審決


不服2022-650039

310 N. Westlake Blvd., Suite 120 Westlake Village CA 91362 (US)
 請求人
LogicMonitor, Inc.
  
東京都千代田区丸の内一丁目7番12号 サピアタワー
 代理人弁理士
林 栄二
  
東京都千代田区丸の内一丁目7番12号 サピアタワー
 代理人弁理士
宮城 三次
  
東京都千代田区丸の内一丁目7番12号 サピアタワー
 代理人弁理士
木村 一弘
  


 国際登録第1556043号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 本件審判の請求は、成り立たない。



 理 由
  
第1 手続の経緯
 本願は、2020年(令和2年)4月1日にUnited States of Americaにおいてなされた商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年9月2日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は、以下のとおりである。
 2021年(令和3年)8月31日付け:暫定拒絶通報
 2021年(令和3年)9月29日付け:意見書、手続補正書
 2022年(令和4年)3月24日付け:拒絶査定
 令和4年(2022年)5月17日付け:審判請求書
 令和4年(2022年)11月1日付け:審尋
 
第2 本願商標
 本願商標は、「LM」の文字を横書きしてなり、第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された役務を指定役務として国際商標登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第42類「Design and development of computer software for data automation and collection service using proprietary software to evaluate, analyze and collect service data; technical support services, namely, migration of datacenter, server and database applications; technical support services, namely, troubleshooting of computer software problems; troubleshooting of computer software problems.」に補正されたものである。
 
第3 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、「LM」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、ローマ字2字からなる標章は、一般に、役務の種別・等級等を表すための記号、符号として取引上普通に採択使用されているものであるから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 
第4 当審においてした審尋(要旨)
 当審において、本願商標の商標法第3条第1項第5号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲の証拠を示すとともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
 
第5 審尋に対する請求人の回答
 請求人は、上記第4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
 
第6 当審の判断
 1 商標法第3条第1項第5号について
 本願商標は、欧文字の「L」と「M」とを、一般に用いられる書体により、「LM」と横書きしてなるものである。
 ところで、欧文字が、製品や役務の管理のための符号として一般に用いられることがあることは、公知の事実であるところ(知財高裁平成19年(行ケ)第10050号判決参照)、本願の指定役務のようなコンピュータソフトウェアに関わる分野においても、欧文字2字が、自己の製造、販売に係る商品又は提供に係る役務について、その商品又は役務の管理又は取引の便宜性等の事情から、商品の品番、型番、種別、型式、規格等又は役務の種別、等級等を表した記号又は符号として、取引上普通に採択、使用されているのが実情である(別掲の事例1ないし4の使用例参照)。
 また、本願の指定役務以外の様々な商品又は役務分野においても同様であることは、別掲の事例5ないし11の使用例からも十分に裏付けられる。
 そして、本願商標は、欧文字2文字を、一般に用いられる書体で横書きしてなるものであり、用いられる文字の形や組合せ方法に特徴があるわけではなく、また、文字数も2文字と少ないものであるところ、このような構成に照らせば、本願の指定役務の分野において、管理のための記号又は符号として普通に用いられるものと比べて、本願商標は、その構成において、特段の差異があるとは認められない。
 そうすると、本願商標を、その指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、役務の種別、等級等を表した記号又は符号の一類型を表示したものとして、看取、認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものというべきであって、自他役務の識別標識とは認識し得ないものである。
 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
 2 請求人の主張について
 請求人は、「LM」の文字が、ソフトウェアの分野において、ありふれたものとして普通に使用されているという取引の実情は発見できず、商標として使用され(甲1~甲3)、出所識別標章として機能しており、取引者、需要者に請求人の業務に係る役務であることを認識させる等を述べ、本願商標は、自他役務の識別力を有している旨主張する。
 しかしながら、仮に、ソフトウェアの分野において、「LM」の文字が、ありふれたものとして普通に使用されているという取引の実情がうかがえないとしても、上記1のとおり、ソフトウェアの分野を含む様々な商品又は役務分野において、「LM」など欧文字2字が、自己の商品又は役務の管理又は取引の便宜性等の事情から、商品の品番等又は役務の種別、等級等を表した記号又は符号として、取引上普通に採択、使用されているのが実情であること、そして、本願商標の構成は、2文字と少ない文字数であり、かつ、用いられる文字の形や組合せ方法に特徴があるわけではなく、指定役務の分野において、管理のための記号又は符号として普通に用いられるものと比べて、特段の差異があるとは認められないことを踏まえると、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
 また、請求人の提出に係る甲各号証によっては、同人の提供に係る役務について、「LM」の標章が使用されていることをうかがえるにすぎず、その使用に係る具体的な開始時期、期間、売上実績、広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等は一切明らかでないことから、これをもって、本願商標が、請求人の業務に係る役務であることを表す出所識別標識として、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていると判断することができない。
 したがって、請求人の主張は採用することができない。
 3 まとめ
 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものであるから、これを登録することができない。
 よって、結論のとおり審決する。
 
