特許行政年次報告書 2019年版
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知的財産をめぐる動向第1部第5章特許行政年次報告書2019年版81⑪電池の充放電技術 2011年に発生した東日本大震災以降の節電・蓄電意識の高まり、再生可能エネルギー普及に伴う電力系統安定化ニーズの高まり、スマートフォンを始めとしたモバイル機器の普及、電気自動車用充電インフラの普及等、電池の充放電技術の重要性が高まっている。 電池の充放電技術に関する出願は、我が国からの出願が多いものの、中国からの出願が顕著な増加傾向を示している[1-5-49図]。 ユーザー視点を重視し、蓄電池の用途に応じて安全性や寿命、コストを最適とする技術を適用することを意識した技術開発、商品開発を推進することが有効である。また、蓄電池の有力メーカーが多いという我が国の特性を活かし、蓄電池を管理するマネジメントシステムの開発においても主導権を握ることが有効である。1-5-48図 電池の充放電技術の技術俯瞰図電池の充放電技術充放電技術の主要課題【安全】・過充電・過熱・衝撃変形・過放電・短絡・過電流・回路異常【電池劣化防止】・経年・満充電状態回避・リフレッシュ・低状態回避【均等化制御】・パッシブ方式・アクティブ方式【出荷時試験】【詳細用途】・家電・モバイル・産業機械・医療福祉…・安全性・寿命耐久性(サイクル特性)・大容量化・高出力化・充電時間急速充電・電池状態検知精度・電力変換効率・コスト・リユース【検知】・電流・温度・電圧・時間【算出、推定】・電流積算値・・内部抵抗値・・開放電圧・ばらつき判定・電池内部モデル【電池状態】・動作時・停止時【定電流充電】【定電圧充電】【定電流・定電圧充電】【パルス充電】【充放電方式の切替】【満充電状態の維持】【非接触充電】用途・対象に応じた充放電技術保護技術充放電基盤技術用途・対象に限らない基盤技術【制御タイプ】・電池制御・電池発電制御・電池負荷制御・電池その他エネルギ貯蔵・複数二次電池の制御電池状態の把握充放電制御その他自動車住宅施設【車両内充放電制御】・駆動力制御・回生制御スマートグリッド系統安定化技術マイクログリッド【詳細用途】・需給バランス改善・出力変動緩和【電池配置】・変電所発電所・住宅施設・車両・多数分散配置【監視技術】・需要予測・発電電力または発電電力量予測・現状把握・周辺環境把握【車両への充電制御】・車両の使い方・住宅施設内負荷・系統状態に基づく制御【放電技術】・内部向け・外部向け【車両からの放電制御】・系統へ・住宅施設へ・通信停電対策技術【詳細用途】・バックアップ用・一定期間供給用【電池配置】・変電所発電所・住宅施設・車両・多数分散【ユーティリティ】・省エネ・電気料金契約・家電スケジュール管理・インタフェース・修理、交換、メンテナンス【監視技術】・需要予測・発電電力または発電電力量予測・現状把握V2H電池種別【材料的な種別】・電池・電池・ナトリウム硫黄電池・電池・キャパシタ…【構成上の種別】・単セル・多セル・多モジュール調査対象範囲充電インフラ【自宅充電】【経路充電】【目的地充電】【サービス】・料金・予約、案内【充放電形態】・直流・交流【バッテリバッテリ】図表1-5-49図 出願人国籍(地域)別のファミリー件数推移及びファミリー件数比率(日米欧中韓台への出願、出願年(優先権主張年):2010~2016)台湾913件3.1%米国3,786件12.9%韓国3,626件12.4%その他672件2.3%中国7,290件24.9%日本7,886件26.9%欧州5,093件17.4%合計29,266件出願人国籍(地域)優先権主張2010-2016年出願年(優先権主張年)ファミリー件数01,0002,0003,0004,0005,0006,000その他台湾韓国中国欧州米国日本合計20162015201420132012201120103,2503,2503,9043,9044,0444,0444,1144,1144,3574,3574,4434,4435,1545,154

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