、風車図形と「R E D」の欧文字とは、視覚的に分離され、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせない。
 また、風車図形は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであるから、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
 そして、「赤色」を意味する「RED」の欧文字は、商品等の色彩を表示するものとして一般に使用されているものであるところ、引用商標3の構成中の「R E D」の欧文字は、英語「RED」を容易に認識するといえ、また、引用商標3の指定商品は、その色彩が商品の品質や特徴を表すものとして取引される商品であるといえる。
 そうすると、引用商標3の構成中の「R E D」の欧文字は、需要者や取引者に、引用商標3の指定商品が赤色であることを容易に認識させるといえるため、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部とは判断できないものであるから、出所識別標識としての称呼、観念は生じない。。
 よって、引用商標3は、その構成中の風車図形が強く支配的な印象を与えるものであって、当該図形部分が、自他商品の識別標識としての機能を有する要部として認識されるものといえる。
 また、上記のとおり、風車図形からは、称呼及び観念は生じないないものである。
 したがって、引用商標3は、特定の称呼及び観念を生じないものである。
(4)引用商標4は、別掲6のとおり、赤色で着色された「RED」の欧文字とその文字の右上に楕円の中に「V」を組み込んだ図形(以下「V図形」という。)を配してなるところ、赤色で着色された「RED」の欧文字とV図形とは、視覚的に分離され、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせない。
 そして、引用商標4の構成中、「赤色」を意味する赤で着色された「RED」の欧文字は、商品等の色彩を表示するものとして一般に使用されているところ、引用商標4の指定商品は、その色彩が商品の品質や特徴を表すもの
として取引される商品であるといえる。
 そうすると、引用商標4の構成中の赤で着色された「RED」の欧文字は、需要者や取引者に、引用商標4の指定商品が赤色であることを容易に認識させるといえるため、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部とは判断できないものであるから、出所識別標識としての称呼、観念は生じない。
 よって、引用商標4は、その構成中のV図形が強く支配的な印象を与えるものであって、当該図形部分が、自他商品の識別標識としての機能を有する要部として認識されるものといえる。
 また、V図形からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
 したがって、引用商標4は、特定の称呼及び観念を生じないものである。
 3 本願商標と引用商標との類否
 以上のとおり、本願商標及び引用商標の構成中の「RED」又は「red」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、該文字部分を各商標の要部として抽出し、他の商標と比較して商標自体の類否を判断することは許されないというべきである。
 そして、本願商標及び引用商標は、これらの構成中の図形部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部として認識されるものであり、本願商標の構成中の図形と引用商標の構成中の図形とを比較すると、これらは、外観において、顕著な差異を有することから、外観上、判然と区別できるものである。
 そうすると、本願商標と引用商標は、称呼及び観念において比較することができないとしても、両商標の外観上の顕著な相違点が、両商標の取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
 4 まとめ
 以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、商品の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
 したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。


        令和 1年12月27日

     審判長  特許庁審判官 山田 正樹
          特許庁審判官 冨澤 美加
          特許庁審判官 豊田 純一

 
  
別掲1(本願商標)(色彩については、国際登録指定通報を参照されたい。)
 
 
別掲2(本願商標の指定商品)
 第8類「Hand tools and hand operated implements, agricultural hand tools, equestrian hand tools, hand tools for building or construction; plastic spoons; tool handles, not of metal.」
 第18類「Bags; carrying bags for building, farming, garden, household, DIY, catering, domestic and kitchen use; bags for gardening tools, sold empty; tool carriers (bags, empty); nose bags; harness for animals; horse blankets; umbrellas; parasols; walking sticks; walking stick seats.」
 第20類「Furniture; wind chimes; coat hangers; pet cushions; pillows; plate racks; pet kennels; fodder racks; winding spools and reels for hoses; nesting boxes; removable mats or covers for sinks; removable fitted plastic mats or covers for containers; step ladders; trays, not of metal; containers included in this class; storage, transport and packaging containers included in this class for sweeping, carrying, pouring, scooping, mixing and storing; containers for transporting and storing plants (other than for household use); carrying containers (non-metallic); portable water carriers (containers) made of plastics; tool storage containers (non-metallic); non-metallic bins [other than the dust bins]; manure baskets, not of metal; beds for pets, including beds for domestic pets and beds for household pets; containers, not of metal, for use in building, farming or DIY; containers made of plastics material for use in building, farming or DIY; reservoirs and collectors for building, farming or DIY use, not of metal or masonry; general purpose storage bins not of metal; storage containers not of metal for building, farming or DIY use.」
 第21類「Containers for household or kitchen use; covers for containers included in this class; containers included in this class for sweeping, carrying, pouring, scooping, mixing and storing, for household or kitchen use; garden planters; household, catering, domestic and kitchen containers; garden planters of plastics materials; household, catering, domestic and kitchen containers made of plastics material; plant pots, plant baskets, holders for plants (for household use); containers for carrying coal for use on domestic fires; containers for flowers (other than of precious metal); containers and collectors for garden, household, catering, domestic and kitchen refuse; scoops and pourers for garden, household, catering, domestic and kitchen use; household and kitchen containers for liquids; household and kitchen containers for mixing purposes; household and kitchen containers for storing, handling, carrying and transporting articles and materials; buckets, bowls and baskets; buckets, tubs, bowls and baskets, all of the aforesaid for garden, household, catering, domestic and kitchen use; litter baskets and waste buckets for garden, household, catering, domestic and kitchen use; feeding troughs for animals and drinking troughs for animals; stirrers for animal feed; brooms, brushes; baby baths; carpet beaters; heat insulated containers for beverages; cups; flasks; fly swatters; gardening gloves; gloves for household purposes; indoor terrariums [plant cultivation]; jugs; lunch boxes; ironing boards; boot jacks; bread bins; bread boards; hand operated cleaning instruments; cleaning cloths; clothes drying racks; clothes pegs; combs; pet litter trays; sieves; dish drainers; sprinklers; toilet brushes and toilet brush holders; watering cans; watering devices; window boxes; waste buckets for building; refuse containers; broom handles; brush handles.」
 
別掲3(引用商標1)
    
別掲4(引用商標2)
 
別掲5(引用商標3)
  
  
別掲6(引用商標4)(色彩は、国際登録指定通報を参照されたい。)
 
 
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〔審決分類〕T18  .261-WY (W08182021)
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            263

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 1年12月27日  審判書記官  蓮池 睦人