特許行政年次報告書2018年度版
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特許行政年次報告書2018年版299第3部・国際的な動向と特許庁の取組第1章第2章知財保護の実現に向けて、三庁間協力の成果を紹介するとともに、日中韓における知財政策の在り方について産官学各界を交えて議論する場として、2013年11月に、日中韓の枠組みでは初の試みとなる日中韓知的財産シンポジウムを北海道にて開催した。2017年12月には、韓国済州島にて第5回シンポジウムを開催し、第4次産業革命に対応した知財戦略について、各国有識者による講演とパネルディスカッションが行われた。第17回日中韓特許庁長官会合②各プロジェクトの概要第17回日中韓特許庁長官会合において議論が行われた各プロジェクトの内容は以下のとおりである。a. 日中韓デザインフォーラム日中韓特許庁長官会合での合意に基づき、日中韓の意匠制度に関する情報交換と相互理解の促進を目的として、日中韓デザインフォーラムを、2010年以降毎年開催している。「キャラクターデザインの法的保護」をテーマに2017年5月にソウルで開催された第8回日中韓デザインフォーラムでは、日中韓の各庁より、自国の意匠制度の最新状況とともに、意匠権を含む知的財産権によるキャラクターデザインの保護の状況について情報共有がなされた。また、日中韓の企業からも、キャラクターを用いたビジネスの展開状況等についての発表がなされた。(6)日中韓協力①日中韓特許庁長官会合JPO、SIPO、KIPOは、三庁間の協力や三庁が直面する共通の課題の解決に向けた意見交換を行うことを目的として、2001年より三国持ち回りで日中韓特許庁長官会合を毎年開催している。2017年は韓国がホストを務め、12月に韓国済州島で開催された第17回日中韓特許庁長官会合では、審判分野、意匠分野、人材育成分野等に関する協力について以下の議論を行った。a. 審判分野の協力について日中韓における特許紛争解決のための特許権の範囲についての判断を含む行政システムに関する比較研究(日本の判定制度、韓国の権利範囲確認審判、中国の専利侵害紛争審判を対象に比較)の結果を承認し、これを公表することに合意した。b. 意匠分野の協力について三庁は、2017年5月に韓国で開催された第8回日中韓デザインフォーラムが三庁とユーザーとの交流を推進する機会として有意義であったことを確認するとともに、2018年度に日中韓デザインフォーラムを日本で開催することに合意した。c. 人材育成分野の協力について日中韓人材育成機関長会合の名称を日中韓人材協力会合へと変更し、充実を図り、2018年度の日中韓人材協力会合を中国で開催することに合意した。d. 日中韓協力枠組み日中韓特許庁協力の進め方について、毎年、重点分野によりリソースを集中させて協力を進めるための枠組みの見直しに合意した。e. 日中韓特許庁シンポジウムJPO、SIPO、KIPO は、三庁、各国産業界及び知財関係者が一堂に会し、東アジア一体の

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