審決


不服2017-650022

210-220 Regent Street, London W1B 5AH(GB)
 請求人
Liberty Retail Limited
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
田中 伸一郎
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
中村 稔
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
松尾 和子
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
井滝 裕敬
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
藤倉 大作
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
石戸 孝
  


 
  
 国際登録第1139908号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 本件審判の請求は、成り立たない。



 理 由
  
1 本願商標
 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類、第4類、第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第23類、第24類、第25類、第26類、第27類及び第28類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2011年6月24日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)12月23日に国際商標登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、原審における2013年4月2日付けで国際登録簿に記録された取消の通報、2015年4月9日付け更正の通報及び2016年6月22日付けで国際登録簿に記録された限定の通報並びに当審における2018年5月10日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、最終的に、第3類、第4類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第23類、第24類、第25類、第26類、第27類及び第28類に属する別掲2のとおりの商品となった。
 
2 引用商標
(1)登録第1375011号商標(以下「引用商標1」という。)
 商標の態様 「リバテイ」の文字と「LIBERTY」の文字とを二段に書してなるもの
 指定商品  第3類「化粧品」(書換登録後のもの)
 登録出願日 昭和49年8月16日
 設定登録日 昭和54年3月23日
(2)登録第1881111号商標(以下「引用商標2」という。)
 商標の態様 「LIBERTY」の文字と「リバティー」の文字とを二段に書してなるもの
 指定商品  「機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器」を含む第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(書換登録後のもの)
 登録出願日 昭和58年1月20日
 設定登録日 昭和61年8月28日
(3)登録第2108409号商標(以下「引用商標3」という。)
 商標の態様 「リバテイ」の文字を横書きしてなるもの
 指定商品  「建築用ガラス」を含む第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(書換登録後のもの)
 登録出願日 昭和60年8月12日
 設定登録日 平成元年1月23日
(4)登録第2235757号商標(以下「引用商標4」という。)
 商標の態様 「LIBERTY」の文字を横書きしてなるもの
 指定商品  第16類「文房具類」(書換登録後のもの)
 登録出願日 昭和62年3月31日
 設定登録日 平成2年6月28日
(5)登録第2261954号商標(以下「引用商標5」という。)
 商標の態様 「リバティ」の文字を横書きしてなるもの
 指定商品  第16類「文房具類」(書換登録後のもの)
 登録出願日 昭和62年3月31日
 設定登録日 平成2年9月21日
(6)登録第2352087号商標(以下「引用商標6」という。)
 商標の態様 「リバティ」の文字と「LIBERTY」の文字とを二段に書してなるもの
 指定商品  第8類「はさみ類,つめ切り,かみそり,手動バリカン,つめはさみ,安全かみそり,かみそり刃」(書換登録後のもの)
 登録出願日 昭和63年8月19日
 設定登録日 平成3年11月29日
(7)登録第2407336号商標(以下「引用商標7」という。)
 商標の態様 別掲3のとおり
 指定商品  「機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器」を含む第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(書換登録後のもの)
 登録出願日 平成元年12月19日
 設定登録日 平成4年4月30日
(8)登録第3241616号商標(以下「引用商標8」という。)
 商標の態様 「リバティ」の文字と「LIBERTY」の文字とを二段に書してなるもの
 指定商品  第3類「せっけん類」
 登録出願日 平成6年4月25日
 設定登録日 平成8年12月25日
 (平成28年12月25日 存続期間満了、同29年8月30日 登録抹消)
(9)登録第5199655号商標(以下「引用商標9」という。)
 商標の態様 「LIBERTY」の文字と「リバティー」の文字とを二段に書してなるもの
 指定商品  第16類「文房具類」
 登録出願日 平成20年5月16日
 設定登録日 平成21年1月23日
(10)国際登録第977740号商標(以下「引用商標10」という。)
 商標の態様 「Liberty」の文字を横書きしてなるもの
 指定商品  第7類、第9類、第37類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
 登録出願日 2008年(平成20年)4月1日
 設定登録日 平成22年12月10日
 (2018年(平成30年)4月1日 存続期間満了、平成30年11月1日 登録抹消)
 なお、上記各引用商標に係る商標権のうち、引用商標8及び引用商標10に係るもの以外のものは、いずれも現に有効に存続しているものである。
 
