特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版257第1章第2章第3部・国際的な動向と特許庁の取組が国際調査を実施したPCT国際出願が欧州特許条約域内の出願に移行した場合、補充欧州調査料に対して減額措置(190ユーロ減額)が適用されていたところ、今回の改定によりこの減額措置を撤廃。・審査料について、EPOが国際予備審査報告を作成したPCT国際出願がEPC出願に移行した場合における減額割合を、50%から75%へと拡大。・審判請求料について、約20%増額(※中小企業、個人、大学等を除く)。・出願料について、キャラクターコードのフォーマット(XMLベース)に基づいてオンラインEPC出願をした場合減額される一方、オンライン以外のEPC出願については増額。・特許査定料について、全ての補正書、訂正書、及び、クレーム翻訳書が、キャラクターコードのフォーマット(XMLベース)に基づいてオンライン提出された場合は減額する一方、それ以外の場合は増額(※2019年4月1日以降に特許査定料が納付された出願の場合)。④各特許庁との共通特許分類(CPC)a. EPO・米国2010年10月、EPOは、USPTOとともに、両庁間で共通に用いる特許分類であるCPC(Cooperative Patent Classication)を作成することを発表し、現在両庁ともにCPCを付与している。さらに、両庁は他庁への積極的なCPCのトレーニングを通じて、CPC使用国の拡充に努めており、現時点で、45の知的財産庁の特許文献に対しCPCの付与が行われ、CPCが付与された各国の文献の総数は約5億にのぼる。また、CPCは年4回程度の改正が行われており、2017年には、1月、2月、5月、8月に改正が行われた。b. 中国2013年6月、EPOは、SIPOがCPCを使用することに合意したと公表した。この合意においては、2014年1月から、SIPOはいくつかの技術分野において新規に公開される特許出願について、EPOによる特別研修を受けた後に、CPCの付与を開始するとともに、2016年1月からは全ての技術分野の特許出願についてCPCを付与するよう努力することとされた。2017年時点で、SIPOは全ての技術分野の新規出願に対するCPCの付与に加えて、一部の公開済の特許文献に対して再分類も行っている。c. 韓国KIPOは、2015年1月より全技術分野の新規出願に対してCPCを付与しているところ、過去の特許文献に対する付与も進めており、2018年末までに全ての過去文献に対するCPCの付与を完了する見込みである。d. トルコ2018年2月、トルコ特許商標庁(TURKPATENT)は、2018年4月より全ての技術分野における、特許出願、実用新案、PCT出願に対してCPCを付与することを発表した。e. アルゼンチンアルゼンチン産業財産庁(INPI)とEPOとは、INPIによるCPCの導入についてのMOUに署名した。INPIは、2019年1月までにCPCの付与を開始する予定である。(4)欧州連合知的財産庁(EUIPO)の取組①概要欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、共同体商標(現欧州連合商標)や登録共同体意匠の権利付与の役割を持っているとともに、「知的財産権の侵害に関する欧州監視部門(European Observatory on Infringements of Intellectual Property Rights)」が委任されており、知的財産権の権利行使においても重要な役割を担っている。2015年12月、欧州議会により、共同体商標規則の改正を含む商標制度改革パッケージ法案が採択され、2016年3月23日にEU商標規則が施行されたことに伴い、OHIMから

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