特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版177第5章第7章第8章第4章第3章第2章第2部・特許庁における取組第1章第6章で、ベンチャー企業が戦略的に質の高い特許を早期に取得できるよう、きめ細かいサポートを提供できる体制を構築する(ベンチャー企業対応面接活用審査(仮称))。また、既存のスーパー早期審査制度2は「実施関連出願」かつ「外国関連出願」を対象としているが、ベンチャー企業の出願についてはこれを緩和し、「実施関連出願」のみとすることで、何よりも早く権利を取得したいというニーズに対応できるようにする(ベンチャー企業対応スーパー早期審査(仮称))。⑤日本発知財活用ビジネス支援事業(ジェトロ・イノベーション・プログラム:JIP)特許庁では、JETROに対する補助金事業として、日本で産業財産権を取得している、又は出願済みである日本の中堅・中小・ベンチャー企業を対象に、シリコンバレーや深圳など、世界有数のベンチャー・エコシステムを擁する地域で開催される大型展示会へのブース出展、ビジネス・マッチングイベントへの参加を支援し、海外展開を促進する事業を2015年度から行ってきた。2017年度は、シリコンバレー、深圳、ドバイ、シンガポールにおいて実施した。2018年度は、シリコンバレー、深圳、ASEAN、ベルリンにおいて実施予定である1。③ベンチャーキャピタル向け知財ビジネス評価書の提供特許庁では、知的財産を活用した中小企業への融資や本業支援を促進させるため、金融機関に対して「知財ビジネス評価書」の作成支援を行ってきた(「知財ビジネス評価書」の作成支援については、第2部第6章10.(1)参照)。2018年度からは、支援対象機関に地域金融機関系のVCを追加する。④ベンチャー企業のスピードに対応した特許審査投資家からの資金調達や、他の企業との事業提携において、ベンチャー企業が特許権を取得していることは、技術力を裏付ける強力なアピール材料となる。したがって、ベンチャー企業にとっては、資金調達や提携のタイミングまでに重要な技術の権利化を進める必要があり、スピーディな審査が望まれる場面も少なくない。さらに、ベンチャー企業は権利取得の経験が少ないため、ビジネスで活用できる特許権取得には、審査の際、審査官とコミュニケーションを充分に図ることが重要である。そこで、2018年度中に、早期審査制度を利用した出願において、ベンチャー企業の申請に基づき、一次審査通知前に面接を行うこと2-6-4図 創業期ベンチャー企業に対する知財ハンズオン支援事業イメージ1 https://www.jetro.go.jp/services/innovation.html2 第2部第1章1.(2)②参照1
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