特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版141第5章第6章第7章第8章第4章第3章第2部・特許庁における取組第1章第2章し、法令、審査基準等の指針にのっとった統一のとれた審査が行われているか、出願人・代理人との意思疎通の確保に留意した効率的な審査が行われているか、といった観点から品質監査を行っている。また、品質監査の結果を分析及び評価することで、意匠審査の質の現状把握と課題抽出を行い、関係部署に情報共有するとともに、課題解決に向けて関係部署と連携した対応を行っている。b. 意匠審査の質に関するユーザー評価調査の実施意匠審査の質全般及び特定の出願における審査の質について、ユーザーからの指摘を通じて改善すべき点を明らかにし、審査の質の維持・向上のための施策に反映するべくアンケート形式でユーザーからの評価、意見等を収集し、分析を行っている。2017年度は国内企業等352者を対象に実施し、意匠審査に関する全体としての質の評価において、「満足」及び「比較的満足」と回答した割合は58%であった。なお、調査対象者からより一層自由・率直な評価・意見を得るために、前年度に引き続き、無記名での回答を可能にしている。(1)品質管理に関する取組意匠課及び意匠審査部門では、意匠審査の質の維持・向上を図るため、意匠審査部門の管理職による全件に対する審査内容のチェック(決裁)、意匠審査基準の改訂や検索システムの充実等の取組を行ってきた。審査資料の増大が見込まれる中、安定した審査結果を提供していくため、庁内組織である意匠審査品質管理委員会を設置し、品質管理に関する各種施策の実施及び改善に取り組んでいる。①品質保証案件の処理方針等の判断を均一にし、意匠審査の質の保証を図るため、審査官と決裁者間の協議を実施し、必要に応じて審査官へ情報を共有している。また、審査官が行った審査の内容(審査の判断や通知文書の記載等)について、意匠審査部門の管理職が全件に対しチェック(決裁)を行っている。②品質検証a. 品質監査決裁が終了した案件からサンプルを抽出意匠審査の品質向上に向けた取組32015年度2016年度2017年度0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%5:満足10.6%41.1%42.7%4.9%0.8%14.6%46.4%36.0%3.0%0.0%11.5%46.5%38.8%2.9%0.3%4:比較的満足3:普通2:比較的不満1:不満(2)審査品質管理小委員会特許庁における品質管理の実施状況・実施体制等について外部から客観的な評価を受け、それを審査の品質改善に反映することを目的として、2014年8月に産業構造審議会知的財産分科会の下に審査品質管理小委員会を設置した。2017年度は、当該年度に特許庁が実施している品質管理の実施体制・実施状況について、本委員会において作成された評価項目及び評価基準に基づき評価を受け、品質管理の実施体制・実施状況に関する改善点の提言を受けた1。(資料)特許庁作成1 http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/hinshitsukanri_menu.htm12-2-1図 ユーザー評価調査結果
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