特許行政年次報告書2018年度版
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グローバルな知的財産環境の整備に向けて第2章特許行政年次報告書2018年版296を蓄積する形で統合され、第6回TM5年次会合をもって本プロジェクトは完了した。d. TM5ユーザー参画プロジェクト(JPO・EUIPO共同)2015年12月の第4回TM5年次会合で、JPOとEUIPOが共同で提案し、採択されたプロジェクト。本プロジェクトは、TM5協力プロジェクトにユーザーを参画させること及びユーザーへの情報発信のためのワークショップを開催することを目的としている。本プロジェクトの一環として、2017年5月、スペイン・バルセロナにて開催されたINTA年次総会において、INTAと共催で、「悪意の商標出願事例集」の公表を目的とした第1回ジョイント・ワークショップを開催した。e. 品質管理プロジェクト(JPO・EUIPO共同:新規提案)TM5各庁における審査実施体制・品質管理体制やその取組について情報を交換することにより、品質管理に関する相互理解・相互信頼を高めることを目的とするプロジェクト。第6回TM5年次会合にてJPO及びEUIPOより新規プロジェクトとして共同提案し、採択された。JPOがリードするフェーズ1とEUIPOがリードするフェーズ2の二部構成からなり、まずはJPOがリードして、2018年より各庁の取組・運用について情報を収集し、共有を図る予定である。f. 商標情報におけるユーザーフレンドリーなアクセスプロジェクト(TMビュー)(EUIPO)「TMビュー」とは、EUIPOが開発した各国商標庁の商標関連情報を一括して検索・照会できるツールであり、TM5各庁が持つ情報のTMビューへの統合可能性が検討されている。b. 図形商標のイメージサーチプロジェクト(JPO)現在ウィーン図形分類を用いて行われている図形商標の検索について、検索負担軽減のため、イメージサーチシステムの商標審査における利用可能性及び課題について共同研究するプロジェクトである。2014年12月の第3回TM5年次会合においては、JPOの主導で、図形商標をイメージ検索する場合の課題及びその解決策、イメージサーチシステムを導入する場合の利用方法等、これまでの共同研究の成果を報告書に取りまとめた。さらに、2017年11月、2回目となる専門家会合を東京で開催し、TM5各庁が進めるイメージサーチ分野における最新の取組や、企業におけるイメージサーチ技術の最新動向等をテーマに、専門家間での情報共有及び意見交換を行った。今後は、本分野におけるTM5各庁やWIPOの取組に関する情報を引き続き収集し、必要に応じ専門家会合等の機会を設けて情報共有を行っていく予定である。c. 国際商標出願の情報提供拡充による利便性向上プロジェクト(JPO)一つの出願で複数国への出願が可能となる商標の国際出願(マドプロ出願)制度については、指定国(保護を求める国)レベルでは、権利を取得するための制度や手続が異なる場合があり、言語の違いもあることから、出願人が必要な情報を入手し難い状況となっている。本プロジェクトは、統一したフォーマットで、マドプロ出願手続に関するTM5各庁の情報を出願人に提供することによって、マドプロ出願制度の利便性向上を図ることを目的としている。本プロジェクトで作成したTM5各庁の情報は、2017年5月にWIPOウェブサイトにて公表された「Madrid Member Prole Database」1に、ほぼ全てのマドリッド制度加盟国の情報1 http://www.wipo.int/madrid/memberprofiles/#/1

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