異議の決定


異議2020-685003
25 (Sinsa-dong, Soobin Art in Building), Eonju-ro 159-gil, Gangnam-gu, Seoul 06024(Republic of Korea)
 商標権者  
WEPEAK CO.,LTD
大阪府大阪市北区中之島三丁目2番4号 中之島フェスティバルタワー・ウエスト
 代理人弁理士
特許業務法人深見特許事務所
  
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92879 コロナ モンスター ウェイ 1
 商標登録異議申立人  
モンスター エナジー カンパニー
神奈川県横浜市港北区新横浜3-23-3 新横浜AKビル 5階 柳田国際特許事務所
 代理人弁理士
柳田 征史
  


 国際登録第1417930号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。



 結 論
  
 国際登録第1417930号商標の商標登録を維持する。



 理 由
  
第1 本件商標
 本件国際登録1417930号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、2018年(平成30年)5月15日に国際商標登録出願、第41類「Operation of theme parks relating to sports; operation of amusement parks and theme parks; operation of amusement parks; theme park services in the framework of franchising; providing recreation facilities; recreation information; providing and operating of sports facilities; operation of children's playgrounds; arranging of cultural events for others; recreational park services; providing sports facilities; providing amusement arcade services.」を指定役務として、令和元年12月26日に登録査定、同2年4月3日に設定登録されたものである。
 
第2 引用商標
 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりである(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)。
 1 申立人が引用商標として明示した商標
(1)登録第5057229号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第32類「エネルギー補給用清涼飲料,スポーツ用清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,エネルギー補給用のアルコール分を含有しない飲料,スポーツ用のアルコール分を含有しない飲料,ビール風味の麦芽を主体とするアルコール分を含有しない飲料,その他のアルコール分を含有しない飲料」
登録出願日:平成18年6月9日
設定登録日:平成19年6月22日
(2)登録第5393681号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「MONSTER ENERGY」(標準文字)
指定商品:第32類「アルコール分を含まない飲料,清涼飲料,果実飲料」
登録出願日:平成22年7月8日
設定登録日:平成23年2月25日
(3)登録第6243576号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定役務:第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
優先権主張:アメリカ合衆国 2019年1月16日
登録出願日:令和元年7月16日
設定登録日:令和2年4月7日
(4)登録第5984838号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「MONSTER ENERGY」(標準文字)
指定役務:第41類に属する商標登録原簿に記載の役務
優先権主張:アメリカ合衆国 2016年10月19日
登録出願日:平成29年4月14日
設定登録日:平成29年9月29日
(5)登録第5431413号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
指定商品:第5類、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日:平成22年10月27日
設定登録日:平成23年8月12日
 なお、引用商標1ないし引用商標5は、いずれも現に有効に存続しているものである。
 2 申立人主張の全趣旨から、合議体が引用商標と認めたもの
(1)「MONSTER」の欧文字からなる商標(以下「引用商標6」という。)。
(2)「モンスター」の片仮名からなる商標(以下「引用商標7」という。)。
 
