特許行政年次報告書2018年度版
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Column 11 特許行政年次報告書2018年版127第1章第5章第6章第7章第8章第4章第3章第2章第2部・特許庁における取組AIと特許AI(人工知能:Articial Intelligence)は、1950年代から研究開発が始まった。その後、2度の盛衰を経て、現在、ディープラーニングをブレークスルーとして、再度、大きな興隆をみせている。AIの応用分野は多岐に渡り、ビッグデータ解析、自動運転、ロボット等、広く浸透し始めている。1.AI関連発明の特許出願の動向(国内)国内のAI関連発明の特許出願件数は、大きな増加を示しており、2016年は586件となり、前年比76%増の大きな伸びを示している。日本において、AIへのR&D投資の拡大が見てとれる。2.IP5のAI関連発明の動向IP5におけるAI関連発明の特許出願動向は、米国と中国が大きな出願規模を有している。日本は、出願件数を増やしているものの、その伸びは相対的に緩やかで、日本の出願規模は、欧州、韓国と同水準である。AI分野の出願をさらに詳しく分析すると、中国が、ディープラーニングのコア技術であるニューラルネット関連の発明の特許出願を大きく伸ばし、米国の出願件数を上回る勢いといえる。これは、中国において、アリババやテンセント等のAIに強みを有するIT企業の成長が著しい中、特に、ディープラーニングに関するR&Dが活発化していることが考えられる。日本においてR&D投資の拡大が見られることから、今後、更なるイノベーションが創出され、多くのテクノロジーが誕生することが期待される。7006005004003002001000201120122013201420152016(年)出願件数出願年(備考)・ここではIPCとしてG06F15/18, G06Nが付与された出願を「AI関連発明」としている。・出願件数は、①国内出願件数と②PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)に基づく国際出願のうち日本へ国内移行した出願件数、の合計数。・PCT国際出願は、国内書面の受付日を基準日として計上している。(備考)・2015-2016年には、DBに未反映の多数の出願が存在する可能性があるため点線で表示している。・ここでは、AI関連発明の内、IPCとしてG06N3/02-G06N3/10が付与されている出願をニューラルネット関連発明としている。(資料):WIPO Patentscope を基に特許庁作成AI関連発明の特許出願件数IP5のAI関連発明の特許出願件数IP5のニューラルネット関連のAI関連発明の特許出願件数3,5003,0002,5002,0001,5001,00050002010201120132012201420152016(年)出願年出願件数USPTO(米国)JPO(日本)SIPO(中国)KIPO(韓国)EPO(欧州)1,4001,2001,00080060040020002010201120132012201420152016(年)出願年出願件数USPTO(米国)JPO(日本)SIPO(中国)KIPO(韓国)EPO(欧州)(資料) 特許庁作成

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