特許行政年次報告書2019年版82第5章分野別に見た国内外の出願動向⑫ストレージクラスメモリ IoTの普及やAIの進化により、大量のデータを高速に処理する能力が要求されているが、従来のコンピューティングシステムでは、メインメモリとストレージとのアクセス速度の差がボトルネックとなる。このボトルネックを解消する新たな不揮発性メモリとしてストレージクラスメモリが期待されている。 ファミリー件数は全体的に減少傾向であったが、2014年は増加している。日本からの出願が最も多く、次いで韓国からの出願が多い。近年は、米国及び台湾からの出願が増加傾向を示している[1-5-51図]。 ストレージクラスメモリの研究開発・技術開発が目指すべき方向性として、ストレージクラスメモリユーザーの要求性能を満たすための課題を明確にし、その課題を解決する技術開発を行うべきである。1-5-50図 ストレージクラスメモリの技術俯瞰図1-5-51図 出願人国籍(地域)別ファミリー件数推移及びファミリー件数比率(日米欧中韓台への出願、出願年(優先権主張年):2006~2016年)05001,0001,5002,00001,0002,0003,0004,000合計その他台湾韓国中国欧州米国日本20162015201420132012201120102009200820072006その他192件0.9%台湾籍2,000件8.9%中国籍1,799件8.0%欧州国籍984件4.4%米国籍4,121件18.4%ファミリー件数合計2,6952,5792,4951,8921,8421,8951,8151,7541,9821,9301,551日本国籍7,443件33.2%韓国籍5,891件26.3%出願人国籍(地域)優先権主張2006-2016年出願年(優先権主張年)合計22,430件用途・応用産業メモリ性能課題●データセンタ・サーバー機・ストレージ装置●エッジコンピューティング・IoT端末・スマートスピーカ・車載等●携帯情報機器・スマートフォン・タブレット・PC・スマートカード等●HPC・AI用途等●オボニックスイッチ●3端子素子●2端子素子●3次元化●その他製造プロセス(前工程)●洗浄●成膜●微細露光●エッチング●熱処理●平坦化加工●その他●高速化・消去・書き込みの高速化・読み出しの高速化・その他●微細・高集積化・小面積化・3次元化・その他●セル当たり記憶メモリ数/記憶容量・多値記憶(MLC等)・記憶容量・微細加工寸法:~1Ynm●アクセス時間・書き込み/読み出し時間:10ns~10ms・消去時間:10ns~10ms●信頼性・書き換え可能回数:>106・データ保持:~10年●コスト・<DRAMコスト●低消費電力化・駆動電流低減・その他●低コスト化・製造容易化・歩留り向上・新材料導入低減・その他●高信頼性化・劣化メカニズム明確化・動作アルゴリズム最適化・誤書き込み・誤読み出しの低減・その他●メモリシステムの最適化●その他・用途毎のメモリ階層の最適化及び簡素化・セキュリティ強化・その他●置き換え対象・ワーキングメモリ・コードストレージ・データストレージ●産業機器●その他●アーキテクチャ・3次元構造(クロスポイント構造、3次元積層型(BiCS等)、チップ積層(TSV等)等)●メモリ素子●配線●電極●コンタクト●その他メモリデバイス構造●回路技術・書き込み・読み出し・アドレス選択・電圧供給●コントローラ技術・ウェアレベリング・ECC・不良ブロック管理・高速化・論理・物理アドレス変換等回路技術●Memory-type SCM●Storage-type SCMSCMタイプ要素技術製造プロセス(後工程)●アセンブリ●実装●検査●その他異なる機能の混載記憶素子(セル)タイプ●NOR・MONOS型・フローティングゲート型●MRAM・STT-MRAM・SOT-MRAM・電流磁界型MRAM・電圧駆動型MRAM等●PRAM(PCRAM)・GeSbTe・TRAM等●ReRAM・OxRAM・CB-RAM・CeRAM(Mott転移型)・原子スイッチ等●NAND・MONOS型・フローティングゲート型●カーボンナノチューブ●FeRAM●その他メモリモジュール構造とインタフェース新しいメモリシステムアーキテクチャセル選択スイッチCPUストレージ(HDD,SSD)ストレージクラスメモリ(SCM)SRAMDRAMアクセス速度記憶容量CPU1-5-50図
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