第3 登録異議の申立ての理由
 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第478号証(枝番号を含む。)を提出した。
 1 申立人の使用に係る「MONSTER」、申立人図形商標及びロゴマークの周知著名性
(1)MONSTERブランドの創設と「MONSTER」、申立人図形商標及びロゴマークの使用
 ア 申立人は、1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり、創業以降、アルコールを含有しない飲料(炭酸飲料、天然ソーダ水、清涼飲料、フルーツジュース、エナジードリンク、スムージー、レモネード、アイスティー等の様々な飲料製品)の企画、開発、製造、マーケティング及び販売の事業に従事していたが、2015年6月以降はエナジードリンクの事業に注力している(甲58)。
 申立人は、2002年に「MONSTER」なるエナジードリンクのブランドを創設し、現在に至るまで「MONSTER」、「MONSTER」の頭文字「M」をベースとしてモンスターの爪をかたどった図柄(以下「申立人図形商標」という。)(甲328)、並びに申立人図形商標と「MONSTER」及び「ENERGY」の文字からなるロゴマークをMONSTERブランドのエナジードリンク(以下「MONSTERエナジードリンク」という。)の出所識別標識とし使用しており、MONSTERエナジードリンクは、2002年に米国でMONSTERブランドの第1号の個別製品「MONSTER ENERGY」を発売後、世界各国における販売も開始し、現在は日本を含む世界130以上の国及び地域で販売中である。
 イ 2002年以降現在まで継続して、MONSTERエナジードリンクには、一貫して「MONSTER」の文字を基調とする個別商品名が採用されている。また、これらの個別製品の包装容器(缶、瓶)は同じデザインで統一されており、当該包装容器の中央に申立人図形商標を顕著に表示し、さらに、特徴的な書体で大きく表示した「MONSTER」の文字(甲416)が独立して見る者の目をひきつける態様で大きく表示している。
 ウ このように、規則的なネーミング法(すなわち「MONSTER」に他の語を結合する方法)で命名された個別製品名と、申立人図形商標及び特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字を顕著に表示した統一的デザインの包装容器を特徴とするMONSTERエナジードリンクは、需要者の間でたちまち人気となり、申立人のMONSTERブランドのエナジードリンク事業は急速に業績を拡大し、その成功は経済界で高い評価を受けている(甲2~甲33、甲51~甲58、甲391~甲393)。
 エ 2012年5月以降に、我が国において販売されたMONSTERエナジードリンク(リニューアル製品及び季節限定製品を含む。)は次のとおりである。
(ア)「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー 缶355ml)(甲7、甲14)
(イ)「MONSTER KHAOS」(モンスターカオス 缶355ml)(甲7、甲14)
(ウ)「MONSTER ABSOLUTELY ZERO」(モンスターアブソリュートリーゼロ 缶355ml)(甲10、甲15)
(エ)「MONSTER ENERGY M3」(モンスターエナジーM3 ワンウェイびん150ml)(甲59、甲61)
(オ)「MONSTER COFFEE」(モンスターコーヒー 缶250g)(甲60、甲62)
(カ)「MONSTER ENERGY ULTRA」(モンスターウルトラ 缶355ml)(甲101~甲103)
(キ)「MONSTER ENERGY THE DOCTOR」(モンスターロッシ 缶355ml)(甲256、甲257、甲263)
(ク)平野歩夢氏とのコラボレーションによる「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー スペシャルデザイン缶355ml)(甲291)及び同「MONSTER ENERGY ULTRA」(モンスターウルトラ スペシャルデザイン缶355ml)(甲291)
(ケ)「MONSTER CUBA LIBRE」(モンスターキューバリブレ 缶355ml)(甲323、甲324)
(コ)「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー ボトル缶473ml)(甲354~甲356)
(サ)「MONSTER PIPELINE PUNCH」(モンスターパイプラインパンチ 缶355ml)(甲353、甲357、甲358)
