理 由 |
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1 本願商標 |
本願商標は、「VIZOR」の文字を横書きしてなり、第12類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2020年(令和2年)4月21日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年10月6日に国際商標登録出願されたものである。 |
本願は、2021年(令和3年)9月22日付けで暫定拒絶通報の通知がされ、令和3年12月24日付けで意見書が提出されたが、2022年(令和4年)4月6日付けで拒絶査定がされたものである。 |
これに対して令和4年7月15日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定商品については、当審における令和5年8月22日付け手続補正書の提出により、第12類「Body panels for motor vehicles; radiator grills for motor vehicles.」に補正されたものである。 |
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2 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、「本願商標は、「VIZOR」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、「vizor」の文字は、「〔帽子の〕ひさし、〔車用の〕サンバイザー、日よけ板」の意味を有する語として知られており、我が国における自動車業界においても「vizor」(visor)又は「バイザー」の文字は、自動車の運転席や助手席のフロントウインドウ部分に日よけを目的として取り付ける部品を意味する語として使用されている実情がある。そうすると、本願商標は、その指定商品中、自動車の部品及び予備部品に使用した場合、「日よけを目的として自動車のフロントウインドウ部分に取り付ける部品及び予備部品」ほどの意味合いを理解させるにとどまる。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
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3 当審の判断 |
本願の指定商品は、上記1のとおり補正された結果、原審説示の内容を理解させる商品ではなくなったと認められる。その結果、本願商標は、指定商品の品質を表示するとはいえないものである。 |
また、本願の指定商品が前記のとおり補正されたことに加え、「バイザー」の文字を含む自動車の部品が「サンバイザー」に限られず多様に存在することや、「サンバイザー」を単に「バイザー」のみで表すことが一般的とはいい難いことをも考慮すれば、本願商標を補正後の指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないというべきである。 |
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。 |
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
よって、結論のとおり審決する。 |
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