異議の決定


異議2019-685002
12 Marina View #23-01 Asia Square Tower 2 Singapore 018961(SG)
 商標権者  
Xiaomi Singapore Pte. Ltd.
大阪府大阪市中央区道修町一丁目7番1号 北浜TNKビル
 代理人弁理士
特許業務法人三枝国際特許事務所
  
アメリカ合衆国 95014 カリフォルニア州 クパチーノ アップル パーク ウェイ ワン
 商標登録異議申立人  
アップル インコーポレイテッド
東京都新宿区新宿一丁目5番1号
 代理人弁理士
特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所
  


 国際登録第1223839号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。



 結 論
  
 国際登録第1223839号商標の商標登録を取り消す。



 理 由
  
1 本件商標
 本件国際登録第1223839号商標(以下「本件商標」という。)は,「MI PAD」の欧文字を書してなり,2017年(平成29年)8月22日に,国際商標登録出願(事後指定),第9類及び第38類に属する別掲に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし,平成30年10月17日に登録査定,同年12月7日に設定登録されたものである。
 
2 引用商標及び引用標章
 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標及び標章は,以下のとおりであり,各登録商標は,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5359994号商標(以下「引用商標1」という。)
 商標の構成:iPad(標準文字)
 登録出願日:平成22年1月15日(優先権主張:トリニダード・トバゴ共和国 2009年(平成21年)7月16日)
 設定登録日:平成22年10月8日
 指定商品及び指定役務:第16類及び第38類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
(2)登録第5371377号商標(以下「引用商標2」という。)
 商標の構成:iPad(標準文字)
 登録出願日:平成22年8月2日
 設定登録日:平成22年11月26日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載の役務
(3)登録第5406167号商標(以下「引用商標3」という。)
 商標の構成:iPad(標準文字)
 登録出願日:平成21年7月31日(優先権主張:トリニダード・トバゴ共和国 2009年(平成21年)7月16日)
 設定登録日:平成23年4月15日
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
(4)登録第5412752号商標(以下「引用商標4」という。)
 商標の構成:アイパッド(標準文字)
 登録出願日:平成22年8月17日
 設定登録日:平成23年5月20日
 指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
(5)国際登録第1039213号商標(以下「引用商標5」という。)
 商標の構成:IPAD
 国際登録出願(事後指定)日:2017年(平成29年)6月2日
 設定登録日:平成30年7月27日
 指定商品:第9類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
(以下,引用商標1ないし引用商標5をまとめて「引用商標」ということがある。)
(6)引用標章
 「iPad」の欧文字からなり,申立人が商品「タブレット型コンピュータ」について使用するものである(以下,申立人の業務に係る引用標章を使用したタブレット型コンピュータを「使用商品」ということがある。)。
 