(シ)「MONSTER ENERGY M3」(モンスターエナジーM3 缶160ml)(甲361)
(2)広告宣伝活動
 MONSTERエナジードリンクに関する広告宣伝活動は、幅広く継続的なものであり、国際的に活躍する多数の有名アスリート・チーム及びイベントに対するスポンサー活動を中核として、ウェブサイト及びプレスリリースによる広告、MONSTERエナジードリンクサンプルの配布、大手コンビニエンスストアやイベント主催者と提携した大規模な販売キャンペーン(景品・賞品のプレゼントを含む)、スポーツイベント等の開催、契約アスリート等の動画・画像の公開、MONSTERブランドのライセンス商品の開発及び販売、ビデオゲーム会社と提携したMONSTERブランドを使用したビデオゲームの開発及び共同販売促進活動の実施など極めて多彩な内容である。
 また、申立人は、MONSTERエナジードリンクの中心的需要者層である10~30代の若い世代(特に男性)に人気が高いF1自動車レース、ドリフト、モトクロスなどのモータースポーツ、スノーボード、スケートボードなどのエクストリームスポーツの分野を中心にスポンサー活動を行い、また、全16の異なるウェブサイト及びソーシャルメディアのアカウントを開設して、こうした若い世代が多く利用するインターネットメディアによる大規模な情報発信を通じてMONSTERブランドを需要者に強くアピールするための効果的な広告を実施している。
 こうした広告宣伝活動は、「MONSTER」の文字(特徴的な書体で表示したものを含む。)、申立人図形商標と特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字と活字体で表示した「ENERGY」の文字からなるロゴマーク「MONSTER ENERGY」の文字(以下、これらを併せて「MONSTERブランドマーク」という。)、並びに申立人図形商標を使用して、本件商標の登録出願日前から継続的かつ頻繁に全国規模で実施されている(別紙3~別紙7)。
(3)海外で製造された模倣品
 需要者におけるMONSTERブランドのライセンス商品の人気の高さに便乗して、海外で製造された申立人の商標権侵害物品が日本の税関で輸入差止される事案が遅くとも平成25年(2013年)7月から度々発生している(甲169~甲224)。
(4)国内外における商標登録等
 MONSTERブランドマーク及び申立人図形商標について、申立人は、引用商標をはじめとして、国内外において多数の商標登録を取得している(甲432~甲469)。また、申立人図形商標は、申立人の創作に係る独創的構成からなる創造標章であり、申立人の本国米国では、申立人図形商標の図案画の作品について著作権登録も取得している(甲387、甲388)。
(5)第三者による市場調査報告書
 複数の第三者が実施したエナジードリンクに関する市場調査及び消費者アンケート調査によれば、2013年時点で申立人のMONSTERエナジードリンクの国内市場占有率は既に25%を超えており、一般消費者におけるブランド認知度も第2位であったことが明らかである。それ以降もMONSTERエナジードリンクは着実に売上を伸ばし、男子若年層を中心とした従来の主要需要者層に止まらず、美しいカラフルな色使いのボトル缶に大きく目立つ態様で表示された申立人図形商標が人目をひきつけ、男性のみでなく女性の間でもMONSTERブランドの認知度を高めている(甲311~甲322、甲383~甲385)。
 また、MONSTERエナジードリンクは、市場で「モンスター」と称され、「MONSTER」、「モンスター」と表示されて認識されている(甲10、甲16、甲17、甲34の1、甲34の2、甲42の3、甲51~甲53、甲56~甲58、甲63、甲64、甲69、甲71、甲79、甲90、甲92、甲96、甲98、甲101~甲103、甲112、甲113、甲117、甲118、甲120、甲124、甲128、甲132、甲135、甲145、甲162、甲165、甲168、甲229、甲232、甲233、甲235~甲240、甲242、甲244、甲245、甲247、甲248、甲250、甲251、甲256~甲260、甲262、甲270、甲272~甲276、甲282、甲283、甲286、甲291~甲293、甲312、甲320、甲321、甲323、甲324、甲326、甲335~甲347、甲349、甲351、甲352、甲364、甲371、甲372、甲374~甲376、甲380、甲391~甲393)。
(6)小括
 以上の事柄に照らせば、「MONSTER」及びその表音「モンスター」、申立人図形商標、並びに申立人図形商標と「MONSTER」及び「ENERGY」の文字から構成されるロゴマークは、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として国内外の取引者、需要者の間で広く認識されていた。
