特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版viii特許行政年次報告書2018年版viii~明治初期からの産業財産権制度の歩み~冒頭特集商標条例の制定後、江戸時代から用いられてきた商標も多数出願され、特に売薬に関する分野はその代表例であった。各売薬業者は、商標の出願を急ぎ、晴れて登録されれば、「他人の類似商標を許さず天下晴れて唯我独有の標章である」2旨を新聞紙上で誇示したといわれる。3. 商標登録第一号1商標登録第一号は、明治18年に登録された、平井祐喜(京都府)からの薬品に関する商標の出願である。平井祐喜は売薬業者であり、この商標は、魚を切っていて指を怪我したと思われる者が描かれている。これは、この商標が使用された薬品を塗ると傷が治るという効能を表現していると考えられる。1 この項に関する主な参照文献  通商産業省編「商工政策史」第14巻(商工政策史刊行会、1964年)、387-388頁  商標研究会編「日本商標大事典」(株式会社中央社、1959年)、38頁  小林和男「知的財産権歴史探訪」シリーズ1 登録商標(1号~100号)(知財ぷりずむ、Vol.6、No.61、2007年)、42-43頁2 通商産業省編「商工政策史」第14巻(商工政策史刊行会、1964年)、388頁商標登録第一号

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