特許行政年次報告書2018年度版
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中小企業・ベンチャー企業・地域・大学等への支援・施策第6章特許行政年次報告書2018年版222(1)金融機関による知的財産を活用した融資や本業支援の促進1金融機関が知的財産を切り口とした中小企業への融資やビジネスへの支援は、中小企業に対する知的財産への取組意識を高め、知的財産活用の裾野の拡大につながるものである。中小企業からは、特許等の知的財産を金融機関に評価してもらい、資金調達につなげたいとの期待がある一方で、金融機関には中小企業の知的財産を活用したビジネスについて適切に評価できる“目利き人材”が不足しているのが現状である。そのため、特許庁では中小企業の知的財産を活用したビジネスについて評価した「知財ビジネス評価書」を金融機関へ提供し、成長その他の多様な支援10可能性及び市場性等を見える化することで、中小企業への融資や本業支援を促進させる「中小企業知財金融促進事業」を2014年度試行的に開始し、2015年度から本格的に実施している。2014年度から2016年度にかけて135の金融機関に対して知財ビジネス評価書の作成を支援、2017年度は新たに42の金融機関へ支援し、累計で183の金融機関が利用するまでとなった。2016年度からは、知財ビジネス評価書の作成支援に加え、知財を切り口とした事業理解や成長支援の枠組みを金融機関内に構築するための「伴走型支援」をスタートし、2017年度までに13の金融機関が先進的に取り組んだ。また、金融機関の職員向けに、知財の情報を活用した企業の実態把握・支援の組織展開をテーマにした小冊子(知的財産活用のススメ~応用編~)を改訂するとともに、先駆的な金融機関の取組を紹介する知財金融シンポジウム・フォーラムを全国4カ所で開催し、知財金融に係る取組の普及を行った。2018年度は、支援対象を地域金融機関系のベンチャーキャピタルにも拡大し、知財金融に係る取組の一層の普及拡大に努める。1 小冊子(知的財産活用のススメ~応用編~)を含め、さらに詳細な情報については「知財金融ポータルサイト」を参照  http://chizai-kinyu.go.jp/1金融機関融資可能性の判断に活用特許庁の受託事業者提携調査会社(複数)ヒアリング中小企業クライアントである中小企業の評価の申請※金融機関は申請の際に いずれかの調査会社を 選択する評価書提出評価書提出評価指示&評価書作成費2-6-23図 事業スキームのイメージ

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