 2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)上記1のとおり、「MONSTER」及びその表音「モンスター」、申立人図形商標、並びに申立人図形商標と「MONSTER」及び「ENERGY」の文字から構成されるロゴマークは、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る商品及び役務の出所識別標識として国内外の取引者、需要者の間で広く認識されていた。
(2)本件商標は、英文字の「M」をデザインした図柄と「Sports Monster」の文字より構成されるものであり、英文字の「M」をデザインした申立人図形商標(引用商標5)と「MONSTER」及び「ENERGY」の文字から構成される申立人の使用に係るロゴマーク(引用商標1・3)と外観が類似し、出所識別標識として近似した印象を看者に与える。
 また、本件商標の構成中、独立して出所識別標識として機能し得る「Sports Monster」の文字部分は、その表音の「スポーツ(sports)」(甲477、甲478)及び「モンスター(monster)」(甲475、甲476)が外来語として一般に広く親しまれていることから、「Sports」と「Monster」の2語を結合したものであると容易に認識、理解されるものである。
 さらに、「Sports Monster」の文字部分は、「MONSTER(Monster)」の文字、「モンスター」の音(称呼)、「モンスター」の観念を包含する点で、上記ロゴマークの文字部分(引用商標1・3)、「MONSTER ENERGY」(引用商標2・4)、並びに「MONSTER」を使用したMONSTERエナジードリンクの個別製品名(別紙1)と一致し、これらの申立人の使用に係る商標と外観、称呼及び観念の印象が類似する。
 加えて、「Sports Monster」の文字部分は、MONSTERエナジードリンクに使用されているすべての個別製品名と同一のネーミング規則、すなわち、「MONSTER」に他の語を結合する方法によって構成されているものである。
 したがって、本件商標は、申立人の使用に係る商標と類似性の程度が極めて高いことが明らかである。
(3)本件商標の指定役務(以下「本件指定役務」という場合がある。)は、引用商標3及び4の指定役務と同一又は類似のものである。
 さらに、本件指定役務は、申立人が引用商標1ないし5を使用して提供しているスポーツ、ゲーム(eスポーツ)、音楽などの娯楽に関するイベントの企画・運営及び開催、並びにこれらに関する情報の提供の役務と同一又は類似のもの、あるいは、当該役務と極めて関連性が強いものである。
(4)本件指定役務の需要者は、一般消費者を含むものであるから、その通常の需要者の注意力の程度はさほど高いものとはいえない。
(5)小括
 したがって、本件商標が本件指定役務に使用された場合、これに接した需要者は、申立人の使用に係る「MONSTER」及び申立人図形商標並びにこれらから構成されるロゴマーク、さらには申立人会社を直観し、当該役務が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し、その出所について混同を生じるおそれがある。
 また、本件商標の使用は、申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」及び申立人図形商標並びにこれらから構成されるロゴマークの出所識別力を希釈化するものであり、また、その名声、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。
 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
 3 商標法第4条第1項第7号該当性について
 本件商標が使用された場合、申立人の商品及び役務の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」及び申立人図形商標並びにこれらから構成されるロゴマークの出所表示力が希釈化するおそれが高いものであり、また、本件商標の使用は、申立人がこれらの商標について獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ず、申立人に経済的及び精神的損害を与える。
 したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるものといわざるを得ない。
 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
 
