特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版157第5章第6章第7章第8章第4章第2章第2部・特許庁における取組第1章第3章域について知的財産の面からも震災復興を支援していくことが必要と考え、2011年8月より、被災地の企業等に対して、時限的に早期審査の対象を拡大している。これらの出願については、早期審査の申請から3か月以内に一次審査結果を通知することを目標としている。2017年の申請件数は、2016年に比べて約56.0%増加し3,447件であった。また、申請から審査結果の最初の通知が発送されるまでの期間は、平均1.8か月であった。(1)商標早期審査の対象商標登録出願についての早期審査1は、模倣・侵害事件が生じている出願に関する早期権利化のニーズ、経済活動のグローバル化等を踏まえて1997年9月に開始した。ユーザーの早期権利化のニーズにさらに応えるため、2017年2月に「類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみを指定しており、商標を使用している(使用の準備を相当程度進めている)出願」にまで対象を拡大している。また、震災により被害を受けた地出願人のニーズを踏まえた早期審査の運用61 申請手続等その他詳細については、以下ウェブサイト参照 https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/souki/shkouhou.htm12-3-6図 商標早期審査の概要(備考)使用関連:出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めている状態1.対象1の「権利化について緊急性を要する出願」とは、次のいずれかに該当するものをいう。a) 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人(ライセンシー)の使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合。b)出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合。c)出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合。d)出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合。e)出願商標について、出願人がマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の基礎出願とする場合。2.対象2の指定商品・指定役務中に、出願商標を使用していない又は使用の準備を相当程度進めていると認められない商品・役務を含む場合には、早期審査の申出以前(同時でも構わない)に、それを削除する補正が必要となる。3.対象3の指定商品・指定役務中に、商標法施行規則別表、類似商品・役務審査基準及び商品・サービス国際分類表(ニース分類)に掲載されていない商品・役務を含む場合には、早期審査の申出以前(同時でも構わない)に、それを削除する補正が必要となる。
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