特許行政年次報告書2018年度版
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特許における取組第1章Column 8 特許行政年次報告書2018年版124インターネット・オブ・ヒューマン(IoH)IoT(モノのインターネット)という用語が世間をにぎわせているが、モノとインターネットをつなげるIoTと類似の概念でIoH(ヒトのインターネット)という用語が存在する。IoHという用語は、その意味が確立して使用されているものではないが、IoTがモノから情報を収集するのに対し、IoHではヒトから各種ウェアラブルセンサを用いて生体情報を取得して、クラウド上でデータ蓄積・処理を行い、新たな価値を創造しようとするものである。IoHの例としては、すでに実用化されているものを含め、以下のような分野への応用が期待される。〇ヘルスケア分野・・・人から生体情報をリアルタイムで測定し、これまで分かり得なかった疾病リスクの把握及びそれに対する対応が可能。〇製造・流通管理・・・操作者のより精緻な生体情報を用いたロボットの制御や遠隔制御等が可能。〇労務管理・・・労働者の生体情報を測定することによって、労働者一人一人の個別状況を把握して、生産性向上や安全性確保が可能。〇エンターテイメント・・・脳波センサにて「思考」や「感情」等に関わる脳波を抽出してデータ処理し、アプリケーション(ゲーム等)にフィードバックすることで、新たなエンターテイメントを提供。各種分野でIoT製品が広がりを見せる中、IoTとIoHを相互に連携・協調することにより大きな付加価値が生み出され、従来と異なる形態のライフスタイルやエンターテイメントが生まれる可能性がある。IoHの概念図 大量の生体情報を通信新たな価値の創造クラウド上でのデータ蓄積・処理(IoTとの連携とAI活用)ヘッドセット型コンタクトレンズ型皮下挿入型繊維型腕時計型人工皮膚型シューズ型
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