第4 当審の判断
 1 引用商標の周知性について
(1)申立人の主張及び同人提出の証拠並びに職権調査によれば、次のとおりである。
 ア 申立人は、米国の飲料メーカーであり、2002年にエナジードリンクの新ブランド「MONSTER ENERGY」を創設し、米国において販売を開始した(甲7、甲8)。
 イ 我が国においては、アサヒ飲料株式会社を通じて2012年(平成24年)5月にエナジードリンク「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」及び「MONSTER KHAOS(モンスターカオス)」の販売を開始し、その販売量は同年9月には累計100万箱を超え、12月には累計157万箱となった(甲7~甲9)。
 申立人は、我が国において、2013年(平成25年)5月に「MONSTER ABSOLUTELY ZERO(モンスターアブソリュートリーゼロ 缶355ml)」(甲10)、2014年(平成26年)8月に「MONSTER ENERGY M3(モンスターエナジー M3 ワンウェイびん150ml)」(甲59)、同年10月に「MONSTER COFFEE(モンスターコーヒー 缶250g)」(甲60)、2015年(平成27年)7月に「MONSTER ENERGY ULTRA(モンスターウルトラ 缶355ml)」(甲101)、2017年(平成29年)6月に「MONSTER ENERGY THE DOCTOR(モンスターロッシ 缶355ml)」(甲256)、2018年(平成30年)4月に「MONSTER CUBA LIBRE(モンスターキューバリブレ 缶355ml)」(甲323)、同年8月に「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー ボトル缶473ml)」(甲354)、2019年(平成31年)4月に「MONSTER PIPELINE PUNCH(モンスターパイプラインパンチ 缶355ml)」(甲357)の販売を開始し、製品によってはリニューアルしたり、コラボ缶の製品を販売した(以下、これらの商品をまとめて「申立人商品」という。)。
 ウ 申立人商品のうち、「MONSTER ENERGY」、「MONSTER KHAOS」(2016年5月から)、「MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO」、「MONSTER ENERGY M3」、「MONSTER ENERGY ULTRA」、「MONSTER ENERGY THE DOCTOR」及び「MONSTER PIPELINE PUNCH」の容器には、別掲5のとおりの商標(色彩が異なるものを含む。以下「別掲5商標」という。)又はこれとともに申立人図形商標が表示されている(甲7、甲10、甲59、甲101、甲130、甲257~甲263、甲357 ほか)。  
 また、「MONSTER COFFEE」の容器にはその中央に別掲5商標の上段のデザイン化された「MONSTER」の文字部分(以下「MONSTERロゴ」という。)と「COFFEE+ENERGY」の文字が2段に表示され、「MONSTER CUBA-LIBRE」の容器には、MONSTERロゴが表示されており、さらにこれらの文字とともに申立人図形商標も表示されている(甲60、甲324 ほか)。
 エ 申立人は、我が国で開催される各種のスポーツ競技会、イベントにおいて、看板、ユニフォーム、車体など多種多様なものに、別掲5商標又はこれとともに申立人図形商標を表示している(甲73~甲80、甲82、甲83 ほか)。
 オ 我が国において、別掲5商標又はこれとともに申立人図形商標が表示されたステッカー、衣類、帽子、ヘルメットなどが販売されている(甲47、甲48、甲98、甲100 ほか)。  
 カ 平成25年7月以降、我が国の税関において、申立人の商標権(国際登録第1048069号など)を侵害する疑いがある貨物(帽子、ショートパンツ、Tシャツなど)が多数発見されている(甲169~甲224、別紙8)。  
 キ JMR生活総合研究所による消費者調査 No.196「エナジードリンク(2014年(平成26年)7月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」で45%、2位が「モンスターエナジー」で31%であった(甲311)。また、同消費者調査 No.232「エナジードリンク(2016年(平成28年)8月版)」でも、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」であり、2位は「モンスターエナジー」であったと推認できる(甲312)。  
 ク 飲料総研の調査によれば、我が国における2013年(平成25年)のエナジードリンクの出荷数は約950万ケース(1ケース30本換算)であり、首位のレッドブルが550万ケース、2位のモンスターエナジーは240万ケースであった(甲317、甲318、甲320)。  
 ケ ジャストシステムによるエナジードリンクに関する調査(2014年(平成26年)4月)によれば、認知度が高い商品の1位は82.8%の「RedBull」、2位は47.6%の「MONSTER ENERGY」であった(甲319)。  
 コ JMR生活総合研究所による消費者調査データ No.269「エナジードリンク(2018年(平成30年)5月版)」には、「モンスター、レッドブル、リアルゴールド 寡占化すすむエナジードリンク市場」のタイトルのもと、「今回の調査では、『リアルゴールド(日本・コカコーラ)』『レッドブル・エナジードリンク(レッドブル・ジャパン)・・・』『モンスターエナジー(アサヒ飲料)』の3ブランドがほとんどの項目で上位3位を独占した。」の記載がある。  
(職権調査:https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/02-drink/mranking269.html)  
 また、同消費者調査データ No.293「エナジードリンク(2019年(令和元年)5月版)」には、「リアルゴールド、レッドブル、モンスターエナジー。3強上位独占」のタイトルのもと、「エナジードリンクの市場は、2桁の伸びの後に、2016年(平成28年)は対前年比5%増、2017年(平成29年)は同じく8%増とやや落ち着いたものの、依然として成長を続けている。」の記載がある。  
(職権調査:https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/02-drink/mranking293.html)  
