審決


不服2024-650044

44 3rd Avenue , Burlington MA 01803(US)
 請求人
Lightforce Orthodontics, Inc.
  
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 丸の内 MY PLAZA (明治安田生命ビル) 9階 創英国際特許法律事務所
 代理人弁理士
長谷川 芳樹
  
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 丸の内 MY PLAZA (明治安田生命ビル) 9階 創英国際特許法律事務所
 代理人弁理士
黒川 朋也
  
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 丸の内 MY PLAZA (明治安田生命ビル) 9階 創英国際特許法律事務所
 代理人弁理士
魚路 将央
  
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 丸の内 MY PLAZA (明治安田生命ビル) 9階 創英国際特許法律事務所
 代理人弁理士
杜 潔
  


 国際登録第1685123号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。



 結 論
  
 原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。



 理 由
  
1 手続の経緯
 本願は、2022年(令和4年)7月19日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
  2023年(令和5年) 7月11日付け:暫定拒絶通報
  2023年(令和5年)10月26日  :意見書の提出
  2024年(令和6年) 2月26日付け:拒絶査定
  2024年(令和6年) 6月 6日  :審判請求書の提出
 
2 本願商標
 本願商標は、別掲のとおり、「LIGHTFORCE」の文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第10類に属する商品を指定商品として、2022年1月20日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、国際商標登録出願されたものである。
 
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
 本願商標は、「LIGHTFORCE」の文字を横書きしてなるものであるところ、これを構成する「LIGHT」の文字と「FORCE」の文字は、それぞれ「ライト」、「フォース」と発音される、比較的親しまれた英単語で、本願商標全体として「ライトフォース」と称されるといえる。
 また、「LIGHT」、「FORCE」には、「軽い」、「力」の意味があるから、本願商標全体から「軽い力」の意味合いが把握されるというのも決して不自然ではない。
 そして、歯科矯正に関連する分野では、痛みを減らすため弱い力を用いる治療法(治療理論)があり、これが「ライトフォース」と称されている実情がある。
 そうすると、「ライトフォース」と称され、「弱い力」に通ずる「軽い力」の意味をも生ずる本願商標を、歯科矯正に関連する商品に使用する際は、これに接する需要者は、歯科矯正の分野における治療法(理論)の一種である弱い力(ライトフォース)を理解するというべきであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、弱い力(ライトフォース)という治療法(治療理論)のためのものであること、すなわち、商品の品質(用途)を認識するにとどまるといえる。
 また、本願商標をその指定商品中、弱い力(ライトフォース)という治療法(治療理論)のためのもの以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるといえる。
 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
 
4 当審の判断
 本願商標は、別掲のとおり、「LIGHTFORCE」の文字を一列に横書きしてなるものであるところ、当該文字は一般的な辞書類に掲載されているものではなく、その意味において造語といえるものである。
 また、本願商標が、比較的平易な英語である「LIGHT」と「FORCE」の両語を結合させたものと認識され得るとしても、請求人が提示する情報(甲第3号証及び甲第4号証)にあるように、それらはいずれも多義的な語であって、この2語を結合させたことによって特定の意味合いが直ちに認識され得るというべき事情も見当たらないものである。
 そして、当審において職権をもって調査するも、「LIGHTFORCE」の文字が、その指定商品との関係において、商品の品質を表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、そのほか、本願商標に接する取引者、需要者が、「LIGHTFORCE」の文字を商品の品質を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
 以上のことからすれば、本願商標は、具体的な意味合いを認識させない造語というべきものであるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
 


        令和 6年10月 1日

     審判長  特許庁審判官 高野 和行
          特許庁審判官 清川 恵子
          特許庁審判官 白鳥 幹周

 
 
 別掲 本願商標
 
 
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〔審決分類〕T18  .13 -WY (W10)
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上記はファイルに記録されている事項と相違ないことを認証する。
認証日 令和 6年10月 1日  審判書記官  齊藤 葉月