3 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、以下の(1)及び(2)の拒絶の理由をもって、本願を拒絶したものである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
 本願商標は、引用商標1ないし引用商標10との関係において、同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものである。
 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号について
 本願商標は、その構成中に商品の産地又は販売地と一般に認識される「LONDON」の文字を有してなるものであるから、本願の指定商品中、当該文字に相応する地域以外で生産された商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
 
4 当審においてした審尋
 審判長は、請求人に対し、平成30年12月12日付け審尋において、「請求人は、本願商標について、請求人の百貨店を表すものであるから、常に『リバティロンドン』と称呼されるものである旨主張しているが、請求人の提出した証拠によれば、本願商標が請求人の百貨店の名称を表すものとして、本願の指定商品の分野における我が国の需要者の間に知られているというべき証左は見いだせなかった。そこで、本願商標が一体のものとして、本願の指定商品の分野における我が国の需要者に認識されているというべき事情などについて、新たな主張があるのであれば、具体的な証拠を提出して説明されたい。」旨の見解を示し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
 
5 審尋に対する請求人の回答
 請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答をしていない。
 
6 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
 ア 本願商標と引用商標6、8及び10との類否について
 本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標6の指定商品と同一又は類似の商品は全て削除され、引用商標6の指定商品と類似しない商品になった。
 また、引用商標8の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成28年12月25日に存続期間が満了したことにより消滅し、同29年8月30日に商標権の登録の抹消がされている。
 さらに、引用商標10の国際登録に基づく商標権は、その商標権に係る商標登録原簿の記載によれば、2018年(平成30年)4月1日に存続期間が満了したことにより消滅し、平成30年11月1日に商標権の登録の抹消がされている。
 したがって、本願商標が、引用商標6、8及び10と類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。
 イ 本願商標と引用商標1ないし5、7及び9との類否について
 (ア)本願商標
 本願商標は、別掲1のとおり、「LIBERTY」の文字と「LONDON」の文字との間に1文字程度の間隔が設けられており、かつ、両文字は、いずれも平易な英語として知られていることから、両文字を組み合わせてなるものと看取、理解されるものである。
 そして、本願商標の構成中、後半の「LONDON」の文字部分は、イギリス連合王国の首都を指称する語として広く一般に知られているものであり、かつ、ロンドン製の商品であることを表すために各種商品についてしばしば用いられているものであるから、本願商標をその指定商品に使用する場合は、当該「LONDON」の文字は、商品の産地又は販売地を想起させるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものとみるのが相当である。
 他方、本願商標の構成中、前半の「LIBERTY」の文字部分は、「リバティ(ー)」の読み及び「自由」の意味を有する語として我が国において親しまれているものであり、本願の指定商品との関係においては、自他商品の識別標識として機能し得るものである。
 そうすると、本願商標は、その構成中、後半の「LONDON」の文字は自他商品の識別標識として機能しないものであるのに対し、前半の「LIBERTY」の文字は自他商品の識別標識として看者に対し強く支配的な印象を与えるものであるから、当該「LIBERTY」の文字を要部として分離、抽出し、それを他人の商標と比較して商標としての類否を判断することが許されるというべきである。
 してみれば、本願商標は、その全体から「リバティ(ー)ロンドン」の称呼を生じるほか、その構成中の要部である「LIBERTY」の文字に相応して、「リバティ(ー)」の称呼を生じ、「自由」の観念を生じるものである。
 (イ)引用商標
  a 引用商標1、2及び9について
 引用商標1は、前記2(1)のとおり、「リバテイ」の文字及び「LIBERTY」の文字を二段に書してなるものであるところ、その構成中、上段に位置する「リバテイ」の文字は、下段に位置する「LIBERTY」の文字の読みを片仮名表記したものといえ、また、引用商標2及び9は、前記2(2)及び(9)のとおり、「LIBERTY」の文字及び「リバティー」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中、下段に位置する「リバティー」の文字は、上段に位置する「LIBERTY」の文字の読みを片仮名表記したものといえる。
