特許行政年次報告書2018年度版
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企業等における知的財産活動第2章Case 1 特許行政年次報告書2018年版54知的財産活用企業 -2018年度知財功労賞受賞企業より その1-知財活用企業(特許) 特許権や商標権を各国で積極的に取得し、海外展開を拡大して全世界で大きなシェアを確保 伊東電機株式会社伊東電機株式会社(兵庫県)は、コンベヤ用モータローラ・制御機器・モジュール・ユニット・システムなど搬送関連機器、植物工場設備の開発・製造・販売・設置を行っている企業である。また、モータローラを始めとする製品は国際市場でも高く評価されており、グローバルな営業展開をはかるべく、日本国内・アメリカ・ヨーロッパ・アジアの世界4拠点体制で販売ネットワークを構築している。同社では、社長及び開発部・営業部の責任者で構成される特許会議を2カ月に1回開催して、特許や商標などの出願判断・出願国選定・権利維持等の重要事項を決定している。新製品の開発時には構想段階で必ず国内外の先行技術文献調査を十分に行い、抵触する特許がないかを確認するとともに、出願の際に特許請求の範囲の記載について議論する会合を実施するなど、より広く強い特許を取得することを意識した体制を整備している。モータを内蔵した搬送装置用ローラを開発して特許権や商標権を取得。応用製品の拡大を図りながら各国での権利化を積極的に行い、海外展開を進めて世界で約7割のシェアを獲得している。また、モータや制御に関するコア技術を基にした新事業にも取り組んでおり、植物工場事業に参入し、これらの分野でも基本特許や周辺特許を出願している。自社の特許権を侵害する可能性がある他社の製品を発見した際に、営業担当者から知財担当部署へフィードバックする体制を構築している。また、海外で確認された模倣被害に対しては、現地で被害調査を行い、警告等の必要な措置を取り模倣品を排除している。搬送コンベヤの IoTを実現するモータ内蔵ローラ「パワーモーラ」省エネ・簡単設置 新時代の植物工場システム「セル式モジュール型植物工場」人手不足・設計者不足をサポートする簡単設置・簡単設計コンベヤ「id-PAC」
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