審決


不服2022-650005

412 Mount Kemble Avenue, Morristown NJ 07960(US)
 請求人
Arxada, LLC
  
大阪府大阪市北区中之島三丁目2番4号 中之島フェスティバルタワー・ウエスト
 代理人弁理士
弁理士法人深見特許事務所
  


 2020年2月10日に事後指定が記録された国際登録第1348929号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 本件審判の請求は、成り立たない。



 理 由
  
第1 本願商標及び手続の経緯
 本願商標は、「NUGEN」の欧文字を横書きしてなり、第5類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2020年2月10日に国際商標登録出願(事後指定)されたものである。
 本願は、2021年(令和3年)4月9日付け暫定拒絶の通報がされ、同年7月26日に意見書が提出され、同日付け手続補正書により、本願の指定商品は、別掲1に記載のとおりの商品(以下「原審補正商品」という。)に補正されたが、同年10月27日付けで拒絶査定され、これに対し、令和4年2月10日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。
 
第2 引用商標
 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4802340号商標(以下「引用商標」という。)は、「NUGEN」の文字を標準文字で表してなり、平成13年11月5日に登録出願、第1類、第5類、第9類及び第42類に属する別掲2に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年9月10日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
 
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
 原査定は、本願商標と引用商標は、観念については比較することができないものの、外観及び称呼が類似するものであり、原審補正商品は、引用商標に係る指定商品と類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 
第4 当審の判断
 1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
 本願商標は、上記第1のとおり、「NUGEN」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「ヌゲン」の称呼が生じるものである。
 また、「NUGEN」の欧文字は、一般の辞書等に載録された特定の意味を有する語ではなく、また、本願の指定商品との関係において、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような事情はないため、これよりは特定の観念は生じないものである。
 したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「ヌゲン」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
 引用商標は、上記第2のとおり、「NUGEN」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「ヌゲン」の称呼が生じるものである。
 また、「NUGEN」の文字は、上記(1)と同様に、一般の辞書等に載録された特定の意味を有する語ではなく、また、引用商標の指定商品及び指定役務との関係において、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような事情はないため、これよりは特定の観念は生じないものである。
 したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「ヌゲン」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
 本願商標と引用商標を比較すると、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較し得ないものの、「NUGEN」のつづりを共通にするため外観において相紛らわしく、「ヌゲン」の称呼を共通にすることから、これらは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)原審補正商品と引用商標に係る指定商品及び指定役務の類否について
 原審補正商品は、引用商標に係る指定商品及び指定役務中の第5類「臨床・診断及び医療実験用の核酸・タンパク質及び抗体の分析のためのキット状のアッセイ用試薬,臨床・診断及び医療実験用の核酸配列増幅・シーケンシング・配列分析及び検出・オリゴヌクレオチド・cDNA及びRNAライブラリー並びにマイクロアレーのためのキット状のアッセイ用試薬,薬剤」と同一又は類似の商品である。
(5)小括
 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、原審補正商品は、引用商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
 2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、本願商標と引用商標とが類似の商標であるとしても、本願商標の付される商品の製造販売は化学薬品等を扱う事業者であるのに対し、引用商標の付される商品の製造販売は、生物学遺伝学用製剤等を扱う事業者であり、両商品の原材料、用途、需要者、取引者の範囲も相違するものであるから、類似の商標を付して使用してもそれらの商品が同一営業主の製造販売に係る商品と誤認混同するおそれはない旨主張する。
 しかしながら、商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否とは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、商標法第4条第1項第11号にいう「類似の商品」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和33年(オ)第1104号、同36年6月27日第三小法廷判決参照)。
 そして、原審補正商品は、請求人が審判請求書で述べるとおり、原材料はアルコール系製剤や塩素系製剤であり、一般に化学薬品等を製造販売する事業者により生産され、抗菌や消毒等を目的として医療施設や一般家庭等において衛生対策のために使用されるものであるところ、引用商標の指定商品中の「薬剤」にはこれらの商品が含まれるものであるから、原審補正商品は、引用商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似のものと判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書、令和4年9月14日付け及び同5年7月11日付け上申書、同4年12月7日付け、同5年3月6日付け及び同年5月11日付け回答書において、引用商標の権利者(以下「引用商標権者」という。)と交渉を行っている旨述べている。
 しかしながら、本件の審判請求日(令和4年2月10日)から相当の期間を経過するも、引用商標権者の名義が、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に、あるいは、請求人の名義が、引用商標権者に承継された事実は確認できないため、これ以上、本件の審理を猶予すべき理由はない。
 3 まとめ
 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
 よって、結論のとおり審決する。


        令和 5年11月14日

     審判長  特許庁審判官 豊田 純一
          特許庁審判官 小田 昌子
          特許庁審判官 岩谷 禎枝

 
 
別掲1(原審補正商品)
 第5類「Antimicrobial cleaning formulations sold in bulk for use as an ingredient, pre-mix or formulated concentrate in hard surface disinfectants, cleaners or sanitizers for use in healthcare, household, institutional, and janitorial applications as bacteriacides, virucides, and fungicides; disinfectants in the form of wipes for sanitizing purposes, namely, for healthcare, household, institutional, and janitorial.」
 
別掲2(引用商標に係る指定商品及び指定役務)
 第1類「科学及び研究用の核酸・タンパク質及び抗体の分析のためのキット状のアッセイ用試剤,科学及び研究用の核酸配列増幅・シーケンシング・配列分析及び検出・オリゴヌクレオチド・cDNA及びRNAライブラリー及びマイクロアレーのためのキット状のアッセイ用試剤,化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」
 第5類「臨床・診断及び医療実験用の核酸・タンパク質及び抗体の分析のためのキット状のアッセイ用試薬,臨床・診断及び医療実験用の核酸配列増幅・シーケンシング・配列分析及び検出・オリゴヌクレオチド・cDNA及びRNAライブラリー並びにマイクロアレーのためのキット状のアッセイ用試薬,薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」
 第9類「遺伝子研究用のコンピュータソフトウェア及びハードウェア,遺伝子研究及び試験用の実験用機器及び装置,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,ロケット,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,潜水用機械器具,検卵器,電動式扉自動開閉装置」
 第42類「薬物発見・診断・臨床アプリケーション・法医学・食品試験及び農産物用の核酸分析技術の研究及び開発,その他のバイオテクノロジーの研究及び開発,バイオテクノロジーの分野における知的財産権のライセンス契約の媒介,他者のための医薬品の研究及び開発,遺伝子及び医薬品の分野におけるコンサルティング,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,タオルの貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,布団の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」
 
 
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
 この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
  
審判長 豊田 純一          
 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。


〔審決分類〕T18  .261-Z  (W05)
            262
            263
            264

上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 5年11月14日  審判書記官  村守 芙沙子