 そうすると、上記各引用商標は、「リバテイ」又は「リバティー」の称呼を生じ、上記(ア)において述べた本願商標の構成中の「LIBERTY」の文字についてと同様に、「自由」の観念を生じるものである。
  b 引用商標4及び7について
 引用商標4は、前記2(4)のとおり、「LIBERTY」の文字を横書きしてなるものであり、また、引用商標7は、別掲3のとおり、その構成中の「L」の文字と「B」の文字との間に位置するものが「I」の文字をデザイン化して表したものと容易に看取、理解されるといえるから、「LIBERTY」の文字を横書きしてなるものといえる。
 そうすると、上記各引用商標は、上記(ア)において述べた本願商標の構成中の「LIBERTY」の文字についてと同様に、「リバティ(ー)」の称呼を生じ、「自由」の観念を生じるものである。
  c 引用商標3及び5について
 引用商標3は、前記2(3)のとおり、「リバテイ」の文字を横書きしてなり、また、引用商標5は、前記2(5)のとおり、「リバティ」の文字を横書きしてなるものであるところ、これらは、それぞれの文字構成及び「LIBERTY」の文字が我が国において親しまれていることを併せ考慮すると、当該「LIBERTY」の語の読みを片仮名表記したものと看取、理解されるといえる。
 そうすると、上記各引用商標は、「リバテイ」又は「リバティ」の称呼を生じ、上記(ア)において述べた本願商標の構成中の「LIBERTY」の文字についてと同様に、「自由」の観念を生じるものである。
 (ウ)本願商標と引用商標1ないし5、7及び9との比較
 本願商標は、上記(ア)のとおり、その構成中の「LIBERTY」の文字が要部たり得るものであって、当該文字に相応する「リバティ(ー)」の称呼を生じ、「自由」の観念を生じるものであるところ、以下において、引用商標1ないし5、7及び9と比較する。
  a 引用商標1、2及び9について
 引用商標1は、上記(イ)aのとおり、「リバテイ」の文字と「LIBERTY」の文字とを二段に書してなるものであって、「自由」の観念を生じるものであるから、本願商標の要部たる「LIBERTY」の文字との比較においては、「LIBERTY」の文字を同じくする点で、外観上、近似し、かつ、「自由」の観念を同じくするものである。
 また、引用商標1の上段に位置する「リバテイ」の文字は、その構成及び配置から下段の「LIBERTY」の文字の読みを表したものとして看取、理解されるといえるところ、当該「LIBERTY」の文字が、現代においては、上記(ア)において述べたとおり、「リバティ(ー)」の読み及び「自由」の意味を有する語として慣れ親しまれているものであることを鑑みれば、引用商標1の構成中の「リバテイ」の文字についても、片仮名表記上において「テイ」と「ティ(ー)」の差異が存するものの、実質的に同音又は極めて近似した音の称呼を生じるものとして認識されるとみるのが相当である。
 さらに、引用商標2及び9は、上記(イ)aのとおり、「LIBERTY」の文字と「リバティー」の文字とを二段に書してなるものであって、「リバティー」の称呼及び「自由」の観念を生じるものであるから、本願商標の要部たる「LIBERTY」の文字との比較においては、「LIBERTY」の文字を同じくする点で、外観上、近似し、かつ、「リバティー」の称呼及び「自由」の観念を同じくするものである。
 そうすると、引用商標1、2及び9は、本願商標の要部たる「LIBERTY」の文字との比較においては、外観上、近似した印象を与えるものであり、かつ、観念上、同一の観念を生じるものである上、称呼上も、同一又は実質的に同音若しくは極めて近似した音として認識されるものであるから、これらを総合勘案すれば、引用商標1、2及び9は、本願商標と互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
  b 引用商標4及び7について
 引用商標4及び7は、上記(イ)bのとおり、「LIBERTY」の文字を横書きしてなり、「リバティ(ー)」の称呼及び「自由」の観念を生じるものである。
 そうすると、引用商標4及び7は、本願商標の要部たる「LIBERTY」の文字との比較においては、外観上、「LIBERTY」の文字を同じくするものであり、「リバティ(ー)」の称呼及び「自由」の観念をも同じくするものであるから、これらを総合勘案すれば、引用商標4及び7は、本願商標と互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
  c 引用商標3及び5について
 引用商標3及び5は、上記(イ)cのとおり、「リバテイ」の文字及び「リバティ」の文字を横書きしてなるものであって、我が国において慣れ親しまれている「LIBERTY」の語の読みを片仮名表記したものと看取、理解されるといえることから、当該「LIBERTY」の語に相応する「自由」の観念を生じるものである。