 サ 申立人及びアサヒ飲料株式会社は、本件商標の登録出願の日前から、申立人商品のキャンペーンに係るニュースリリース、ポスターなどで申立人商品を「モンスター」と表示しているものが見受けられ、また、両社以外のウェブページにおける当該キャンペーンについてのポスターやその他の記事においても「MONSTER」及び「モンスター」の文字が表示されているところ、当該ニュースリリース、ポスター、ウェブサイト等には、申立人商品の画像又は別掲5商標若しくは「モンスターエナジー」の文字若しくはこれらの文字とともに申立人図形商標が表示又は掲載されている(甲69、甲71、甲79、甲101~甲103、甲111~甲115、甲117~甲119 ほか)。
(2)上記(1)のとおり、申立人は、我が国において、アサヒ飲料株式会社を通じて2012年(平成24年)5月からエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売を開始し、継続して申立人商品を販売するとともに、各種のスポーツ競技会、イベント及びキャンペーンなどを通じ、申立人商品の広告宣伝を行っていたこと、2013年(平成25年)のエナジードリンクの出荷数約950万ケースのうち、申立人商品の出荷数は240万ケースで第2位であったこと、2014年(平成26年)のエナジードリンクに関する調査において、その認知度が第2位であったことが認められ、2016年(平成28年)の認知度も第2位であったと推認できることに加え、2018年(平成30年)及び2019年(令和元年)の調査において、いずれも申立人商品はエナジードリンクで3強の一つとされ、また、エナジードリンクの市場は2017年(平成29年)において成長を続けているとされていることを併せみれば、申立人商品は、本件商標の登録出願の日前から、登録査定日はもとより現在においても継続して、我が国のエナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものと判断するのが相当である。 
 そして、申立人商品は、そのほとんどの容器の中央に、「MONSTER ENERGY」の文字が別掲5のとおりの態様で表示されていること、常にこれとともに、申立人図形商標が表示されていること、さらに、ニュースリリース、各種記事などにおいて「MONSTER ENERGY」「モンスターエナジー」と表示され、「モンスターエナジー」と称されていることから、「MONSTER ENERGY」及び「モンスターエナジー」の文字並びに別掲5のとおりの態様に申立人図形商標を加えた態様は、いずれも本件商標の登録出願の日前から、登録査定日はもとより現在においても継続して、申立人及びアサヒ飲料株式会社の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえる。
 そうすると、別掲2のとおりの態様に申立人図形商標を加えた態様からなり、指定商品中に「エナジードリンク」を含む引用商標1、また、「MONSTER ENERGY」の文字からなり、指定商品中に「エナジードリンク」を含む引用商標2は、いずれも申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものというべきある。
 しかしながら、申立人商品の広告宣伝は、各種のスポーツ競技会、イベント及びキャンペーンなどを通じて行われているものの、老若男女を問わず幅広い需要者層が目にする機会の多い一般的なメディアを通じたものとはいえないばかりか、我が国における申立人商品の清涼飲料に対する市場占有率等も確認することができないこと等を総合的に判断すると、申立人商品、引用商標1及び引用商標2は、幅広い需要者層を有する一般的な清涼飲料の分野においてまでも、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
 また、申立人商品は、その容器に「MONSTER」及び「ENERGY」の各文字が比較的近接して表示されているものがほとんどであり、MONSTERロゴのみが表示されている商品についての出荷数、シェア等の販売実績は確認できない。
 さらに、「MONSTER」の文字及び「モンスター」の文字は、ニュースリリース、ポスター、ウェブサイト等において、申立人又は申立人商品の略称として表示又は掲載が見受けられるとしても、常に申立人商品又は「モンスターエナジー」若しくは別掲5商標の文字とともに表示又は掲載されていることからすれば、これに接する需要者は、そこに表示又は掲載された「MONSTER」の文字及び「モンスター」の文字を、申立人商品(「モンスターエナジー」)の一連の名称として使用されていることを前提に、申立人商品(「モンスターエナジー」)を指称する文字として理解するというべきである。 
 そうすると、申立人商品又は「モンスターエナジー」の文字若しくは別掲5商標と関連なく表示されている「MONSTER」の文字及び「モンスター」の文字までもが、需要者において申立人商品を表示するものと理解されるとはいい難い。
 したがって、「MONSTER」の文字からなる引用商標6及び「モンスター」の文字からなる引用商標7は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
 また、申立人図形商標は、ニュースリリース、ポスター、ウェブサイト、販促用商品等において、「MONSTER ENERGY」若しくは「モンスターエナジー」又は別掲5商標とともに表示又は掲載されているように、常に当該文字等とともに表示等されていることからすれば、これに接する需要者は、そのような場合に限って、申立人図形商標を申立人及びアサヒ飲料株式会社の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されることはあるというべきである。
 さらに、申立人図形商標は、申立人商品の容器に「MONSTER ENERGY」の文字(別掲5商標)とともに表示されてはいるものの、申立人図形商標のみが表示されている商品は見当たらない。
 そうすると、申立人図形商標のみの構成からなる引用商標5は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
 加えて、引用商標3及び引用商標4は、いずれもそれらが使用された指定役務についての広告宣伝の規模、市場シェア等の周知性を推しはかる客観的な実績が確認できないから、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
 2 本件商標の指定役務と申立人商品との関連性について