 


        令和 5年 3月15日

     審判長  特許庁審判官 旦 克昌
          特許庁審判官 馬場 秀敏
          特許庁審判官 山根 まり子

 
別掲 商品の品番、型番、種別、型式、規格等又は役務の種別、等級等を表した記号又は符号として、欧文字2字が使用されている事例
 1 「NEC Infrontia」のウェブサイトにおいて、「TWINPOS3500 ソフトウェア型番一覧 [機種コード P325]」との見出しの下、「品名」の項に「電子ジャーナルソフトウェア」及び「型番」の項に「PL-PS135-C1」との記載がある。
https://support.necplatforms.co.jp/cp/pws-sss/pos_old/tw3000/software/ktaban.aspx
 2 「株式会社小野測器」のウェブサイトにおいて、「DS-2000 よくあるご質問」との見出しの下、「型名」の項に「DS-0222VA」及び「品名」の項に「2ch用トラッキング解析ソフト」との記載がある。
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/faq/ds2000/ds200021.htm
 3 「ライセンスオンラインBiz」のウェブサイトにおいて、「LanScope クラウド版」との見出しの下、「ベーシック月額ライセンス-1ヵ月」の項に「型番 AN-G/MB」及び「24/365紛失サポート_ロック-1ヵ月」の項に「型番AN-G/L-M」との記載がある。
https://biz.licenseonline.jp/product.php?id=489
 4 「X-MON」のウェブサイトにおいて、「X-MON ソフトウェア 価格表」との見出しの下、「X-MONテクニカルサポート1年」の項に「品番:XT-XM3036」との記載がある。
https://x-mon.jp/price/software
 5 「cosmotec」のウェブサイトにおいて、「接続部品 真空側 片側コネクタ付きケーブル LM-JJ/LM-JJ-F 用 L=1000」との見出しの下、「型式:VCK1000X/LM」との記載がある。
https://www.cosmotec-co.jp/products/detail/32/product_id/20139
 6 「工具通販ビルディ」のウェブサイトにおいて、「ピカ LM-120 天板高さ(m) 1.10」との見出しの下、「品番:LM-120」との記載がある。
https://www.bildy.jp/jobsite/step_ladder-model-lm-120/30352-1
 7 「業務用厨房機器通販の厨房センター」のウェブサイトにおいて、「LM-550M-1 ホシザキ 全自動製氷機 ビッグアイスメーカー」との見出しの下、「商品詳細情報」の項に、「商品型番/型式 LM-550M-1」との記載がある。
https://www.chuubou.com/products_detail/LM-550M-1ホシザキ全自動製氷機ビッグアイスメーカー
 8 「キーエンス」のウェブサイトにおいて、「三次元 画像寸法測定器 LM-Xシリーズ データ転送ソフトウェア IM-H1T」との見出しの下、「仕様」の項に、「型式 IM-H1T」との記載がある。
https://www.keyence.co.jp/products/measure-sys/image-measure/lm-x/models/im-h1t/
 9 「配管部品 ヤフー店」のウェブサイトにおいて、「未来工業:ソケットレンチ(ロング)樹脂タイプ 型式:LM-S17LJ」との記載がある。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/haikanbuhin/00846427.html
 10 「株式会社アイ・ラーニング」のウェブサイトに、「アセンブラー言語演習~実機演習で学ぶプログラム保守とダンプ解析~」の見出しの下、「コースコード DA053」との記載がある。
https://www.i-learning.jp/products/detail.php?course_code=DA053
 11 「株式会社MAXメディカル」の「CLINICAL VOLUNTEER SUPPORT」のウェブサイトに、「【台東区】20~39歳 入院6泊×2回+通院2回<グループ(2)>」の見出しの下、「安心のジェネリック医薬品の治験」の項に、「CVS管理コード:MP233」との記載がある。
https://c-vs.jp/item_detail/MP233/
 
 
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)                この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。                 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)        特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
  
審判長 旦 克昌           
 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。


〔審決分類〕T18  .15 -Z  (W42)

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 5年 3月15日  審判書記官  奥村 恵子