 また、「リバテイ」の文字からなる引用商標3は、現代における「LIBERTY」の文字の読みの片仮名表記である「リバティ(ー)」と比較すると、「テイ」と「ティ(ー)」の文字の差異が存するものの、上記のとおり、引用商標3が我が国において慣れ親しまれている「LIBERTY」の語の読みを片仮名表記したものと看取、理解されるといえることを鑑みれば、上記引用商標1における場合と同様に、実質的に同音又は極めて近似した音の称呼を生じるものとして認識されるとみるのが相当であるし、「リバティ」の文字からなる引用商標5は、「リバティ」の称呼を生じるところ、その称呼は、本願商標の要部たる「LIBERTY」の文字から生じる「リバティ(ー)」の称呼と実質的に同一といえる。
 さらに、引用商標3及び5は、上記のとおり、「リバテイ」の文字及び「リバティ」の文字を横書きしてなるものであって、「LIBERTY」の文字からなる本願商標の要部とは文字の種類において相違するものの、両者は、いずれも視覚的に特徴あるものとして看取されるとはいい難い一般的な書体により表されているものであるから、その相違点が、外観上、看者に強い印象を与えることはないとみるのが相当である。
 そうすると、引用商標3及び5は、本願商標の要部たる「LIBERTY」の文字との比較においては、外観上、相違するものの、それが看者に強く印象付けられるとはいえない上、観念上、同一の観念を生じるものであり、かつ、称呼上も、同一又は実質的に同音若しくは極めて近似した音として認識されるものであるから、これらを総合勘案すれば、引用商標3及び5は、本願商標と互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
 (エ)本願の指定商品と引用商標1ないし5、7及び9の指定商品との類否
  a 本願の指定商品中、第3類「perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; deodorants for personal use; disposable wipes impregnated with cleaning preparations or cosmetic preparations for industrial, commercial and personal use; facial packs; non-medicated toilet preparations; bath salts; body lotion; perfumed body lotion; hair, nail and beauty preparations; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.」は、引用商標1の指定商品である第3類「化粧品」と同一又は類似の商品である。
  b 本願の指定商品中、第16類「typewriters and office requisites (except furniture); parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.」は、引用商標2及び7の指定商品中の第7類「機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器」と同一又は類似の商品である。
  c 本願の指定商品中、第16類「Paper stationery; bookbinding material; stationery; artists' materials; instructional and teaching material (except apparatus); wrapping paper; writing materials and instruments; blotting pads; ink wells; letter racks; clipboards; writing cases; pen and pencil cases; envelopes; writing paper; post cards; greetings cards; Christmas cards; note cards; notebooks; desk pads; address books; photograph albums; appointment books; exercise books; sketch books; paperweights; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.」は、引用商標4、5及び9の指定商品である第16類「文房具類」と同一又は類似の商品である。
  d 本願の指定商品中、第21類「unworked or semi-worked glass (except glass used in building); parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.」は、引用商標3の指定商品中の第19類「建築用ガラス」と類似する商品である。
 (オ)小括
 以上によれば、本願商標が、引用商標6、8及び10と類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。
 しかしながら、本願商標は、引用商標1ないし5、7及び9と類似する商標であり、かつ、その指定商品も当該各引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
 したがって、本願商標は、引用商標1ないし5、7及び9との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号について