3 登録異議申立ての理由
 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人について
 申立人は,パーソナルコンピュータ,スマートフォン,デジタルオーディオプレーヤー,タブレット型コンピュータ,腕時計型コンピュータ,イヤホン等を製造販売し,音楽・映像配信サービス,写真やビデオ等を保存するサービス等を提供する米国の法人である。
 申立人はフォーブス社が毎年発表する「世界の最も価値あるブランドランキング」(2018年(平成30年)5月24日記事)において首位を獲得しており,グーグルやマイクロソフトなどを押さえて2011年(平成23年)から8年連続で首位の座を維持している(甲2,甲3)。
(2)引用標章の著名性について
 引用標章は,申立人が製造販売するタブレット型コンピュータの商標であり,我が国を含む全世界において著名な商標であることは顕著な事実であり,証明することを要しないと考えるが,念のために以下のとおり示す。
 なお,申立人のタブレット型コンピュータは使用商品のみである。
 ア 2010年(平成22年)
 使用商品は,2010年(平成22年)に発売が開始された。
 米国では,4月3日に使用商品の発売が開始され,発売から28日で100万台の販売を達成した(甲7)。
 使用商品(附属品を含む。)の同年の全世界での販売台数は746万台(4958百万ドル(約5.5千億円))となっている(甲11)。
 我が国においては,5月28日に使用商品の販売が開始されたところ(甲8),同年の第3四半期のタブレット出荷台数480万台のうち,87.4%のシェアを使用商品が占めた(甲9)。
 また,我が国においては,使用商品の販売のために地上波テレビでコマーシャルを放送した(甲12)。
 イ 2011年(平成23年)
 2011年(平成23年)においても使用商品のシェアが最も大きいことは変わっていない(甲13)。
 申立人は,使用商品の第2世代である「iPad2」を3月2日に発表し,我が国では,4月28日に発売開始した(甲14)。かかる発売開始のニュースは,一般紙においても紹介された(甲15,甲16)。
 使用商品(附属品を含む。)の同年における全世界での販売台数は3239万台(20358百万ドル(約2.5兆円))となっている(甲11)。
 我が国において,使用商品は,出荷台数のシェアで首位を獲得した(甲17)。
 また,我が国においては,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲18)。
 ウ 2012年(平成24年)
 2012年(平成24年)においても,使用商品の人気は変わらない(甲19)。
 申立人は,10月に「iPad mini」を発表した。また,使用商品の第3世代を3月に,第4世代を10月に発表したが,これらの商品は「新しいiPad」として紹介され販売された(甲21,甲22)。
 使用商品(附属品を含む。)の同年における全世界での販売台数は,5831万台(32424百万ドル(約4兆円))となっている(甲11)。
 我が国における同年度の使用商品の出荷台数は298万台(シェア52.5%)であり,3年連続で首位であると紹介されている(甲20,甲23)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたりコマーシャルを放送した(甲24)。
 エ 2013年(平成25年)
 申立人は,新しい使用商品として,「iPad Air」及び「iPad mini2」を発表した(甲25,甲26)。
 使用商品の同年における全世界での販売台数は,7103万台(31980百万ドル(約3.8兆円))となっている(甲28)。
 我が国における同年度における使用商品の出荷台数は,327万台(シェア43.8%)で,4年連続で1位である(甲27,甲29)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲30)。
 オ 2014年(平成26年)
 申立人は,後継機種として「iPad Air2」及び「iPad mini3」を発表した(甲31,甲32)。
 使用商品の同年における全世界での販売台数は6798万台(30283百万ドル(約3.6兆円))となっている(甲28)。
 我が国における同年度の使用商品の出荷台数は408万台(シェア43.9%)で,5年連続で1位である(甲33)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲34)。
 カ 2015年(平成27年)
 申立人は,使用商品の大画面モデルとして,「iPad Pro」及び「iPad mini4」の発表・販売を開始した(甲35,甲36)。
 使用商品の同年における全世界での販売台数は5486万台(23227百万ドル(約2.8兆円))となっている(甲37)。
 我が国における同年度の使用商品の出荷台数は361万台(シェア40.0%)で,6年連続で1位である(甲38)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲39)。
 キ 2016年(平成28年)
 申立人は,「iPad Pro」の9.7インチモデルを発表した(甲35)。
 使用商品の同年における全世界での販売台数は4559万台(20628百万ドル(約2.4兆円))となっている(甲37)。
