特許行政年次報告書2018年度版
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分野別に見た国内外の出願動向第5章特許行政年次報告書2018年版80既存のシングルモード・シングルコアファイバでは通信量増大への対応が困難だが、次世代光ファイバとしてどの方式が標準となるか不明である。現在、次世代光ファイバとして①マルチコア、②マルチモード1、さらに、③ハイブリッド(①+②)の3方式の研究開発が活発化している。日本勢は、特許と論文において、マルチコアに注力し、欧米中はマルチモードに注力している。日本勢が注力するマルチコアにおいて、日本勢の特許出願が引用される件数比率は圧倒的に多いが、日本勢の論文が引用される件数比率は非常に少ない。日本が世界に先駆けて次世代光ファイバを実用化するには、マルチコアの①製造方法・②接続技術の確立、さらに、最終目標のハイブリッド化を見据えマルチモードにおける③復調2処理等の周辺技術の確立が必要である。これらの技術の蓄積は既存のシングルコアに比べて未だに少なく、産学官が一丸となった研究開発が急務といえる。1 複数のモード(光の伝搬の仕方)での伝搬が可能な光ファイバ。コア径がシングルモードよりも太い。2 「復調」とは、0/1で符号化された電気信号を光に変換して伝送し、信号受信先で光信号を再度電気信号に変換することをいう。3 特許出願動向調査においては、出願人等の「国籍(地域)」は、出願人名や出願人住所に基づいて特定している。1-5-14図 マルチコア、マルチモード-出願人国籍(地域)3別出願ファミリー件数 (出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2006-2015年)1-5-15図 マルチコア、マルチモードに関する研究者所属機関国籍(地域)別論文発表件数 (発行年:2006-2017年)(資料)特許庁「平成29年度特許出願動向調査報告書―次世代光ファイバ技術―」(資料)特許庁「平成29年度特許出願動向調査報告書―次世代光ファイバ技術―」1-5-13図 構造による光ファイバの分類と各国の技術開発の方向性(資料)特許庁「平成29年度特許出願動向調査報告書―次世代光ファイバ技術―」日本欧州米国中国韓国その他マルチコアマルチモード216216216330330330299299299115115115124124124404040214214214138138138232323222222121212454545日本欧州米国中国韓国その他マルチコアマルチモード174174174180180180371371371787878656656656123123123324324324118118118595959111111616161342342342

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