 本願商標は、上記(1)イ(ア)のとおり、その構成中の「LONDON」の文字が、商品の産地又は販売地を想起させるものであるところ、本願の指定商品中には、例えば、当該文字に相応する「ロンドン製の商品」以外の商品が含まれている。
 そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「ロンドン製の商品」以外の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、当該商品があたかも「ロンドン製の商品」であるかのように商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
 請求人は、本願商標について、全ての文字を同一の書体及び大きさで「LIBERTY LONDON」と一体不可分に横書きした構成からなり、外観上、「LIBERTY」の文字と「LONDON」の文字とに分離して認識されなければならない理由はなく、また、その構成全体から生じる「リバティロンドン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである上、請求人は、イギリスのロンドンにある百貨店として、我が国においてよく知られており、本願商標が請求人の百貨店を表すものであるから、本願商標が称呼される場合には、常に「リバティロンドン」と称呼され、「リバティ」とのみ称呼されることはないし、本願商標が英国製又は英国産の商品以外の商品に使用された場合であっても、需要者がその商品の品質について誤認を生ずるという事態は到底考えられない旨主張し、原審ないし当審を通じて、その主張を裏付ける証拠等として、参考資料2ないし参考資料39並びに甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
 そこで、請求人の提出に係る証拠等をみるに、2018年5月7日出力に係る「三越伊勢丹 LIBERTY LONDON(リバティロンドン)通販 ブランド説明」(甲2)には、「プレミアム・ライフスタイル・ブランド『リバティ ロンドン』が日本デビュー。」の見出しの下、「2013年にスタートした『リバティ ロンドン』は、リバティ百貨店と膨大な織物の歴史に基づいて作られたプレミアム・ライフスタイル・ブランドです。・・・バッグや小物、スカーフ、ホームテキスタイルが揃います。英国リバティ百貨店は、技術革新とデザイン開発を続ける偉大な百貨店のひとつです。」「『リバティ ロンドン』は・・・伝統に捕らわれることなく時代を先取りする現代的なファッションブランドとして、これからも新しいデザインを発表し続けます。」等の記載があり、甲第1号証によれば、トートバッグやスカーフに「LIBERTY LONDON(Liberty London)」の文字が使用されていることがうかがえる。
 しかしながら、請求人の百貨店については、例えば、「ロンドンの老舗百貨店『リバティ』」(参考資料2:1999年(平成11年)9月20日付け「繊研新聞」)、「リバティー百貨店」(参考資料3:「ドキュメント リバティー百貨店」(昭和53年10月1日、株式会社PARCO出版局発行)、参考資料6:「Hanako」(1989年9月21日、マガジンハウス発行))、「リバティ百貨店 リバティ(Liberty)は、イギリスのロンドン中心部、グレート・マルボロ・ストリートにある老舗百貨店である。」(参考資料8:フリー百科事典「ウィキペディア」を用いて2009年7月10日に「リバティ百貨店」を検索した結果)、「イギリスのデパート、リバティ」(参考資料14:1995年(平成7年)10月7日付け「日経流通新聞」)、「ロンドンに設立した百貨店『リバティ』」(参考資料35:「芸術新潮」(1999年6月1日、株式会社新潮社発行))と記載されている一方、その百貨店の名称を表す際に、本願商標又はそれと同一視し得る標章が使用されている事実は見いだせない。
 そうすると、本願商標は、我が国において、2013年頃に請求人の百貨店に係るファッションブランドとしてトートバッグやスカーフに使用されたとはいえるものの、そのことが需要者において広く知られているとはいえず、まして、本願商標が、請求人の百貨店の名称を表すものとして、我が国の需要者において広く知られているとは到底いえない。
 してみれば、本願商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させることはないというべきであるし、また、その構成態様及びその指定商品に係る取引の実情を鑑みたときに、その構成中の「LONDON」の文字が、商品の産地又は販売地を想起させるものといえ、それ故に、その構成中の「LIBERTY」の文字が、看者に対し、強く支配的な印象を与える要部たり得るものとなり、あるいは、本願の指定商品中の「ロンドン製の商品」以外の商品に使用するときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあること、上記(1)及び(2)のとおりである。
 したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
(4)まとめ
 以上によれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当し、登録することができない。
 よって、結論のとおり審決する。


