理 由 |
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1 本願商標及び手続の経緯 |
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第1類及び第30類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2021年(令和3年)7月1日及び同年12月17日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年12月24日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 |
本願は、2023年(令和5年)1月16日付けで拒絶理由が通知され、同年3月9日付けで手続補正書及び意見書が提出されたが、同年6月5日付けで拒絶査定がされたものである。 |
これに対して、令和5年9月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定商品について、当審における同日付けの手続補正書により補正された結果、第1類「Bread improvers for industrial or artisanal use; dough improvers, namely, bread-making aids for industrial or artisanal use for use in the nature of dough conditioners and dough stabilizers; enzymes for bread-making and fermentation; flavor enhancers for food products other than essential oils for use in the baking industry(chemicals); additives (chemicals) for fermentation.」及び第30類「Flour and preparations made from cereals, bread; yeast, bread improvers for household use; baking powder; yeast, ferments for dough, flavors and aromatic preparations for food use; food flavorings (other than essential oils); mixes for making bakery products namely bread, Viennese pastries and pizza dough; bakery mixes (ready-to-use bread-making mixes); mixtures and premixes for bread-making; yeast-based preparation for bread, Viennese pastries and pizza dough.」 |
となった。 |
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2 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
(1)商標法第6条第1項について |
本願は、その指定商品中、第1類において指定する商品に、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない商品を包含している。 |
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。 |
(2)商標法第4条第1項第11号について |
本願商標は、登録第4144293号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第4979399号商標(以下「引用商標2」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 |
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3 当審の判断 |
(1)商標法第6条第1項について |
本願の指定商品は、上記1のとおりの商品に補正された結果、その内容及び範囲が明確なものとなったと認められる。 |
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備するものとなった。 |
(2)商標法第4条第1項第11号について |
引用商標1の商標権は、令和5年9月14日に、商標法第50条第1項の規定に基づく不使用取消審判が請求され、同6年3月21日にその商標登録の指定商品中、第3類「香料類」についての登録を取り消す旨の審決が確定し、同年7月11日にその審決の確定登録がされたものである。その結果、本願の指定商品は、引用商標1の指定商品と類似しない商品になった。 |
引用商標2の商標権は、令和5年9月14日に、商標法第50条第1項の規定に基づく不使用取消審判が請求され、同6年2月19日にその商標登録の指定商品中、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,菓子及びパン(「氷砂糖・水あめ」を除く。),穀物の加工品,サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,即席菓子のもと,食用粉類」についての登録を取り消す旨の審決が確定し、同年3月15日にその審決の確定登録がされたものである。その結果、本願の指定商品は、引用商標2の指定商品と類似しない商品になった。 |
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 |
(3)まとめ |
以上のとおり、本願が、商標法第6条第1項の要件を具備せず、かつ、本願商標が、同法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。 |
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
よって、結論のとおり審決する。 |
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