理 由 |
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1 手続の経緯 |
本願は、2021年(令和3年)12月6日に国際商標登録出願(事後指定)されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 |
2022年(令和4年)10月13日付け:暫定拒絶通報 |
2023年(令和5年) 2月27日 :意見書、手続補正書の提出 |
2023年(令和5年) 8月 1日付け:拒絶査定 |
2023年(令和5年)11月17日 :審判請求書の提出 |
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2 本願商標 |
本願商標は、「Manometric」の欧文字を横書きしてなり、第10類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、国際商標登録出願(事後指定)されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第10類「Apparatus for clinical diagnosis, namely scanners for orthopedic use for the purpose of manufacturing orthoses and prosthetics; Splints for orthopedic use; orthopedic supports for the body; Braces for limbs and joints for orthopedic use; orthopedic braces for orthopedic purposes; orthopedic splints.」と補正されたものである。 |
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3 原査定の拒絶の理由の要旨 |
原査定は、「本願商標は、「Manometric」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、当該文字は「液柱計,圧力計,マノメーター」又は「血圧計」等の意味合いを有する「manometer」の語の形容詞である。そして、医療の分野において、静脈圧や気道の内圧を検査するためにマノメーターが使用されている実情があり、また、一般に、医療の現場において、血圧の測定を行うための装置が使用されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品について使用した場合、「医療用の圧測定に用いる商品であること」を容易に理解させるというのが相当である。したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを、前記商品以外の商品に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
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4 当審の判断 |
本願商標は、「Manometric」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は「液柱計,圧力計,マノメーター」又は「血圧計」等の意味合いを有する「manometer」の語の形容詞(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」発行者:株式会社小学館)であるものの、本願の指定商品との関係においては、商品の品質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難い。 |
そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「Manometric」の欧文字が、商品の品質等を表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。 |
そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものとはいえず、自他商品を識別する機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるということもできない。 |
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 |
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
よって、結論のとおり審決する。 |