審決


不服2022-650064

161 Commander Blvd. Agincourt ON M1S3K9(CA)
 請求人
Estee Lauder Cosmetics Ltd.
  
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー28F ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)
 代理人弁理士
達野 大輔
  
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー28F ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)
 代理人弁理士
竹中 陽輔
  
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー28F ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)
 代理人弁理士
中山 真理子
  
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー28F ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)
 代理人弁理士
稲垣 朋子
  


 国際登録第1558281号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。



 理 由
  
1 手続の経緯
 本願は、2020年(令和2年)9月16日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
  2021年(令和3年) 9月27日付け:暫定拒絶通報
  2022年(令和4年) 1月 7日  :意見書の提出
  2022年(令和4年) 3月24日付け:拒絶査定
  2022年(令和4年) 7月 7日  :審判請求書の提出
 
2 本願商標
 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第41類「Educational services, namely, conducting seminars, conferences, and tutoring in the field of developing leadership skills and mentoring in the fields of self-improvement, self-fulfillment, interpersonal communications and life skills.」を指定役務として、2020年8月28日にCanadaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、国際商標登録出願されたものである。
 
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5998099号商標(以下「引用商標」という。)は、「Class by Opendoors」の文字を標準文字で表してなり、平成29年4月5日登録出願、第35類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
 
4 当審の判断
(1)本願商標について
 本願商標は、別掲のとおり、「OPEN DOORS」の文字と「Women’s Leadership Program」の文字を上下二段に横書きし、それらの文字の左に図形を配してなるものであり、全体的に青色ないし青緑色を基調としたものである。
 そして、その構成中の図形部分は、文字部分と明らかに分離して表されていることから、視覚上分離して看取されるものであって、また、その図形が何を表しているものか判然としないことから、特定の観念を生じるものとはいえず、これが文字部分と観念的に結合しているとはいえないものである。
 また、本願商標構成中の文字部分については、上段の「OPEN DOORS」の文字は下段の文字と比べて顕著に大きく表されており、書体も異なることからすると、外観上分離して看取されるものである。そして、「OPEN」の文字は「<ドア・窓などが>開いた」などを意味する語であり、「DOORS」の文字は「戸、とびら、ドア」などを意味する「DOOR」の語の複数形である(出典:「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)ことからすると、上段の文字よりは「開いたドア」ほどの意味合いが看取され得るものであるところ、これが下段の文字より生じ得る意味合いと関連しているというべき事情は見当たらないことから、本願商標構成中の上下段の文字が観念的に結合しているとはいえないものである。
 以上のことからすると、本願商標の構成中、他の構成要素と独立して大きく表されている「OPEN DOORS」の文字部分を要部として抽出し、この部分(以下「本願要部」という。)を引用商標と比較して商標の類否判断をすることも許されるというべきである。
 したがって、本願商標よりは、本願要部の文字に相応した「オープンドアーズ」の称呼、及び、「開いたドア」ほどの観念が生じるものというのが相当である。
(2)引用商標について
 引用商標は、「Class by Opendoors」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中「Class」の文字は「種類、学級、授業(時間)、授業(科目)、等級」などを、「by」の文字は「<人(の行為)など>によって、・・・に基づいて」などを、それぞれ意味する語(出典:同上)であって、また、「Opendoors」の文字それ自体は一般的な辞書類に掲載のある語ではないものの、「Open」の語も「doors」の語も広く知られた平易な英語であることからすると、上記(1)同様に「開いたドア」ほどの意味合いを認識させるものといえるが、これらの語を結合してなる引用商標全体よりは明りょうな意味合いが生じるとはいえないものである。
 そして、引用商標は、すべての文字が同じ大きさ及び書体で表されているものであって、いずれかの文字部分だけが独立して看者の注意を引くものではなく、また、引用商標を構成する各語は、いずれも我が国において知られた平易な語であり、その構成中いずれかの部分が自他役務の識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるというべき事情は見当たらないものである。
 また、引用商標全体より生じる「クラスバイオープンドアーズ」の称呼も、やや冗長であるものの無理なく一連に称呼し得ることからすると、引用商標に接する需要者は、引用商標を一体不可分の造語よりなるものと認識、理解するとみるのが相当である。
 そうすると、引用商標よりは、「クラスバイオープンドアーズ」の称呼が生じ、また、特定の観念を生じないものというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否について
 まず、原査定が本願の拒絶の理由とした本願要部と引用商標を比較するに、これらは構成文字及び文字数を異にすることから、外観上、明確に区別できるものである。
 そして、称呼においては、本願要部より生じる「オープンドアーズ」と引用商標より生じる「クラスバイオープンドアーズ」とでは、音数や語調、語感を異にすることから、明りょうに聴別できるものである。
 また、観念においては、本願要部より「開いたドア」ほどの観念が生じるのに対し、引用商標よりは特定の観念は生じないことから、相紛らわしいものとはいえないものである。
 そうすると、本願要部と引用商標とは、外観及び称呼において明確に区別又は明りょうに聴別できるものであって、観念においても相紛らわしいとはいえないものである。
 また、本願商標全体と引用商標との比較においても、両商標は判然と区別できるものというのが相当であり、その他、両商標が類似する商標であるというべき事情は見いだせないものである。
 したがって、これらを総合して判断すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
 以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似であるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
 


        令和 5年 3月28日

     審判長  特許庁審判官 豊瀬 京太郎
          特許庁審判官 板谷 玲子
          特許庁審判官 白鳥 幹周

 
 
 別掲 本願商標(色彩は原本を参照。) 
 
 
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〔審決分類〕T18  .261-WY (W41)
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上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 5年 3月28日  審判書記官  奥村 恵子