特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版161第5章第6章第7章第8章第3章第2章第2部・特許庁における取組第1章第4章(2)権利の早期取得 〜権利付与前の審判〜早期の判断を求めるニーズに対しては、特定の要件を満たす拒絶査定不服審判事件1について、申出によりその事件の審理を優先的に行う早期審理を実施している。2017年の早期審理の申出件数は、特許が198件、意匠が3件、商標が7件であった。2(1)紛争の早期解決 〜権利付与後の審判〜無効審判等の権利付与後にその権利の有効性を争う審判事件については、優先的に審理を実施し、紛争の早期解決を図っている。紛争の早期解決・権利の早期取得に向けた取組2(1)各国・地域の知財庁との連携①審判専門家会合審判分野における情報交換を行うため、審判専門家会合を開催している。2017年度は、7月に日本で第3回日中審判専門家会合及び第8回日韓審判専門家会合を開催し、9月に韓国で第5回日中韓審判専門家会合を開催した。第8回日韓審判専門家会合②国際審判官協議実際の審判事件についての意見交換を通じて、審判実務の情報交換を行うため、国際審判官協議を開催している。2017年度は、9月に韓国にて日中韓国際審判官協議を開催した。国際的な連携強化に向けた取組3③その他審判分野における相互理解を深めるため、各国・地域の知財庁等との意見交換を実施している。2017年度は、5月に独国にて欧州特許庁及びドイツ連邦特許裁判所と、6月に米国にて米国特許商標庁と、10月にオーストラリアにてオーストラリア特許庁と、11月に台湾にて台湾智慧財産局と、独国にて欧州特許庁と、インドネシアにてインドネシア知的財産総局と、3月に米国にて米国特許商標庁と、それぞれ意見交換を実施した。(2)国内外の法曹界との連携①国際知財司法シンポジウム2017 2017年10月30日-11月1日に、東京にて、最高裁判所、知的財産高等裁判所、法務省、日本弁護士連合会及び弁護士知財ネットとの共催により、国際知財司法シンポジウム2017を開催した。1日目は、特許訴訟における証拠収集手続をテーマとして、日中韓シンガポールの裁判官による模擬裁判を実施した。2日目は、商標の類否判断について難しい判断を迫られる事例について、ASEAN各国の裁判官によるパネルディスカッションを実施した。31 特許については、次のいずれかの要件を備えた特許出願に係る拒絶査定不服審判事件が対象となる。①審判請求人がその発明を既に実施している実施関連出願、②外国にも出願している外国関連出願、③審判請求人が中小企業、個人、大学、TLO、公的研究機関のいずれかであるもの、④審判請求人でない者(第三者)が、その審判事件の特許出願の出願公開後にその発明を業として実施していること、⑤グリーン発明(省エネ、CO2 削減等の効果を有する発明)について特許を受けようとする特許出願、⑥審判請求人が、震災に起因する被害等を受けた者等である出願、⑦アジア拠点化推進法関連出願 また、意匠、商標については早期審査と同様の要件を備えた出願に係る拒絶査定不服審判事件が対象となる。2 前置登録された事件等を含めると、早期審理の申出件数は、特許が274件、意匠が3 件、商標が7件であった。
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