異議の決定


異議2022-685009
20 rue Bachaumont F-75002 PARIS(France)
 商標権者  
NOSE
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
田中 伸一郎
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
中村 稔
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
井滝 裕敬
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
▲吉▼田 和彦
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
藤倉 大作
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
相良 由里子
  
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 新東京ビル 中村合同特許法律事務所
 代理人弁理士
松下 友哉
  
アメリカ合衆国 53403 ウィスコンシン州 ラシーン ハウ ストリート 1525
 商標登録異議申立人  
エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
 代理人弁理士
稲葉 良幸
  
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
 代理人弁理士
田中 克郎
  
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
 代理人弁理士
石田 昌彦
  


 国際登録第1529930号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。



 結 論
  
 国際登録第1529930号商標の商標登録を維持する。



 理 由
  
1 本件商標
 本件国際登録第1529930号商標(以下「本件商標」という。)は、「SHADE」の文字を横書きしてなり、2019年8月27日にEUIPOにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、令和2年(2020年)2月20日に国際商標登録出願、別掲1のとおり、第3類、第4類、第21類及び第35類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年(2021年)12月1日に登録査定、同4年(2022年)2月4日に設定登録されたものである。
  
2 引用商標
 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめていうときは、「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1364714号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「GLADE」及び「グレード」の文字を上下2段に書してなるもの
 指定商品  第3類「薫料」
 登録出願日 昭和49年7月17日
 設定登録日 昭和53年12月22日
 書換登録日 平成22年1月13日
(2)登録第5438735号商標(以下「引用商標2」という。)
 商標の態様 「GLADE」(標準文字)
 指定商品  別掲2のとおり
 登録出願日 平成22年6月8日
 設定登録日 平成23年9月16日
(3)登録第5442785号商標(以下「引用商標3」という。)
 商標の態様 「GLADE」(標準文字)
 指定商品  別掲3のとおり
 登録出願日 平成22年9月10日
 設定登録日 平成23年10月7日
(4)国際登録第1212377号商標(以下「引用商標4」という。)
 商標の態様 別掲4のとおり
 指定商品  別掲5のとおり
 優先権主張   2014年4月1日 France
 国際商標登録出願日 2014年(平成26年)4月11日
 設定登録日 平成27年5月22日
 
