特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版75第4章第3章第2章第1部・知的財産をめぐる動向第1章第5章(1)主要国への技術分野別の特許出願動向IPC(国際特許分類)を基準にWIPO(世界知的所有権機関)が設定した技術分野(IPC AND TECHNOLOGY CONCORDANCE TABLE1)に基づいて、技術分野別の出願件数推移について、日本、米国、欧州各国2、韓国及び中国への出願を出願先国別に解析した結果を紹介する。35の技術分野のうち、「音響・映像技術」、「デジタル通信」、「半導体」、「計測」、「医療機器」、「バイオテクノロジー」、「製薬」、「マイクロ構造・ナノテクノロジー」、「環境技術」及び「運輸」の10の分野について、1-5-1図ないし1-5-10図に示す。2013年までの、日本への出願件数を見ると、「デジタル通信」「医療機器」「バイオテクノロジー」及び「製薬」の分野では前年よりも増加している。また、「環境技術」「音響・映像特許1特許庁では、日本、米国、欧州、中国、韓国等の主要各国への特許の出願動向を調査している。まず、主要各国における特許の公開情報を基に、主要国への特許出願の動向を紹介する。そして、今後の進展が予想される重要な技術テーマを選定し、特許出願の動向を調査した結果を紹介する。技術」「半導体」及び「計測」の分野について、推移は減少傾向であるものの、他国・地域と比較した件数規模で見ると、「環境技術」は上位2位であり、他3分野では中間に位置する。中国への出願は、分野に依らず全体として増加傾向にあり、特に「マイクロ構造・ナノテクノロジー」及び「環境技術」など、他国・地域が減少傾向であっても増加傾向を示している技術分野が多い。米国への出願は、「デジタル通信」、「医療機器」及び「バイオテクノロジー」の技術分野で、日本、欧州各国、韓国への出願と比べて出願が多い。欧州各国への出願は「運輸」の技術分野において、韓国への出願は「半導体」の技術分野において、それぞれ、10の分野での比較において相対的に件数が多い。分野別に見た国内外の出願動向特許出願・意匠登録・商標登録出願の内容は、公報として広く一般に公開される。特許の公開情報は、企業や大学等における研究開発テーマや技術開発の方向性を決定する上で極めて有効なものである。また、意匠・商標の公開情報は、意匠・商標出願戦略、デザイン開発戦略、ブランド戦略等の策定を支援するための有益な情報になる。そのため、特許庁では、特許・意匠・商標の出願動向を調査し、それらの調査結果を情報発信している。本章では、2017 年度に実施した特許・意匠・商標の出願動向の調査結果を示す。第5章1 http://www.wipo.int/meetings/en/doc_details.jsp?doc_id=1176722 欧州への出願とは、オーストリア、ベルギー、スイス、チェコ、ドイツ、デンマーク、スペイン、フィンランド、フランス、イギリス、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデン、スロバキアへの出願及びEPC出願としている。1

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