審決


不服2022-650100

10 New Street,London EC2M 4TP(United Kingdom)(GB)
 請求人
ORVEDA LIMITED
  
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
 代理人弁理士
稲葉 良幸
  
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
 代理人弁理士
田中 克郎
  
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階 TMI総合法律事務所
 代理人弁理士
石田 昌彦
  
大阪府大阪市北区角田町8-1 大阪梅田ツインタワーズ・ノース36階 TMI総合法律事務所(大阪オフィス)
 代理人弁理士
両部 奈穂子
  


 国際登録第1583597号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する不服審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。



 理 由
  
第1 本願商標
 本願商標は、「CLEAN-ICAL」の文字を横書きしてなり、第3類に属する日本国を指定する国際登録において指定された「Cosmetics, particularly face, body and hand creams, milks, lotions, gels and powders; tanning and after-sun milks, gels and oils (cosmetics); make-up products.」を指定商品として、2020年(令和2年)11月21日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年12月21日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
 本願は、2022年(令和4年)1月20日付けで暫定拒絶通報、同年8月8日付けで拒絶査定がされたものである。
 これに対して、令和4年11月17日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
 
第2 原査定の拒絶の理由の要点
 1 本願商標は、「CLEAN-ICAL」の文字を横書きしてなるところ、これは、「Clean」及び「Clinical」の二語から作られた語である。そして、「Clean」の文字は、近年注目されている「Clean Beauty」(人体や環境に有害とされる成分を含まない化粧品等)に関連するものであること、「Clinical」の文字は、医師の監修によるものであることをそれぞれ想起させるものである。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用したときは、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり、また、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
 2 本願商標は、登録第6177533号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
 そして、引用商標は、「CLEANICAL」の文字を横書きしてなり、2018年(平成30年)8月23日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成31年2月14日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年9月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
 
第3 当審の判断
 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
 本願商標は、「CLEAN-ICAL」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、一般の辞書類に載録された既成の語ではなく、一般に親しまれた語でもないから、本願の指定商品との関係においては、商品の品質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
 また、当審において職権をもって調査したところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、当該文字が、商品の品質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
 そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものということはできず、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
 2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
 本願商標は、「-」(ハイフン)符号を介して「CLEAN」と「ICAL」の欧文字を左右に配し「CLEAN-ICAL」と横書きしてなるところ、当該文字は、一般の辞書類に載録された既成の語ではなく、直ちに特定の意味合いを理解させるとはいい難いことから、特定の観念は生じないものである。
 そして、特定の意味を有しない欧文字は、一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されるところ、本願商標の構成中、前半の「CLEAN」の文字部分は、「清潔な、きれいな」の意味を有し、一般的に慣れ親しまれている外来語であるから、当該文字部分に相応して「クリーン」の称呼を生じるものというのが相当であり、他方、構成中、後半の「ICAL」の文字部分は、例えば、「氷」の意味を有し「アイス」と称呼する「ice」、「アイロン」の意味を有し「アイロン」と称呼する「iron」や「考え」の意味を有し「アイデア」と称呼する「idea」(ベーシックジーニアス英和辞典 第2版 株式会社大修館書店)のような一般的に慣れ親しまれている外来語の称呼に倣うと、当該文字部分に相応して「アイカル」の称呼を生じるものというのが相当である。
 したがって、本願商標は、全体として「クリーンアイカル」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
 引用商標は、「CLEANICAL」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、一般の辞書類に載録された既成の語ではなく、直ちに特定の意味合いを理解させるとはいい難いことから、特定の観念は生じないものである。
 そして、特定の意味を有しない欧文字は、一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,当該文字部分は,その読みに倣って「クリーニカル」又は「クレアニカル」の称呼を生じるというのが相当である。
 したがって、引用商標は、「クリーニカル」又は「クレアニカル」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
 ア 本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成する欧文字が共通するものの、本願商標が有する「-」(ハイフン)符号に差異を有するところ、当該符号は二語を連結する際に使用されるものであるから、本願商標は、一般的に慣れ親しまれている外来語である「CLEAN」と「ICAL」から構成されると理解されるものであり、引用商標とは、別異の語であるとの印象を与えるものであるから、両者は、視覚的な印象が相違し、両者の外観は、判然と区別し得るものである。
 イ 称呼においては、本願商標から生じる「クリーンアイカル」の称呼と引用商標から生じる「クリーニカル」の称呼とは、「クリー」及び「カル」の音を共通にするが、全体の音数(8音又は6音)が異なり、「ンアイ」又は「ニ」の音の差異があるため、該差異が全体の称呼に与える影響は比較的大きいものであり、それぞれを一連に称呼するときでも聞き誤るおそれはないというべきである。
 また、本願商標から生じる「クリーンアイカル」の称呼と引用商標から生じる「クレアニカル」の称呼とは、「ク」、「ア」及び「カル」の音を共通にするが、全体の音数(8音又は6音)が異なり、「リーン」と「イ」、又は、「レ」と「ニ」の音の差異があるため、該差異が全体の称呼に与える影響は比較的大きいものであり、それぞれを一連に称呼するときでも聞き誤るおそれはないというべきである。
 ウ 観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。
 エ そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観においては、その印象が相違し、判然と区別し得るものであり、称呼においては、聞き誤るおそれはないものであるから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、これらは相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
(4)小括
 上記(3)のとおり、本願商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号には該当しない。
 3 まとめ
 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第11号のいずれにも該当しない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
 


        令和 5年 9月 5日

     審判長  特許庁審判官 旦 克昌
          特許庁審判官 馬場 秀敏
          特許庁審判官 山根 まり子

 
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〔審決分類〕T18  .13 -WY (W03)
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上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 5年 9月 5日  審判書記官  眞島 省二