 我が国における,同年度の使用商品の出荷台数は335.6万台(シェア39.9%)で,7年連続で1位である(甲40)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲41)。
 ク 2017年(平成29年)
 申立人は,使用商品の第5世代を3月に発表した(甲42)。また,6月には「iPad Pro」の第2世代を発表した(甲35)。
 使用商品の同年における全世界での販売台数は,4375万台(19222百万ドル(約2.3兆円))となっている(甲43)。
 我が国における,同年度の使用商品の出荷台数は,365.4万台(シェア42.0%)で,8年連続で1位である(甲44)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲45)。
 ケ 2018年(平成30年)
 申立人は,3月に使用商品の第6世代を発表し(甲46),10月には「iPad Pro」の第3世代を発表した。
 使用商品の同年における全世界での販売台数は,4354万台(18805百万ドル(約2.2兆円))となっている(甲43)。
 我が国における,同年1月から12月の使用商品の出荷台数は,351.9万台(シェア43.2%)で,9年連続で1位である(甲47)。
 また,我が国において,上記商品の販売にあたり,コマーシャルを放送した(甲48)。
 コ 上記アないしケのとおり,申立人は,使用商品について,毎年新しい機種及びその姉妹商品を発表しており,そのマーケットシェアも首位を維持し続けていることから,引用標章は,申立人のタブレット型コンピュータを示す標章として極めて広く認識されているものであることが把握できる。
 そして,かかる事実は特許庁も審査において採用しているところである(甲49)。
 以上から,申立人による使用商品の国内外における著名性は十二分に理解できる。
(3)商標法第4条第1項第11号について
 本件商標は,欧文字を一般的な書体で表した「MI PAD」の文字から構成されており,語頭の「MI」の文字は,記号符号として一般的に用いられる欧文字2文字からなるもので,意味を成すものではなく,また,欧文字からなる記号符号は一般的に各欧文字を発音するものであり,たまたま子音と母音で構成されているとしても,一つの音と把握されず,それぞれを発音するのが取引実情であるから,当該部分は各欧文字の音をそのまま発音し,「エムアイ」と称呼されるものである。
 よって,本件商標からは「エムアイパッド」の称呼が生じる。
 引用商標から生じる称呼は,いずれも「アイパッド」である。
 そこで,本件商標から生じる「エムアイパッド」の称呼と引用商標から生じる「アイパッド」の称呼を対比すると,語頭に「エム」の音の有無のみである。
 「エム」の音から需要者は「M」の欧文字のみを想起させるものであるため,当該音は,単なる符号的認識しか持たず,その後に続く「アイパッド」の音から申立人の著名な引用標章を直ちに想起させるものであるため,「エム」の音の有無は称呼上大きな差異になり得ない。
 よって,本件商標と引用商標は称呼において相紛らわしく,外観及び観念においては顕著な差異は存在していないため,称呼の紛らわしさにおいて両商標は称呼上相紛らわしい類似の商標である。
 また,本件商標の指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものを含んでいることは,類似群から明らかである。
 よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号について
 本件商標が引用標章を完全に含んでいることは明らかである。そして称呼においても引用標章の称呼である「アイパッド」の音を含んでいる。
 引用標章を構成する「iPad」の文字は既成語ではなく,また,本件商標の指定商品が使用商品と同一又は類似するものを含んでいるため,混同のおそれがあることは明白である。
 事実,インターネットでは,本件商標に係る実際の商品は申立人に係る製品のコピーであるというような記事が散見される(甲51~甲54)。
 以上のとおり,本件商標権者は引用標章の顧客吸引力にただ乗りし,申立人又はその関連企業の業務に係る商品又は役務との混同を意図していることは明らかであり,本件商標はその引用標章に寄せて採用された名称であることは疑いようのない事実である。
 すなわち,本件商標は引用標章のもつ強力な顧客吸引力・名声・人気へのただ乗りによって不正の利益を得る目的を有するか,引用標章の有する強い識別力・表示力・顧客吸引力を希釈化することによって申立人に損害を加える目的を有するか,いずれかの「不正の目的をもって使用するもの」である。
 なお,引用標章は,小文字と大文字の組み合わせであり,本件商標は大文字で記述されているが,大文字か小文字かの相違は外観上顕著な差異を与えるものではない。
 以上から,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号について
 本件商標は,引用標章をその構成の一部に有し,類似の商標であることは上記のとおりである。
 本件商標の使用態様は,「Mi Pad」であり(甲51~54),本件商標の登録は,申立人が多大なる営業努力と宣伝広告で築き上げた信用にただ乗りし,希釈化を図る行為であり,損害を加える目的は明白である。よって,本件商標は不正の目的をもって使用されるもので,商標法第4条第1項第19号に該当する。
 