 本件商標の指定役務は、娯楽、スポーツ及び文化活動に関する役務であり、清涼飲料の一種である申立人商品は、その需要者層の一部が重複するとしても、本件商標の指定役務の用途と申立人商品の用途、本件商標の指定役務の提供場所と申立人商品の販売場所とに直接的な関連性はない。
 また、本件商標の指定役務の提供者と申立人商品の製造者も密接的な関連性を有するとはいえない。 
 3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標と引用商標との類似性の程度
 ア 本件商標について
 本件商標は、別掲1のとおり、上段に「M」様の折れ線とその中央から放射状に4本の線を配した図形、下段に「Sports Monster」の文字を配してなるところ、その図形部分と文字部分とは、それぞれが視覚上、分離して看取、把握されるものである。
 そして、本件商標の図形部分は、その構成上、特定の事物を表してなるものと直ちに認識されるとはいい難いため、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。
 また、本件商標の文字部分は、「Sports」の欧文字と「Monster」の欧文字との間に、わずかな間隔を有するものの、これらは、同じ書体、同じ大きさで、横一列に書されているため、視覚上まとまりのよい印象を与えるものである。
 さらに、本件商標の構成文字全体から生じる「スポーツモンスター」の称呼は、全体を無理なく一連に称呼することができるものであり、その構成中の「Sports」の欧文字が「運動」等の意味を、「Monster」の欧文字が「怪物」の意味を有するいずれも平易な英語であるとしても、これらの文字を結合した「Sports Monster」の欧文字が、特定の意味を有する熟語や既成の語と認識し得るとはいえないことから、本件商標の文字部分から、直ちに特定の観念を認識させるものとはいえない。
 そうすると、本件商標の文字部分は、構成全体として不可分一体の造語を表してなるものと看取、理解されるものであり、その構成文字に相応して「スポーツモンスター」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
 イ 引用商標について
(ア)引用商標1及び引用商標3について
 引用商標1及び引用商標3は、別掲2及び別掲3のとおり、引用商標5と同一の構成からなる図形と、その下方に特徴のある書体の太字で表された「MONSTER」(「O」の文字部分には、それを貫く縦線が描かれている。)の文字及び角張った書体で比較的小さく表された「ENERGY」の文字を二段に近接して表してなるところ、当該図形部分と文字部分とは、重なりなく間隔を大きく空けて配置されているため、視覚上、一見して分離して看取されることから、両部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
 そうすると、引用商標1及び引用商標3に接する取引者、需要者は、その構成中の図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であるから、これら要部をもって他人の商標と比較することにより、対比する商標間の類否を判断することも許されるというべきである。
 そして、引用商標1及び引用商標3の構成中の図形部分は、上端に左向きの突起を設け、下向きに幅が徐々に細くなる不規則な凸凹を有するかぎ裂き状の長さの異なる帯状図形を、3本縦方向に平行に配置してなる図形であるところ、その構成態様は特定の事物を表してなるものと認識されるとはいい難いため、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。
 さらに、引用商標1及び引用商標3の構成中の「MONSTER」と「ENERGY」の二段の文字部分は、それぞれの文字の書体や大きさは相違するものの、近接して配置されていて、視覚的にまとまりのよい印象を与えるものであり、また、その全体から生じる「モンスターエナジー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。さらに、「MONSTER」の文字は、「怪物」の意味を、「ENERGY」の文字は、「力。精力。」の意味をそれぞれ有する平易な英語であるであるところ、両語を結合して熟語や既成語となるものでもなく、いずれの語がその指定商品との関係において出所識別標識としての称呼、観念を生じないというものでもない。加えて、上記1のとおり、「MONSTER ENERGY」の文字は、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、需要者の間において広く認識されているものである。
 そうすると、引用商標1及び引用商標3の構成中の文字部分は、いずれかの文字部分が強く支配的な印象を与えるものではなく、その構成全体をもって出所識別標識としての機能を発揮するものというべきであるから、これより「モンスターエナジー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2及び引用商標4について
 引用商標2及び引用商標4は、前記第2の2及び4のとおり、「MONSTER ENERGY」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「MONSTER」と「ENERGY」の各文字の間に1文字分の間隔が設けられているものの、いずれの文字も同じ書体及び大きさの文字をもって横書きしてなるため、視覚上、その構成全体がまとまりのよい印象を与えるものといえ、さらに、その構成全体から生じる「モンスターエナジー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。加えて、「MONSTER」の文字は、「怪物」の意味を、「ENERGY」の文字は、「力。精力。」の意味を、それぞれ有する平易な英語であるところ、両語を結合して熟語や既成語となるものでもなく、いずれの語がその指定商品又は指定役務との関係において出所識別標識としての称呼、観念を生じないというものでもない。加えて、上記1のとおり、「MONSTER ENERGY」の文字は、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、需要者の間において広く認識されているものである。
 以上を踏まえると、引用商標2及び引用商標4の構成中、「MONSTER」と「ENERGY」の文字部分は、いずれかの文字部分が強く支配的な印象を与えるものではなく、その構成全体をもって出所識別標識としての機能を発揮するものというべきであるから、これより「モンスターエナジー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)引用商標5について
