特許行政年次報告書2018年度版
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Case 2 特許行政年次報告書2018年版55第5章第4章第3章第1部・知的財産をめぐる動向第1章第2章知財活用企業(特許) 全経営陣で知財戦略を審議する体制を構築するとともに、 IPランドスケープを事業戦略の立案に活用 ナブテスコ株式会社ナブテスコ株式会社(東京都)は、モノを精密に動かし、止める「モーションコントロール技術」を中核として、精密減速機、油圧機器、鉄道車両用機器、航空機器、舶用機器、商用車用機器、自動ドア、福祉機器、包装機等の製造販売を行っている企業である。同社の製品の多くは目につきにくい部分で機能しているが、その確かな性能によって世界中の人々の安全・安心・快適な暮らしと、社会のインフラを支えている。同社では、全社の知財経営戦略を司り、CEOを含めた全経営陣で全社の知財戦略を審議する会議を行い、会社全体のコア価値とそれを獲得・強化するための知財戦略や、事業ポートフォリオの評価・改善等を審議する体制を構築している。将来ビジョンの実現に向けた経営課題を分析・把握して解決策を提案するため、知的財産権を活用したIPランドスケープを活用し、開発テーマの妥当性検証や新事業テーマの分析、特許網を構築すべきテーマ、アライアンス先やM&A候補企業の探索等を実施して、知的財産部が事業戦略の指導を全社横断的に行っている。航空、鉄道等の輸送分野から、産業用ロボット、自動ドア等の産業分野等において各種コア技術を開発して事業活動を行っている。世界市場の確保のため、世界各国での特許網の構築とノウハウの保護を徹底し、模倣品対策として、権利行使等の毅然とした対応を講じている。同社の製品は市場で高いシェアを獲得しており、産業ロボットの精密減速機で世界シェア約6割を獲得している。知的財産活用企業 -2018年度知財功労賞受賞企業より その2-ナブテスコグループの継続的成長・競争力強化に向けた知財経営推進●中期経営計画の達成●長期ビジョンの実現知財教育(グループ会社を含む)グローバル体制の構築事業活動 推進体制の整備事業基盤ナブテスコグループ企業価値新事業社内カンパニーグローバルな成長特許マクロ分析に 基づく事業の 方向性・目標設定新事業事業競争力の源泉 であるコア技術の 保護・強化既存事業企業価値の増大 ブランド価値向上企業価値コア価値戦略知財武装・技術契約戦略知財戦略の策定と実行技術競争力強化製品 競争力 確保事業創造戦略M&A戦略技術マーケティング・コア価値のシナジー活用事業競争力強化事業 競争力 強化知的資産経営 ブランド戦略知財ポートフォリオ経営圧倒的 支配力 確保知財経営推進

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