3 登録異議の申立ての理由 
 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のようにべ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否について
 ア 本件商標について
 本件商標は、欧文字「SHADE」を普通に用いられる書体で表してなり、かかる構成文字に照応して「シェード」の称呼及び「影、陰影」といった観念を生ずるものである。
 イ 引用商標について
 引用商標1は、欧文字「GLADE」及び片仮名「グレード」を普通に用いられる書体で上下2段に併記してなり、かかる文字構成に照応して「グレード」の称呼及び「森林の空き地、低湿地」といった観念を生ずるものである。
 引用商標2及び引用商標3は、欧文字「GLADE」を標準文字で表してなり、かかる文字構成に照応して「グレード」の称呼及び「森林の空き地、低湿地」といった観念を生ずるものである。
 引用商標4は、筆記体様の字体で欧文字「glade」を表し、「l」の下辺から「ade」の文字部分を反時計回りに囲うように伸びた円弧の端部と「l」の頂点に挟まれるように3枚の花弁からなる花の図形をあしらってなり、その文字構成に照応して「グレード」の称呼及び「森林の空き地、低湿地」といった観念を生ずるものである。
 ウ 引用商標の著名性について
 申立人は、1886年に米国ウィスコンシン州ラシーンで創業して以来、同地に本拠地を置き、長年にわたり世界各国で家庭用化学製品の製造販売を行っているグローバル企業であり、1962年には、日本法人であるジョンソン株式会社が創業された。申立人の提供する製品には、キッチン、バスルーム等の清掃に使用される「スクラビングバブル」、「カビキラー」及び「パイプユニッシュ」といった洗浄剤シリーズ、虫除け剤「スキンガード」、除菌剤「ファミリーガード」及びシューケア剤「KIWI」などがあり、我が国においても安全性や使い勝手の良さ、効果の大きさから多大な人気を博している。
 そして、引用商標を使用した芳香剤商品は、1956年に米国において、1978年に我が国において発売が開始されて以来、世界トップシェアを誇り、我が国においても、特に人感スプレーなどの器具を使用して芳香を発生させる器具式芳香剤市場において、売上第1位を記録している(インテージSRI+ 2017年1月1日ないし2021年6月30日までの部屋用芳香剤市場データから算出)(甲6)。
 申立人は、引用商標を付した商品に関し、日本市場において2021年4月から2022年3月期に8千万円以上の宣伝広告費を投じ、20億円を超える売上を計上した。また、テレビやウェブでも数多くのCMを放映し、2019年には、モデル、タレント、女優として活躍しているローラ氏を起用して話題となったほか(甲7)、2021年には「スヌーピー」のキャラクターとのコラボレーションによる商品を発売し、人気を得た(甲8)。
 このように、引用商標は、米国発売日から今日まで、60年を超える長きにわたり、世界各国において継続して申立人の提供に係る芳香剤商品の出所識別標識として使用されてきた。このような申立人のたゆまぬ企業努力により、「GLADE」の語は、単に既存の英単語としてだけでなく、申立人の商標として辞書に掲載されるに至っている(甲9)。
 上記の事実に照らせば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、本件商標の指定商品の取引者、需要者の間で申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたことが明らかである。
 エ 引用商標と本件商標の指定商品及び指定役務の関連性
 引用商標は、芳香剤及びそれを蒸散、噴霧する家庭用器具、アロマキャンドル等、家庭用の芳香剤に関する商品を幅広く取り扱っている(甲10)。 これに対し、本件商標の指定商品及び指定役務は、別掲1のとおりであり、これら商品及び役務はまさに引用商標が使用され、周知性を獲得している分野である。
 したがって、本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品とは、取引者、需要者を共通とする極めて関連性の高い商品であるといえる。
 オ 引用商標と本件商標の比較
 上述のとおり、引用商標は、いずれも欧文字「GLADE」または「glade」からなる構成である一方、本件商標は欧文字「SHADE」からなるものである。どちらも5文字の欧文字からなり、そのうちの半数以上にあたる3文字「ADE」が一致している。
 したがって、これら商標は外観において極めて近似した印象を与えるものであって、時と所を異にしてこれら商標に接した際には、需要者に見誤られるおそれがあるといえる。
 また、引用商標は「グレード」と称呼されるところ、2音目の「レ」が発音しづらい弾音であるラ行の音であるため力を込めて発音されることから、語頭の「グ」は比較的弱く詰まったように発音されるといえる。そのため、「レード」の部分が強く聴取されるといえる。
 これに対し、本件商標は「シェード」と称呼されるところ、語頭の「シ」の音は聞き取りづらい破擦音であることから、「エード」に近く聴取されるといえる。
 そうすると、両商標は3音のうち2音を共通とするものであり、語調、語感が極めて近似した、称呼において相紛らわしい商標であるといえる。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性
 引用商標は、いずれも本件商標の国際商標登録出願日前に出願され、登録されたものである。そして、上述のとおり、本件商標と引用商標が類似するものであり、両商標の指定商品が互いに同一又は類似するものである。
 よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性
 上述したように、引用商標は、申立人の拠点である米国はもとより、我が国においても周知の商標である。そして、本件商標の指定商品は、引用商標を付した芳香剤商品に類似するものである。
 そうすると、申立人とは無関係の者が引用商標と類似する本件商標を使用することにより、需要者が同人及びその提供する商品が申立人及び申立人の提供する「GLADE」商品となんらかの関係があるものと誤認・誤信され、本件商標は商品の出所につき混同を生ずるおそれがある。
 よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
 