        令和 1年 8月23日

     審判長  特許庁審判官 田中 敬規
          特許庁審判官 中束 としえ
          特許庁審判官 石塚 利恵

 
  
別掲1
本願商標
 
別掲2
本願の指定商品
第3類 Bleaching preparations and other substances for laundry use; cleaning, polishing, scouring and abrasive preparations; soaps; perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; dentifrices; deodorants for personal use; perfumed sachets; stain removers; cleansing pads impregnated with a detergent for cleaning; disposable wipes impregnated with cleaning preparations or cosmetic preparations for industrial, commercial and personal use; facial packs; non-medicated toilet preparations; fragrance sachets filled with lavender; shower gel; bath salts; body lotion; perfumed body lotion; shampoo; hair shampoo; perfumed hair shampoo; hair, nail and beauty preparations; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第4類 Industrial oils and greases; lubricants; dust absorbing, wetting and binding compositions; fuels (including motor spirit) and illuminants; candles and wicks for lighting; scented candles; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第9類 Apparatus and instruments for conducting, switching, transforming, accumulating, regulating or controlling electricity; automatic vending machines and mechanisms for coin-operated apparatus; data processing equipment and computers; telecommunications apparatus; mobile phones; telephones; mouse mats; mobile phone accessories; cases for mobile phones; contact lenses, spectacles; sunglasses; cases for spectacles; cases for sunglasses; fitted cases for sunglasses and spectacles; tape measures; cases and protective sleeves for laptop and tablet computer; laptop and tablet computer stands; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第14類 Jewellery, precious stones; jewellery cases; horological and chronometric instruments; clocks; watches; fashion watches; watches with a fabric strap; watches with a leather strap; costume jewellery; pewter jewellery; key holders; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第16類 Paper stationery; printed matter; bookbinding material; stationery; adhesives for stationery or household purposes; artists' materials; typewriters and office requisites (except furniture); instructional and teaching material (except apparatus); plastic materials for packaging (not included in other classes); printed publications; posters; wrapping paper; writing materials and instruments; blotters; blotting pads; ink wells; letter racks; clipboards; lining paper for drawers; writing cases; pen and pencil cases; paper table napkins; paper place mats; cheque book holders; passport holders; envelopes; writing paper; post cards; greetings cards; Christmas cards; note cards; calendars; notebooks; desk pads; telephone indexes; books; address books; photograph albums; appointment books; recipe books; diaries; exercise books; sketch books; paperweights; paper tissues; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第18類 Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; animal skins, hides; trunks and travelling bags; umbrellas, parasols and walking sticks; whips, harness and saddlery; handbags, rucksacks, purses; clothing for animals; wallets for credit cards, cheque books, passports, note pads, diaries and for keys; wallets; toilet bags; cosmetic bags; diary wallets of leather; bags and cases; holdalls; wash bags; sponge bags; all parts and fittings and accessories relating to of the aforesaid.
第20類 Furniture, mirrors, picture frames; metallic and non-metallic furniture; garden furniture; pillows and cushions; sculptures of wood, cork, reed, cane, wicker; horn, bone, ivory, whalebone, shell, amber, mother-of-pearl, meerschaum and substitutes for all these materials, or of plastics; bolsters; soft furnishings in this class (terms too vague in the opinion of the International Bureau - Rule 13(2)(b) of the Common Regulations); frames (other than stands) for photographs; waste paper bins (non metallic); all parts, fittings and accessories relating to of the aforesaid.
第21類 Household or kitchen utensils and containers; combs and sponges; brushes (except paint brushes); brush-making materials; articles for cleaning purposes; steelwool; unworked or semi-worked glass (except glass used in building); glassware, porcelain and earthenware not included in other classes; toothbrushes; bathroom accessories, namely bathroom stools, bathroom pails, soap holders, soap dispensers and sponges for bathroom; fitted toilet cases; pewter goblets; pewter tankards; cups; cups of china, earthenware and ceramics; chinaware; decorative chinaware; plates and bowls of china, earthenware and ceramics; teapots; chopping boards for domestic and kitchen use; salt and pepper shakers; pepper and salt pots; glass, porcelain and earthenware sculptures; tea cosies; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第23類 Yarns and threads, for textile use; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第24類 Fabrics; household linen, sheets [textile], table napkins of textile, table linen [textile], tapestry [wall hangings] of textile; bed and table covers; textile piece goods; silk fabrics; towels; textiles for making articles of clothing; duvets; quilts; blankets; pillow cases; sheets; duvet covers; quilt covers and bed covers; household soft furnishings, namely bed linen, blankets, throws, covers for cushions and curtains; wall hangings and textiles; curtains of textiles or plastics; cushion covers; furniture covers; travellers' rugs; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第25類 Clothing, footwear, headgear; clothing for men, women and children; children's clothing; babywear; shirts; print shirts; floral print shirts; lingerie and underwear; nightwear; ties and scarves; silk scarves; shaped parts included in this class for making into articles of clothing; tops; tank tops; t-shirts; dresses; evening dresses; summer dresses; cocktail dresses; belts; trousers; shorts; swimwear; knitwear; jumpers; cardigans; coats and jackets; hats; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第26類 Lace and embroidery, ribbons and braid; buttons, hooks and eyes, pins and needles; artificial flowers; haberdashery, except thread; badges for wear (other than precious metal badges); pin cushions; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第27類 Carpets, rugs, mats and matting, linoleum and other materials for covering existing floors; wall hangings (non-textile); wallpaper; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
第28類 Games and playthings; gymnastic and sporting articles not included in other classes; decorations for Christmas trees; soft toys; board games; dolls; parts, fittings and accessories relating to all of the aforesaid.
 
別掲3
引用商標7
 
 
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)                この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。                 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)        特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
  
審判長 田中 敬規          
 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。


〔審決分類〕T18  .261-Z  (W030409141618
                    202123242526
                    2728)
            262
            263
            272

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 1年 8月23日  審判書記官  蓮池 睦人