特許行政年次報告書2018年度版
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企業等における知的財産活動第2章Case 7 特許行政年次報告書2018年版60知財活用ベンチャー コア技術である屋外大量培養技術はノウハウとして秘匿化し、食品・化粧品・ 燃料等に利用するための技術は積極的に特許出願 株式会社ユーグレナ株式会社ユーグレナ(東京都)は、ユーグレナ(ミドリムシ)等の微細藻類の研究開発・生産及びこれらを用いた食品・化粧品、バイオ燃料等の開発製造販売、バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発等を行っているベンチャー企業である。同社は、コア技術であるユーグレナ(ミドリムシ)の屋外大量培養技術についてはノウハウとして秘匿化し、生産したユーグレナを食品・化粧品・燃料等に利用するための技術については積極的に特許出願する知財戦略をとっている。エネルギー・環境分野においては、将来の商業化に向けて、ユーグレナの品種改良技術、分離濃縮技術、発酵技術等、バイオ燃料生産プロセスにおける要素技術について、世界各国へ積極的に特許出願を行っている。ユーグレナを一部使用したバイオ燃料生産のための基本技術について、将来的にバイオ燃料を生産する可能性のある世界14カ国に出願を行い、日本・米国・中国・オーストラリア等で特許を取得しているほか、東南アジアなどの各国でも権利化を進めて特許網の構築を図っている。大学発ベンチャーとして、大学の研究成果を社会に還元するべく産学連携にも意欲的に取り組み、基礎研究を中心に15以上の大学と共同研究を進めている。また、企業との共同研究も積極的に行っており、微細藻類由来の素材を活かした食品・化粧品・飼料等の用途への応用研究も行っている。知的財産活用企業 -2018年度知財功労賞受賞企業より その7-微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)ユーグレナ入り化粧品「one(ワン)」ユーグレナ入り食品「ユーグレナの緑汁」
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