4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性
 申立人の主張及び同人が提出した証拠によれば以下のとおりである。
 ア 申立人は、1886年に米国ウィスコンシン州ラシーンで創業して以来、世界各国で家庭用化学製品の製造販売を行っており、1962年には、日本法人であるジョンソン株式会社が創業された(申立人の主張)。
 イ 引用商標を使用した芳香剤商品(以下「使用商品」という。)は、1956年に米国において、1978年に我が国において発売が開始されて以来、世界トップシェアを誇るとされるが、何らその主張を裏付ける証拠の提出はない。
 ウ 「LOHACO」のウェブサイト(甲6)において、「【お得なセット】グレード 消臭センサー&スプレー 消臭スプレー芳香剤 最強消臭 リフレッシュス・・720円(税込)」の見出しの下、商品の写真が掲載され、「商品仕様/スペック」の記載とともに、「器具式芳香剤市場で売上No.1」、「「グレード 消臭センサー&スプレー」は、器具式芳香剤市場で売上No.1を獲得!」、「※インテージSRI+ 2017年1月1日から2021年6月30日までの部屋用芳香剤市場データから算出した売上げ金額(ジョンソン調べ)」等の記載があるものの、引用商標の表示は見受けられない。加えて、上記記載の算出根拠となった売上金額を裏付ける証拠や、上記商品の市場占有率等を示す証拠の提出はない。
 エ 申立人は、使用商品に関し、日本市場において2021年4月から2022年3月期に8千万円以上の宣伝広告費を投じ、20億円を超える売上を計上したとするが、何らその主張を裏付ける証拠の提出はない。
 オ 申立人ウェブサイトの2019年4月16日付けプレスリリース(甲7)において、「グレード×ローラ その香り、グレード/「グレードタッチ&フレッシュ」/「グレード消臭センサー&スプレー」/2019年4月19日発売」の見出しの下、「ジョンソン株式会社・・・は、消臭芳香剤ブランド「グレード」から・・・新製品・・・を2019年4月19日に発売いたします。」の記載とともに、パッケージに引用商標4に類似する標章(円弧の態様が相違し、円弧の下には「グレード」の文字が小さく表されている。(以下「引用商標4に類似する標章」という。」))が付された3種類の商品の写真が掲載されている。
 カ 「キャラWalker」のウェブサイト(甲8)において、「スヌーピーのアイマスク付き!おしゃれな芳香剤“グレード”とPEANUTSがコラボ 2021.5.18 UPDATE!!」の見出しの下、「人影を感知して自動でスプレーしてくれる芳香剤・グレードから、スヌーピーのオリジナルアイマスク付きが数量限定で販売中!」、「スタイリッシュな芳香剤」、「5月1日より発売が開始された「スヌーピーオリジナルアイマスク付きグレード(R)消臭センサー&スプレー」」((R)は「R」の丸囲み。以下、同じ。)等の記載とともに、引用商標4に類似する標章が表示されている。
 キ 申立人ウェブサイト(甲10)において、「製品ラインナップ」の見出しの下、「グレード(R)消臭センサー&スプレー(甲10の1、甲10の4)、「グレード(R)ソリッドエアフレッシュナー」(甲10の2)、「グレード(R)ハング&フレッシュ 香りのプチバッグ」(甲10の3)、「グレード(R)タッチ&フレッシュ」及び「グレード(R)ジェル」(甲10の5)と称する商品(消臭芳香剤)が掲載されており、該申立人ウェブサイト及び商品パッケージに、引用商標4に類似する標章が表示されているものの、これら商品の該申立人ウェブサイトへの掲載年月日は明らかでない。
 ク 以上によれば、申立人は、我が国において、2017年1月ないし2021年6月頃の期間において、商品「器具式芳香剤」を販売し、その包装に引用商標4に類似する標章を付していたことはうかがえる。
 しかしながら、申立人の提出に係る甲各号証からは、申立人の製造販売に係る器具式芳香剤を含む使用商品の販売開始時期、販売期間、売上金額、市場占有率等の販売実績や広告宣伝活動を客観的に裏付ける証拠の提出がないことから、引用商標の周知性の程度を推し量ることができない。
 したがって、申立人が提出した証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
 ケ 申立人の主張について
 申立人は、引用商標を構成する「GLADE」の文字は、単に既存の英単語としてだけでなく、申立人の商標として辞書に掲載されるに至っていると主張する。
 確かに、「英辞郎 on the WEB」のウェブサイト(甲9)において、「glade」の成語の意味の下に、「Glade」の見出しの下、「商標 グレード◆アメリカの空気清浄剤・芳香剤。アメリカでは日本より空気清浄剤や芳香剤が使用される。」の記載があることは確認できる。
 しかしながら、該記載からは、該「Glade」が申立人に係る商標であるのかは明らかでないことに加え、上記クのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできず、また、「glade」の文字は、甲第9号証が示すとおり、「低湿地、林間の空き地」等の意味を有する成語でもあることからすれば、「GLADE」の文字は申立人の商標として辞書に掲載されているとする申立人の主張を、採用することはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
 ア 本件商標について
 本件商標は、「SHADE」の欧文字を横書きしてなり、該文字に相応して「シェード」の称呼を生じ、「日除、日覆い」(広辞苑第7版 株式会社岩波書店)の観念を生じるものである。
 イ 引用商標について
(ア)引用商標1
 引用商標1は、上段に「GLADE」の欧文字、下段に上段の読みを表したものと理解される「グレード」の平仮名を2段に書してなり、該文字に相応して「グレード」の称呼を生じ、「低湿地、林間の空き地」(甲9)の観念を生ずるものである。
(イ)引用商標2
 引用商標2及び引用商標3は、「GLADE」の文字を標準文字で表してなり、該文字に相応して「グレード」の称呼を生じ、「低湿地、林間の空き地」の観念を生ずるものである。
(ウ)引用商標4は、別掲4のとおり、「l」の下辺を円弧状にデザイン化した「glade」の欧文字(以下「文字部分」という場合がある。)を筆記体風に表し、「a」と「d」の欧文字の上に花びらと思しき図形(以下「図形部分」という場合がある。)を配した構成よりなるところ、該図形部分は、我が国において特定の事物を表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないものであるから、これより直ちに特定の称呼及び観念を生じるものではなく、また、文字部分と観念上のつながりを見いだすことはできない。
 そうすると、引用商標4は、文字部分に相応して「グレード」の称呼を生じ、「低湿地、林間の空き地」の観念を生ずるものである。
 ウ 本件商標と引用商標との類否について
 本件商標と引用商標1の欧文字部分、引用商標2、引用商標3及び引用商標4の文字部分との類否を検討すると、両者の構成は、それぞれ上記ア及びイ(ア)ないし(ウ)のとおりの構成であるところ、外観において、語頭における「SH」と「GL」の文字との差異があり、ともに短い5文字の構成におけるこれらの差異によって、両商標は印象が異なることから、相紛れるおそれはない。
 また、本件商標と引用商標1及び引用商標4の構成全体との比較においても、それぞれ平仮名の有無又は図形部分の有無という顕著な差異があり、両者は相紛れるおそれはない。
 次に、称呼において、本件商標から生じる「シェード」の称呼と引用商標から生じる「グレード」の称呼とは、称呼の識別上重要な要素である語頭において「シェ」と「グレ」の音の差異を有するものであり、該差異が3音ないし4音という短い音数からなる両称呼全体に与える影響は大きく、これら一連に称呼をするときは、両者は、語調語感が相違し聞き誤るおそれはないというべきである。
 さらに、観念において、本件商標は、「日陰、日覆い」の観念を生じ、引用商標は、「低湿地」の観念を生じるから、両者から生じる観念は相違し、紛れるおそれはない。
 そうすると、本件商標と引用商標は、外観において相紛れるおそれはなく、称呼において聞き誤るおそれはなく、観念において相違するものであるから、両商標の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
 エ 小括
 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定商品及び指定役務に、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品又は役務を含むものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
 上記(1)クのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであり、上記(2)ウのとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであり、その類似性は高いものとはいえない。
 そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品及び役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び
役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
 その他、本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
 よって、結論のとおり決定する。