 引用商標5は、別掲4のとおり、上端に左向きの突起を設け、下向きに幅が徐々に細くなる不規則な凸凹を有するかぎ裂き状の長さの異なる帯状図形を、3本縦方向に平行に配置してなる図形であるところ、その構成態様は特定の事物を表してなるものと認識されるとはいい難いため、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。
(エ)引用商標6及び引用商標7について
 引用商標6は、「MONSTER」の文字からなり、また、引用商標7は、「モンスター」の文字からなるものであって、それぞれの文字に相応し「モンスター」の称呼を生じ、「怪物」の観念を生じるものである。
 なお、「MONSTER」の文字(引用商標6)及び「モンスター」の文字(引用商標7)は、上記1のとおり、申立人商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないことに加え、当該「MONSTER」及び「モンスター」の文字がいずれも「怪物」の意味を有する我が国で広く親しまれた語であることから、引用商標6及び引用商標7は上記のとおり「怪物」の観念を生じるものと判断するのが相当である。
 ウ 本件商標と引用商標との類否について
 本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、それぞれの構成全体を比較したときは、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
 また、本件商標の図形部分と引用商標1及び引用商標3の図形部分並びに引用商標5とを比較すると、両者は、その形状や太さといった態様が顕著に相違するため、外観上、明瞭に区別し得るものであり、また、両者はいずれも特定の称呼及び観念を生じないため、称呼及び観念において比較できない。
 したがって、本件商標の図形部分と引用商標1及び引用商標3の図形部分並びに引用商標5とは、外観が明らかに異なる上、称呼及び観念において比較することができないものであるため、相紛れるおそれはない。
 さらに、本件商標から生じる「スポーツモンスター」の称呼と、引用商標1ないし引用商標4から生じる「モンスターエナジー」の称呼又は引用商標6及び引用商標7から生じる「モンスター」とは、「スポーツ」の音と「エナジー」の音との相違又は有無により、全体の音構成に明らかな差異があるから、これらを一連に称呼するときは、明らかに異なるものであり、引用商標5は特定の称呼を生じないものであるから、本件商標とは、称呼において紛れるおそれはない。
 加えて、本件商標及び引用商標1ないし引用商標5は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできず、本件商標と「怪物」の観念を生じる引用商標6及び引用商標7とは観念において紛れるおそれはない。
 そうすると、本件商標と引用商標1ないし引用商標5は、観念において比較することはできないとしても、称呼において紛れるおそれはなく、外観において異なるものであり、本件商標と引用商標6及び引用商標7とは外観、称呼、観念のいずれにおいても紛れるおそれはないから、これらを総合的に考慮すれば、本件商標と引用商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であって、その類似性の程度も極めて低い別異の商標というべきものである。
(2)出所の混同のおそれについて
 上記1のとおり、引用商標1及び引用商標2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものであるとしても、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標1及び引用商標2とは類似性の程度も極めて低い別異の商標というべきものである。
 そして、引用商標3ないし引用商標7は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものとは認めることができず、さらに本件商標は、引用商標3ないし引用商標7とは類似性の程度も極めて低い別異の商標というべきものである。
 さらに、上記2のとおり、本件商標の指定役務と申立人商品とは、その需要者層の一部が重複する場合があるとしても、本件商標の指定役務の用途と申立人商品の用途、本件商標の指定役務の提供場所と申立人商品の販売場所とに直接的な関連性はない。
 そうすると、本件商標の指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
 3 商標法第4条第1項第7号該当性について
 本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないところ、その商標登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない等、その出願経緯などに公序良俗に反するおそれがあることを具体的に示す証拠の提出もない。
 その他、本件商標の登録が公序良俗を害するとすべき理由を見いだすことができない。
 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
 4 むすび
 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第7号のいずれにも該当せず、同項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
 よって、結論のとおり決定する。


        令和 3年 5月31日

     審判長  特許庁審判官 榎本 政実
          特許庁審判官 小松 里美
          特許庁審判官 豊田 純一

 
別掲1 本件商標
 
 
 
別掲2 引用商標1
 
 
別掲3 引用商標3
 
 
 
別掲4 引用商標5
 
 
 
別掲5 申立人の商品の容器に表示されている商標
  
 
 
 
 
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〔決定分類〕T1651.271-Y  (W41)
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上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 3年 5月31日  審判書記官  古閑 裕人