理 由 |
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1 手続の経緯 |
本願は、2020年(令和2年)12月16日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 |
2022年(令和4年) 1月 5日付け:暫定拒絶通報 |
2022年(令和4年) 3月25日 :意見書、手続補正書の提出 |
2023年(令和5年)10月12日付け:拒絶査定 |
2024年(令和6年) 1月26日 :審判請求書の提出 |
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2 本願商標 |
本願商標は、「JOLLY SPAGHETTI」の欧文字を横書きしてなり、第30類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、Philippinesにおいてした商標登録出願に基づき、上記1のとおり、国際商標登録出願されたものであり、本願の指定商品は、上記1の手続補正により、第30類「Spaghetti.」に補正されたものである。 |
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3 引用商標 |
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4974122号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲の構成よりなり、平成17年8月5日登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年7月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 |
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4 原査定の拒絶の理由の要旨 |
原査定は、本願商標の構成中の「JOLLY」の欧文字と引用商標の構成中の「Jolly」の欧文字は、外観において欧文字「JOLLY」、「Jolly」の文字を、称呼において「ジョリー」を、観念において「楽しい,愉快な,陽気な」を同一にし、また、本願の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
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5 当審の判断 |
引用商標は、別掲のとおり、「Jolly-Pasta」の欧文字と「ジョリーパスタ」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、これらの欧文字及び片仮名は、それぞれ同書、同大、等間隔で外観上、まとまり良く一体に表されているものである。 |
また、引用商標の構成中の「ジョリーパスタ」の文字は、「Jolly-Pasta」の欧文字の読みを片仮名表記したものと理解されるところ、これらの文字に相応して生じる「ジョリーパスタ」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。 |
さらに、引用商標の構成中のいずれかの部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。 |
そうすると、引用商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「Jolly」の欧文字部分に着目するというより、むしろ引用商標の構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握すると判断するのが相当である。 |
したがって、本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、引用商標の構成中の「Jolly」の欧文字を要部として分離、抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが、外観、称呼及び観念を同一にする商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 |
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
よって、結論のとおり審決する。 |