        令和 5年 4月11日

     審判長  特許庁審判官 大森 友子
          特許庁審判官 小俣 克巳
          特許庁審判官 石塚 利恵

 
 別掲1 本件商標の指定商品及び指定役務
 第3類「Air fragrancing preparations; perfume preparations; air freshener preparations; perfumery products and perfumes; eau de cologne; incense; cosmetics; soaps; aromatic essential oils; oils for perfumes and scents; oils for toilet purposes; laundry detergents; essential oils as laundry perfume; potpourris [fragrances]; air fragrance reed diffusers; room perfumes in the form of sprays.」
 第4類「Candles; perfumed candles.」
 第21類「Aromatic oil diffusers other than stick diffusers; perfume diffusers [receptacles]; services [dishes]; tableware; art objects made of porcelain, ceramic, earthenware, terracotta or glass.」
 第35類「Wholesale services concerning perfume preparations; retail services in connection with perfume preparation; commercial information and advice for consumers (consumer advice shop).」
  
 別掲2 引用商標2の指定商品
 第3類「洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),つや出し剤,擦り磨き剤,洗濯用漂白剤,洗濯用しみ抜き剤,洗濯用洗剤,洗濯用柔軟剤,せっけん類,洗剤,使い捨て用ワイプに染みこませた洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),空気のための芳香剤」
 第4類「ろうそく,小ろうそく,ろうそく用灯芯」
 第5類「空気清浄剤,空気脱臭剤,空気浄化剤,空気殺菌剤,布用の防臭剤,カーペット及び室内用防臭剤,殺菌剤及び消毒剤」
 第11類「空気清浄剤・防臭剤を放出する電気式暖房装置,家庭用電気式芳香発生器」
 
 別掲3 引用商標3の指定商品
 第3類「身体用ローション,身体用せっけん,被服用ハンガーに吊り下げるペンダント状の芳香剤」
 第5類「手指用殺菌剤,空気清浄剤」
 第16類「使い捨て不織布製ウェットティッシュ(紙製品に属するものに限る。),化学薬品又は化合物をしみこませた身体の汚れを拭き取るための使い捨てふき取り紙」
 第21類「スポンジ,糸くず取りローラー,トイレットペーパーホルダー」
 別掲4 引用商標4
    
  
 別掲5 引用商標4の指定商品
 第3類「Indoor or room perfumes; essential oils for room fragrancing; air fragrances; air fragrancing preparations; potpourris [fragrances]; incense; cleaning, polishing, degreasing and abrasive preparations; polishing wax; pipe cleaning products; soaps; detergents other than for use in manufacturing operations and for medical purposes.」
 第4類「Candles (lighting); perfumed candles.」
 第5類「Air purifying products; air sanitizing preparations; odor neutralizing preparations; deodorants not for personal use; indoor or room deodorizers; carpet deodorizers; fabric deodorizers; germicidal products; liquid disinfectants and disinfectants for spraying.」
 
 
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)        特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。


〔決定分類〕T1651.1  -Y  (W03042135)

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 5年 4月11日  審判書記官  奥村 恵子