特許行政年次報告書2018年度版
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Column 36 特許行政年次報告書2018年版281第1章第2章第3部・国際的な動向と特許庁の取組日系企業初のインド特許審査官向け技術説明会を開催日本貿易振興機構 ニューデリー事務所2017年12月、インド知的財産研究会(IPG)はインド特許意匠商標総局(CGPDTM)デリー支局の審査管理官及び特許審査官、計93名を対象に、自動車関連の最新技術に関する技術説明会をニューデリーで開催した。本説明会にはインドで事業展開する日本の自動車関連会社5社の知財担当者が登壇し、二輪、四輪自動車の車体構造に加え、環境関連技術として、電気自動車、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車等の各システムの詳細や特徴技術を説明するとともに、自動運転等の近年注目されている技術についても動画を交えつつ解説を行った。日系企業によるCGPDTMへの技術説明会は今回が初めてとなり、特許審査の際の発明内容の理解及び先行技術の発見が早まることが期待され、特許出願の迅速な処理が期待される。○インド側からも技術説明会の開催要請本説明会にはCGPDTMデリー支局長のK・S・カルダム氏も出席し、「今回のような説明会を定期的に開催することは全ての審査官にとって重要である。今回はデリーで開催されたが、同様の説明会をデリー以外の3つの特許局(コルカタ、ムンバイ、チェンナイ)でも開催して欲しい。また自動車関連技術以外の説明会の開催も期待している。」と語った。技術説明会を通じて、日本の自動車業界とCGPDTMとの交流の契機となることが期待されるとともに、今後は継続的な取組として、様々な技術分野の説明会を各特許局で開催することにより、日本産業界とCGPDTMとの交流が進展することにも期待が寄せられている。
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