4 取消理由の通知
 当審において,本件商標権者に対し,「本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反するものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を令和元年11月1日付けで通知した。
 
5 取消理由に対する商標権者の意見
 商標権者は,上記4の取消理由の通知に対して,指定した期間内に何ら意見を述べていない。
 
6 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
 ア 引用標章の周知,著名性について
 (ア)申立人は,米国カリフォルニア州に本社を置く法人であり,パーソナルコンピュータ,スマートフォン,タブレット型コンピュータ等を製造販売し,また音楽,映像配信サービス等を行っている。
 なお,申立人が,製造,販売するタブレット型コンピュータは使用商品のみである。
 (イ)申立人は,2010年(平成22年)4月に米国において使用商品の販売を開始し,我が国においては,同年5月に,使用商品の販売を開始した(甲5,甲8)。
 (ウ)使用商品の我が国のタブレット型コンピュータの市場シェアは,2012年(平成24年)には52.5%,2013年(平成25年)は43.8%,2014年(平成26年)は,43.9%,2015年(平成27年)は,40.0%,2016年(平成28年)は,39.9%,2017年(平成29年)は,42.0%,2018年(平成30年)は,43.2%であって,しかも,2010年(平成22年)より9年連続1位である(甲23,甲29,甲33,甲38,甲40,甲44,甲47)。
 (エ)申立人は,我が国において,2010年(平成22年)より2018年(平成30年)まで毎年,使用商品に係るテレビコマーシャルを行った(甲12,甲18,甲24,甲30,甲34,甲39,甲41,甲45,甲48)。
 (オ)以上のことからすると,引用標章は,本件商標の出願(事後指定)の日前から,登録査定日はもとより現在においても継続して,使用商品の出所を表示するものとして,我が国における取引者,需要者の間に広く認識されているものと認められる。
 イ 引用標章の独創性の程度
 引用標章は,「iPad」の欧文字よりなるところ,構成中の「Pad」の文字は,詰め物,スタンプ台,はぎ取り式ノート等の意味を有する親しまれた英単語である。
 しかしながら,当該「Pad」の文字は商品「タブレット型コンピュータ」等の普通名称又は品質等を表すものではなく,また,引用標章は,これに欧文字1文字の「i」を組み合わせたものであって,引用標章全体としては造語といえるものであるから,引用標章の独創性の程度は高いものといえる。
 ウ 本件商標と引用標章との類似性の程度
 本件商標は上記1のとおり「MI PAD」の欧文字を書してなるものであり,引用標章は上記2のとおり「iPad」の欧文字を書してなるところ,本件商標と引用標章とは,全体が大文字のみであるか,小文字混じりか及び空白の有無の差異はあるものの,引用標章と同じつづりである「I PAD」の文字を含むものである。しかも,両者は,いずれも普通に用いられる方法で表されていることから,両者における大文字又は小文字及び空白の有無の差異が,外観上の顕著な差異として印象に残るものとはいえない。
 そして,本件商標から生ずると認められる「エムアイパッド」の称呼と引用標章から生ずる「アイパッド」の称呼を比較しても,本件商標の称呼は引用標章の称呼と同じ「アイパッド」の音を含むものである。
 以上からすると,本件商標と引用標章との類似性の程度は高いものといえる。
 エ 本件商標の指定商品及び指定役務と使用商品の関連性の程度及び需要者の共通性等
 本件商標の指定商品は,別掲のとおり「tablet computers(参考訳:タブレット型コンピュータ)」を含むコンピュータ関連の商品であって,また,「downloadable music files; downloadable image files(参考訳:インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル)」等は,商品「タブレット型コンピュータ」の購入後にインターネットに接続し,視聴又はダウンロードされる商品であるから,使用商品と関連性の高い商品である。
 また,本件商標の指定役務は,別掲のとおり「Telecommunication access services(参考訳:電気通信における接続の提供)」等,電気通信関連の役務であるところ,使用商品を含むコンピュータは,電話回線及び無線LAN等の電気通信における接続サービスを利用して,インターネット等に接続され,上記商品である「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」等を購入したり,インターネット上の役務の提供を受けるために一般に使用されている状況にあることからすると,使用商品と本件商標の指定役務との関連性は高いものである。
 以上よりすると,本件商標の指定商品及び指定役務と使用商品との関連性の程度は高いものであって,その需要者も一般需要者であって共通する。
 オ 出所の混同を生ずるおそれについて
 以上によれは,引用標章は,使用商品に使用され,本件商標の登録出願時及び登録査定時には我が国において,広く認識されているに至っていること,引用標章の独創性の程度は高く,本件商標と引用標章との類似性の程度も高いこと,使用商品と本件商標の指定商品及び指定役務との関連性は,高いものであってその需要者も共通にすることから,本件商標の指定商品及び指定役務の取引者及び需要者において,普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば,引用標章と同じつづりである「I PAD」の文字をその構成中に含む本件商標は,これを本件商標権者がその指定商品及び指定役務について使用した場合,これに接する需要者をして,引用標章を連想,想起させ,その商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように,その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあったというべきである。
 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)むすび
 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条1項15号に違反してされたものであるから,その余の申立ての理由について論及するまでもなく,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
 よって,結論のとおり決定する。


