特許行政年次報告書2019年版80第5章分野別に見た国内外の出願動向⑩仮想通貨・電子マネーによる決済システム キャッシュレス化の推進に伴い、インターネット取引のみならず、リアル店舗等の取引においても、仮想(暗号)通貨や電子マネーによる決済が年々増加しており、様々なシーンに対応した電子決済システム・電子決済サービスが出現している。セキュリティやネットワーク障害対応等も含め、これら電子決済システム・電子決済サービスは今後も発展が見込まれる。 仮想通貨・電子マネーによる決済システムに関する出願は、米国からの継続的な出願が見られ、中国、韓国からの出願が急増している一方で、我が国からの出願は比較的少ない[1-5-47図]。 キャッシュレス化推進に向け、経済性および利便性を向上させる技術蓄積を強化するとともに、安全性を維持・確立し、将来における技術の可能性も加味した持続的な基盤構築が必要である。また、我が国によるデータの利活用推進に向け、マーケットニーズの把握等に有用なデータの囲い込みへの対抗も図るべきである。1-5-47図 出願人国籍別ファミリー件数推移及びファミリー件数比率(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主張年):2010~2016年)出願人国籍(地域)優先権主張2010-2016年出願年(優先権主張年)合計出願件数韓国籍3,426件19.1%中国籍5,973件33.3%合計17,930件その他763件4.3%日本国籍1,151件6.4%米国籍5,298件29.5%欧州国籍1,319件7.4%1,3861,3861,9021,9022,2732,2732,2972,2972,6942,6943,1263,1264,2524,25205001,0001,5002,0002,5003,00005001,0001,5002,0002,5003,0003,5004,0004,500合計その他国籍韓国籍中国籍欧州国籍米国籍日本国籍20162015201420132012201120101-5-46図 仮想通貨・電子マネーによる決済システムの技術俯瞰図課題•盗難防止•改ざん防止•間違い防止•未処理トランザクションの防止•滅失防止•プライバシー保護•耐量子計算機暗号•安全性評価•レピュテーション管理•円滑な決済•多様な決済手段への対応•決済以外の機能との統合•入力の自動化•端末導入コストの低減•ネットワーク・センターシステムの低コスト化•与信業務の効率化•マーケティング活用•有効性確認•取引履歴の管理•不正金融取引防止電子マネー仮想通貨ポイント決済手段決済システムの要素技術決済システム一般システム暗号技術•共通鍵•公開鍵•ハッシュ関数•電子署名•メッセージ認証コード•画面遷移••トークナイゼーション••データベース設計•メッセージ設計•第三者による記録の保管•タイムスタンプ要素技術オンサイト商取引オンライン商取引送金投融資•実店舗•自動販売機•交通•病院•仮想店舗•通信•公共料金•税•デジタルコンテンツ•オークション•海外送金•一斉送金•寄付•個人送金•クラウドファンディング•証券取引•リース•保険・資産形成鍵の管理•マルチシグナチャ―•ハードウェアウォレット•ペーパーウォレットコンセンサス•ファイナリティ•その他各種方式参加者構成•パブリック型•コンソーシアム型•プライベート型スクリプト記述ブロックチェーン間接続利用場面データ管理ブロックチェーン特有電子マネー•プリペイド•リアルタイム/ジャストペイ•ポストペイ取引と支払の時間関係•オンライン決済•オフライン決済オンライン性•一方向•双方向双方向性仮想通貨ポイント・クーポンマルチ•磁気カード•接触型カード•非接触型カード•携帯端末•ウェアラブル端末•バーコード•コード•ウェブウォレット認証媒体・ウォレットリーダー/ライターネットワークセンター認証•パスワード認証•生体認証•取引履歴による認証•第三者による認証・仲介•多段階認証•オーソリ取引対象の管理•セルフレジ・レジレス決済処理記録不正検出•耐タンパ•ヒューリスティック不正検知•検出チャージ利便性経済性スケーラビリティ追跡性安全性仮想通貨・電子マネーによる決済システム金融取引商取引価値の記録•ゲーム内通貨••証券取引•クラウドファンディング•チケット・ギフトカード•ポイント・クーポン権利の記録•不動産取引•為替取引•知的財産権•デジタルコンテンツ利用•投票関与者の記録•サプライチェーン•ヘルスケア•偽造防止・真正性担保•貴重品管理•オークション•各種届出•シェアリングエコノミー•スマートモビリティ•広告・広報•スマートコントラクト•エスクロー自動化•デリバティブ•エネルギー管理•消耗品管理•遺言・会社清算処理の自動化決済以外も含む利用場面スケーラビリティ図表
元のページ ../index.html#110