特許行政年次報告書2018年度版
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Case 4 特許行政年次報告書2018年版57第5章第4章第3章第1部・知的財産をめぐる動向第1章第2章知財活用企業(商標) コーポレートブランドと商品群・個別ブランドとを併用する 複合ブランド戦略によりマーケティング強化 株式会社トンボ鉛筆株式会社トンボ鉛筆(東京都)は、鉛筆、ペン、消しゴム、修正テープ、のり等の文具・事務用品の製造販売を行う企業である。1913年に創立、鉛筆製造を主軸に、「トンボ」の名の元に産み出された文具は、誕生以来、多くの利用者に愛され、生活の中で息づいており、2013年に創立100周年を迎えている。同社では、全世界の全商品に統一して使用するコーポレートブランドと、商品コンセプトやユーザー層に合わせた商品群ブランド・個別ブランドとを併用する複合ブランド戦略によりマーケティングを強化している。長年の使用により需要者の信用が醸成された商標を多数保有し、ブランドの提供価値と一貫したデザイン戦略に沿った製品開発を重ね、ブランドの拡大を図りながら戦略的な商品展開やプロモーションを実施している。また、「MONO」ブランドにおいて色彩のみからなる商標の第1号として商標権を取得している。同社は、知財を担当する専門部署を設け、知的財産管理規程等の社内規定を整備し、知的財産権の取得・管理の他、知財戦略の立案、模倣品対応やライセンス対応などの業務を実施している。ブランドを保護するために国内で270件以上の登録商標を保有している。海外における知的財産権の取得・管理は国内の本社知財部門で一元管理しており、海外での模倣品に対しても現地法人の意見を聞きながら、本社主導で現地代理人と相談して対応している。知的財産活用企業 -2018年度知財功労賞受賞企業より その4-コーポレートブランド「Tombow」と主な商品群ブランド「MONO」ブランド製品の展開事例「MONO」のシンボルカラーを色彩のみからなる商標として登録
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