        令和 2年 3月17日

     審判長  特許庁審判官 半田 正人
          特許庁審判官 平澤 芳行
          特許庁審判官 大森 友子

 
別掲(本件商標の指定商品及び指定役務)
第9類「Portable and handheld electronic devices for transmitting, storing, manipulating, recording, and reviewing text, images, audio, video and data, including via global computer networks, wireless networks, and electronic communications networks; tablet computers, electronic book readers, digital audio and video players, digital camera, electronic personal organizers, personal digital assistants, computer software for use creating, managing, and sharing calendars, navigation mapping apparatus and global positioning system (GPS) devices; computer peripheral devices; computer and portable and handheld electronic device accessories, namely, monitors, displays, keyboards, mouse, wires, cables, modems, disk drives, adapters, adapter cards, cable connectors, plug-in connectors, electrical power connectors, docking stations, charging stations, disk drivers, battery chargers, battery packs, memory cards and memory card readers, headphones and earphones, speakers, microphones, and headsets, cases, covers, and stands for portable and handheld electronic devices and computers; computer software for the development of content and service delivery across global computer networks, wireless networks, and electronic communications networks; downloadable audio works, visual works, audiovisual works and electronic publications featuring books, magazines, newspapers, periodicals, newsletters, journals and manuals on a variety of topics; computer software for transmitting, sharing, receiving, downloading, displaying, transferring, formatting, and converting content, text, visual works, audio works, audiovisual works, literary works, data, files, documents and electronic works via portable electronic devices and computers; computer game programs; downloadable music files; downloadable image files; video telephones; navigational instruments; screens [photoengraving].(参考訳:テキスト・画像・音声・映像及びデータの送信用・保存用・操作用・記録用及び閲覧用の携帯式及び手持ち式電子式装置(グローバルコンピュータネットワーク・無線ネットワーク及び電子通信ネットワーク経由のものを含む),タブレット型コンピュータ,電子書籍リーダー,デジタル式のオーディオ及びビデオプレイヤー,デジタルカメラ,電子手帳,携帯情報端末,カレンダーの作成用・管理用及び共有用のコンピュータソフトウエア,ナビゲーション用の地図作成用機器及び全地球測位システム(GPS)装置,コンピュータ周辺機器,コンピュータ用並びに携帯用及び手持ち式電子装置用の付属品、すなわちモニター、表示装置、キーボード、マウス、ワイヤ、ケーブル、モデム、ディスクドライブ、アダプター、アダプターカード、ケーブル接続器、プラグインコネクター、電力用コネクター、ドッキングステーション、充電装置、ディスクドライバ、バッテリーチャージャー、バッテリーパック、メモリーカード及びメモリーカード読取り機、ヘッドホーン及びイヤホーン、スピーカー・マイクロホン及びヘッドセット、ケース・カバー及びスタンド(携帯用及び手持ち式の電子装置及びコンピュータ用のもの),グローバルコンピュータネットワーク・無線ネットワーク及び電子通信ネットワーク経由でのコンテンツの開発用及び役務の配信用のコンピュータソフトウエア,さまざまな話題に関する書籍・雑誌・新聞・定期刊行物・ニューズレター・ジャーナル及びハンドブックを特徴とするダウンロード可能なオーディオ作品・ビジュアル作品・オーディオビジュアル作品及び電子出版物,携帯式電子式装置及びコンピュータ経由によるコンテンツ・テキスト・ビジュアル作品・オーディオ作品・オーディオビジュアル作品・文学作品・データ・ファイル・文書及び電子作品の送信用・共有用・受信用・ダウンロード用・表示用・転送用・書式設定用及び変換用のコンピュータソフトウエア,電子計算機用ゲームプログラム,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,テレビ電話,ナビゲーション装置,写真凸版用スクリーン)」
