特許行政年次報告書2018年度版
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中小企業・ベンチャー企業・地域・大学等への支援・施策第6章Column 24特許行政年次報告書2018年版218デザイン創造・活用支援事業(パッケージデザインコンテスト)について北海道経済産業局知的財産室北海道には多くの魅力的な商品があり、国内のみならずアジアをはじめとした海外でも高い評価を受けている。他方、プロダクトデザイナーやバイヤーからの視点では、「素材は良いが、説明を受けないと商品の魅力が分からない」、「デザインが一般的でセールスポイントが不明瞭」といった、デザインの持つ力を十分に活用しきれていないと思われる商品も市場に存在するのも事実である。商品の魅力をより強く内外に発信し「売れる商品」としていくためには、デザインの戦略的活用と同時に、創造されたデザイン等を知的財産として認識し、権利として保護することが非常に重要である。そこで、北海道経済産業局知的財産室では、北海道内の食品や日用品を対象に、全国から優れたパッケージデザインを募集する「パッケージデザインコンテスト北海道2017」を開催した。今年度は“「良さ」は、ある。「らしさ」を、磨こう。”をキャッチコピーとして北海道の「良さ」が詰まった商品を募集し、その「良さ」を引き出して、もっとおいしそうに、もっと売れるように表現するデザインを募集。優秀なデザインを選定・表彰の上、展示会を開催して広く展示した。さらに、表彰されたデザインについては、知財総合支援窓口や各種専門家による、製品化や権利取得に向けたフォローアップも行っており、過去に受賞したパッケージデザインには、すでに製品化・販売されているものも少なくない。2017年度は8つの商品を対象にパッケージデザインを募集したところ、道内のみならず全国から過去最高である313点のデザインの応募があり、応募されるデザインのレベルも年々向上している。このような取組が、企業における自社商品の見直しや、学生・デザイナーのチャレンジの契機となり、知的財産のさらなる活用促進につながれば幸いである。○2017年度グランプリ受賞デザイン応募時の商品デザインデザイナー:牛島 樹世さん(デザイン アルジュナ/長崎県)デザイン商品:「発酵バターケーキ」 とらや菓子司(天塩町)グランプリ受賞デザイン
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