特許行政年次報告書2018年度版
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商標における取組第3章特許行政年次報告書2018年版146(1)2017年度商標審査便覧1の改訂2017年度は、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(通称:地域未来投資促進法)の施行に伴い、地域団体商標の商標登録出願に係る主体要件の明確化に係る改訂を行った他、商標の使用又は商標の使用の意思を確認するための審査に関する運用に係る改訂、歴史的・文化的・伝統的価値のある標章からなる商標登録出願に関連する改訂、及び新しいタイプの商標に関する運用についての改訂を行った。(2)改訂の概要①商標の使用又は商標の使用の意思を確認するための審査に関する運用に係る改訂(41.100.032)本便覧については、運用開始から10年が経過し、ユーザーにも浸透・定着していた一方で、ユーザーからは、1区分内で指定できる商品又は役務の範囲について不公平感がある等の意見も出ていたため、以下のとおり改訂を行った(小売り等役務に係る取扱いについ商標審査便覧の改訂1ては変更なし)。・類似群のカウント方法の変更。すなわち、1区分内における指定商品又は指定役務に付与されている類似群数を単純にカウントすることとした。例えば、現在1個としてカウントを行っている複数類似群が付与されている商品・役務についても、1個ではなく、付与されている数をカウントする。・1区分内における類似群の上限数は、「22個」とする。・商標の使用の意思を明記した文書も援用することができることとする。だだし、出願後3~4年以内までに商標の使用又は商標の使用の意思があることに合理的な疑義がある場合は、あらためて確認を行う。②歴史的・文化的・伝統的価値のある標章からなる商標登録出願の取扱いを新設(42.107.05)これまで取扱いが規定されていなかったため、個別の審査に委ねられていた歴史的・文化的・伝統的価値のある標章からなる商標の取扱いについて明確化し、運用の統一化を図商標における取組昨今、経済のグローバル化や、インターネットの急速な普及等による商品や役務の販売戦略の多様化、我が国産業の競争力強化の観点から、商標が果たすべき役割が大きくなってきている。また、経済社会や商取引を取り巻く環境が目まぐるしく変化することにより、商標を取り巻く状況は日々変化している。特許庁では、そうした実情に対応し、適切な商標の保護や制度利用者の利便性向上のため、様々な取組を行っている。本章では、商標審査便覧の改訂、商品・役務の分類に関する取組、商標の国際登録制度に関する取組、地域団体商標に関する取組、商標審査の品質管理、出願人のニーズを踏まえた早期審査の運用について紹介する。第3章1 http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/syouhyoubin.htm2 この番号は便覧における見出し番号(以下、同様)。1

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