第38類「Telecommunication access services; communication by computer; transmission of data and of information by electronic means, broadcasting or transmission of radio and television programs; provision of telecommunications connections to computer databases and the Internet; electronic transmission of streamed and downloadable audio and video files via computer and other communications networks; web casting services; delivery of messages by electronic transmission; streaming of video content, streaming and subscription audio broadcasting of spoken word, music, concerts, and radio programs, broadcasting prerecorded videos featuring music and entertainment, television programs, motion pictures, news, sports, games, cultural events, and entertainment-related programs of all kinds, via computer and other communications networks; providing on-line bulletin boards for the transmission of messages among computer users concerning entertainment in the nature of music, concerts, videos, radio, television, film, news, sports, games and cultural events; communication services, namely, providing users access to communication networks for the transfer of music, video and audio recordings; teleconferencing services; providing Internet chatrooms; voice mail services; transmission of digital files.(参考訳:電気通信における接続の提供,コンピュータによる通信,電子手段によるデータ及び情報の送信,ラジオ番組及びテレビジョン番組の放送又は配信,コンピュータデータベース及びインターネットへの電気通信接続の提供,コンピュータ及び他の通信ネットワークを経由して行うストリーム形式の及びダウンロード可能な音響用及びビデオ用のファイルの電子通信,ウェブサイトによる音声又は映像を送る放送,電子発送によるメッセージの配信,ビデオコンテンツのストリーミング、話し言葉・音楽・コンサート及びラジオ番組のストリーミング及び加入方式のオーディオ放送、音楽及び娯楽・テレビジョン番組・映画・ニュース・スポーツ・ゲーム・文化イベント及びあらゆる種類の娯楽関連の番組を特徴とする記録済みのビデオの放送(コンピュータネットワーク及び他の通信ネットワーク経由のこと),コンピュータユーザー間での音楽・コンサート・ビデオ・ラジオ・テレビジョン・映画・ニュース・スポーツ・ゲーム及び文化イベントの性質を帯びた娯楽に関するメッセージの送信用のオンライン掲示板の提供,通信、すなわち音楽記録物・録画済み記録物及び録音済み記録物の転送用の通信ネットワークへの利用者のアクセスの提供,テレビ会議用通信端末による通信,インターネット利用のチャットルーム形式による電子掲示板通信,ボイスメール通信,デジタルファイルの伝送交換)」
 
 
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)                この決定に対する訴えは,この決定の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,特許庁長官を被告として,提起することができます。                 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)        特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
  
審判長 半田 正人          
 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。


〔決定分類〕T1651.271-Z  (W0938)

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 2年 3月17日  審判書記官  木村 勝美