理 由 |
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1 本願商標及び手続の経緯 |
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第21類及び第35類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務(以下「原審商品役務」という。)として、2021年3月26日にRepublic of Koreaにおいてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条による優先権を主張し、同年6月30日に国際商標登録出願されたものである。 |
本願は、2022年5月23日付けで暫定拒絶通報が通知され、令和4年(2022年)8月18日付けの意見書が提出されるなどした後、2023年6月12日付けで拒絶査定されたものであり、これに対して、令和5年7月6日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同日付け手続補正書により、原審商品役務は、第21類及び第35類に属する別掲2に記載のとおりの商品及び役務(以下「当審補正商品役務」という。)に補正されたものである。 |
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2 原査定の拒絶の理由(要旨) |
原査定は、以下(1)ないし(3)のとおり、認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
(1)商標法第6条第1項について |
原審商品役務中の第35類の指定役務は、役務の内容及び範囲を明確に指定したものとは認めらない役務を包含している。 |
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。 |
(2)商標法第3条第1項柱書について |
本願において指定した小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は、全く業種が異なり、類似の関係にもないものであるため、このような状況の下では、出願人が本願商標をこれらの小売等役務のいずれにも使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるから、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。 |
(3)商標法第4条第1項第11号について |
本願商標と登録第4839834号商標及び国際登録第1094644号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)とは、類似の商標であり、また、原審商品役務中の第35類に属する役務は引用商標に係る指定商品と類似する役務であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 |
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3 当審の判断 |
(1)商標法第6条第1項について |
原審商品役務中の第35類の指定役務は、上記1のとおり、当審補正商品役務に補正された結果、役務の内容及び範囲が明確なものになったと認められ、その結果、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備するものとなった。 |
したがって、本願が商標法第6条第1項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。 |
(2)商標法第3条第1項柱書について |
本願において指定した小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は、上記1のとおり当審補正商品役務に補正され、当審において請求人が提出した「商標の使用を開始する意思」及び「事業予定」により、原査定において拒絶の理由の対象とした小売等役務について、商標の使用又は使用の意思があることについての疑義がなくなったものと認められる。 |
したがって、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。 |
(3)商標法第4条第1項第11号について |
原審商品役務は、上記1のとおり、当審補正商品役務に補正された結果、引用商標に係る指定商品と類似の役務はすべて削除され、その結果、当審補正商品役務は、引用商標に係る指定商品と類似しない商品及び役務になったと認められる。 |
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は、解消した。 |
(4)まとめ |
以上のとおり、本願は商標法第6条第1項の要件を具備しない、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない及び本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。 |
その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。 |
よって、結論のとおり審決する。 |